台風一過、暑さが戻ってきた大阪市内です。
でも、先週迄の40℃近い”生命に危険が及ぶような暑さ”では無かった感を覚えます。早朝なんか「ちょっと涼しいんかな」と思えるほどです。
身体って環境に馴化するものですね。
さて、標記の件、その②を掲載します。
吾輩としては、経時=疲労による変化が左右非対称に現れる点が興味深いです。左右非対称については③で取り上げる予定です。
【②:疲れてくると、ランニングフォームは変化する】
足の着地部位を論じる際に注意したいのは、レースのどの時点を対象にしているのか?という点である。例えば、女子マラソンで優勝したRose Chelimo(ケニア出身、バーレーン国籍)は、1・2周目は踵着地だったが、3・4周目では中足部着地になっていたと同時にペースが上がっていた。男子マラソンでは、8位になったDaniel Wanjiruも同様であった。ただWanjiruでは、後半になるとペースは逆に下がっていた。
疲労に伴うランニングフォームの変化についても、「微妙」では片付けられない差異が見られた。エリートランナーを指導するSteve Magnessコーチは、3・4周目で見られ始める(ランニングフォームの)非対称性を指摘している。例えば、男子マラソンで5位だったGideon Kipketerの歩幅を見ると、3周目では左右差が1cmとほぼ左右対称であったが、4周目では9cmと急に拡大していた。7位のYohanes Ghebregergisでも同様(6→11cm)の傾向が見られた。この点についてMagnessコーチは、「身体が疲労するに伴ない、筋力etc.の”弱い”部分が露呈すると共に、その部分を”庇う”ようになる」と指摘する。
同じことはケイデンス(=歩数/分)についても当て嵌まる。一般的には、加速時にはケイデンスや歩幅は増大し、減速時には減少する。しかし、男子マラソン3位のTamirat Tolaの場合、35㎞付近でペースが下がった時点では、歩幅は14%減少したものの、ケイデンスは殆ど変化していなかった。これは通例とは異なる。
今回の結果から、何らかの普遍的な結論を導くのは適当ではない。見方を変えれば、疲労に対する身体の反応は十人十色であると言えよう。ただ近年、いわゆるウェアラブルデバイスの発達に伴い、この手の分析が容易になったのは間違いない。最近でもある市民ランナーが、走り出して20分後から歩幅の左右差が段々拡大するというデータを筆者のもとに送り、それについての見解を求めるということがあった。それに対し筆者は、その原因を断定するのは困難であるが、何か良くない変化が発生している兆候には違いないと考える。そして、そのような指標を継続してみていけば、何らかの対策(ストレッチング/筋力トレーニング/フォームの修正)を実践した場合にそれが有効かどうかを判断するのは容易だろう。
でも、先週迄の40℃近い”生命に危険が及ぶような暑さ”では無かった感を覚えます。早朝なんか「ちょっと涼しいんかな」と思えるほどです。
身体って環境に馴化するものですね。
さて、標記の件、その②を掲載します。
吾輩としては、経時=疲労による変化が左右非対称に現れる点が興味深いです。左右非対称については③で取り上げる予定です。
【②:疲れてくると、ランニングフォームは変化する】
足の着地部位を論じる際に注意したいのは、レースのどの時点を対象にしているのか?という点である。例えば、女子マラソンで優勝したRose Chelimo(ケニア出身、バーレーン国籍)は、1・2周目は踵着地だったが、3・4周目では中足部着地になっていたと同時にペースが上がっていた。男子マラソンでは、8位になったDaniel Wanjiruも同様であった。ただWanjiruでは、後半になるとペースは逆に下がっていた。
疲労に伴うランニングフォームの変化についても、「微妙」では片付けられない差異が見られた。エリートランナーを指導するSteve Magnessコーチは、3・4周目で見られ始める(ランニングフォームの)非対称性を指摘している。例えば、男子マラソンで5位だったGideon Kipketerの歩幅を見ると、3周目では左右差が1cmとほぼ左右対称であったが、4周目では9cmと急に拡大していた。7位のYohanes Ghebregergisでも同様(6→11cm)の傾向が見られた。この点についてMagnessコーチは、「身体が疲労するに伴ない、筋力etc.の”弱い”部分が露呈すると共に、その部分を”庇う”ようになる」と指摘する。
同じことはケイデンス(=歩数/分)についても当て嵌まる。一般的には、加速時にはケイデンスや歩幅は増大し、減速時には減少する。しかし、男子マラソン3位のTamirat Tolaの場合、35㎞付近でペースが下がった時点では、歩幅は14%減少したものの、ケイデンスは殆ど変化していなかった。これは通例とは異なる。
今回の結果から、何らかの普遍的な結論を導くのは適当ではない。見方を変えれば、疲労に対する身体の反応は十人十色であると言えよう。ただ近年、いわゆるウェアラブルデバイスの発達に伴い、この手の分析が容易になったのは間違いない。最近でもある市民ランナーが、走り出して20分後から歩幅の左右差が段々拡大するというデータを筆者のもとに送り、それについての見解を求めるということがあった。それに対し筆者は、その原因を断定するのは困難であるが、何か良くない変化が発生している兆候には違いないと考える。そして、そのような指標を継続してみていけば、何らかの対策(ストレッチング/筋力トレーニング/フォームの修正)を実践した場合にそれが有効かどうかを判断するのは容易だろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます