今朝遅刻しそうになっていつもとは違う路線で会社に向かっていた。すると北千住を出てすぐ地下鉄（千代田線）が緊急停止。結果的には３０分近く駅間に停車したまま完全に缶詰状態になったわけですが、今回の東京メトロの危機管理状況が非常に良く出来ていると感心したのでここに記しておきたいと思います。まず止まってすぐに「お客様が線路に立ち入っているようです。全線に緊急停止がかかっております」との車内放送。それから１分おきくらいにしつこいくらいの車内放送。だんだん実況放送状態になってきました。「湯島駅でお客様同士のトラブルがありお客様が線路に立ち入っています」「お客様が根津方面に逃走しています」「線路に立ち入ったお客様はまだ確保できていません」
「お客様」が「逃走」？「お客様」を「確保」？
なんじゃそりゃ・・？って感じです。車掌さんの実況中継のバックグラウンドで本部？からの放送が警察無線みたいで緊迫感が漂っている。
「まだ線路内に立ち入ったお客様は確保できていません」「お客様を確保でき次第発車いたします」「た、ただいまお客様を確保いたしましたぁ」「安全確認でき次第発車いたします」
もう笑っちゃうしかありません。昼のニュースを見なくてもこの車掌さんの実況中継で状況はほとんど把握できました。想像したとおりの状況でした。まあ車内放送で三国人の痴漢が線路を逃げているとは言いにくかったので「お客様」が「逃走」とか「確保」とかの表現になってしまったのでしょうが状況を暗黙に表現した彼のアナウンスは秀逸なものでした。
北千住-町屋間の千代田線は多分都内でも有数の駅間が長い区間だと思います。そんな中で３０分近く放置プレイ状態では「ウンコもれそうだけど町屋のトイレまで我慢しよう」と思っていた乗客は「大人になってから電車でウンコもらしたやつ」のレッテルを貼られてしまう事になるかもしれません。突然女の子になって股間から血を流してる女子がいるかもしれません。密閉されてどんどん暑くなってくる車内でいらいらして突然包丁を出してくる輩がいるかもしれません。とにかく密室状態と言うのはそうとうのストレス。車掌さんの妙ちくりんなアナウンスが結果的にはそのいらいら感を緩和させたんだと思います。
さらにその後の東京メトロの迅速な対応がすばらしい。まず駅間に放置された僕が乗ってる電車を町屋駅に着ける為に先行の町屋に止まってる電車の乗客を降ろして回送にした。そして電車をすばやく流してとにかく町屋につけた。町屋についたら先行電車を降ろされた客がホームにあふれかえっている。これは乗り切れないなぁと思っていたら「後続に回送電車を走らせていますので無理に乗らないでください」との放送。多分北千住で乗客を降ろして回送にしたんでしょう。この対応はすばらしい。放置プレイ乗客のストレスをできる限り緩和する最善の策だったと思います。
オウム事件や日比谷線の事故等の経験から公共交通機関としての危機管理体制ができていると言うことなのでしょう。今回のトラブルに対して指揮をとった方と東京メトロに対して賞賛の意を表したいと思います。
ただ思いっきり遅刻したのは言うまでもありません。実は電車が遅れなくても遅刻だったんですがタイミングのいい言い訳が出来たってことで今回の遅刻は勘弁してくださいな。
