2017年世界陸上競技選手権大会の分析からわかったこと③

2018年07月31日 | run
「記録的豪雨」だとか「命に関わる猛暑」だとかと結構ジェットコースター的な7月でしたが、何とかランは続けていました。
8月は平穏無事であって欲しいと願います。

【ラン修行】裸足Jog
走行記録:1時間02分49秒/10.48㎞(→6分0秒/km)
心拍数 :(平均)124bpm/(最高)139bpm
hr-TSS :44

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標記の件、最終回です。「目から鱗が落ちる」話です。
歪みも丸ごと受け入れる、という度量の広さが必要かも知れません。

【③:左右非対称でも構わない】

 ランナーの中には、ランニングフォームがスタート時から明確に左右非対称という人もいる。例えばAlmaz Ayana(女子10,000mで1位、リオデジャネイロ五輪女子10,000mでも1位&世界新記録樹立)は歩幅の左右差が最も大きかったし、それはスタート時から見られた。具体的には、400m×25周のレースに於いて、5&10周目では歩幅の左右差は17cmであったし、最終周では20cmに広がった。

 問題は、この事実をどう解釈するか?である。Almaz Ayanaは現時点で”世界で最も速く”10,000mを走るのだ。そんな彼女のランニングフォームを「修正」したら、もっと速く走られるのだろうか?。この問題を考えると、Usain Boltの件を想起させる。彼も歩幅に左右差が見られるし、脚筋力(最大値)は右足の方が約13%大きい。これは、彼の脚長が左右で僅かに異なることに起因するのかも知れないが、見方を変えると彼は自らの身体的特徴に合わせてランニングフォームを最適化しているとも考えられる。この点について、Peter Weyand氏(Southern Methodist大学の研究者)はNew York Times紙上で、「Usain Boltがランニングフォームの左右非対称を修正したら、もしかするとスピードが落ちるかもしれない」と指摘している。

 Weyand氏の発する警告は、もしかすると今回の調査結果全体、ひいては全ての(=ホビーレベルを含めた)ランナーについて当て嵌まるのかもしれない。もしあなたが、より速く走る目的でランニングフォームを改善しようと試みるのであれば、まずは現時点でのデータを収集して、現状を明確に認知するべきである。それを踏まえた上で、徐々に&段階を踏んで”何か”を変え、その変化が望ましい結果をもたらしているか&望ましくない作用を及ぼしているかを、時間をかけて評価したい。何より大切なのは、BoltやAyanaのように、一見おかしいと思われる状態でも、それがあなたにとって実は適正であるかも知れないという点に留意することである。
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