2月6日付四国新聞コラム そこに議論はあるか
『刺激的な本だった。タイトルは「『平成の大合併』の現場から」。著者は元三豊合併協議会事務局長の曽根幸一さん。しかしこれは、決して合併時に混乱した三豊地区の暴露本ではない。
あの騒動は外から見ていてもひどかったが、住民も恥ずかしかったようだ。立ち上げては消えた合併協は数知れず。ようやく合併した後も、三豊市では庁舎の場所さえフラフラとさまよい続けた。
驚くような経過だが、「むしろ当然のことであるとさえ思っている」と曽根さんは記す。合併のドタバタは、多くの首長や議員、職員の根本的な姿勢に問題があったためだという。
彼らは望ましいまちの姿を考えることもなしに、市名や庁舎位置を決めようとした。これでは本末転倒。自論をぶつけ合うだけで、議論になるわけがない。協議会がもたなくなるのは当然だった。
そもそも普段から会議のための会議しか開いてこなかった。だから本当の議論ができない。結果だけを重視し、相手の理解を得ようとしたり相手の立場を想像したりしない。彼はそうした貧弱な会議文化こそ問題だったと自省を込めて指摘する。
ただこうした状況は三豊地区に限ったことではない。セレモニーと化した議会はどこにでもある。国会だって対立のための対立を演じているし、私たち自身も討議・討論がどれだけできているだろう。
本当の議論を経なければ、本当に良いものにはたどり着かない。今も三豊地区では、ごみ処理をめぐりドタバタ劇が繰り広げられているが、本当の議論が交わされた形跡はない。良いものをつくるつもりも、合併の反省を生かすつもりもないのだろうか。』
著者の曽根幸一氏が みとよの文化探訪 みとよから文化の発信を というタイトルで
ブログを書かれています。
『本書はこれからの地方行政・まちづくりを考える、一人でも多くの方に読んでいただきたい願いから、2年がかりで書き上げました。新聞では触れられていませんが、三豊地区内の合併協議の混乱や低迷を通して、今日の地方行政が当面している課題や問題点の深層を私なりに提起し得ていると思っています。』
私もある合併協議会に出席していたものとして、大変興味深い著書です。
曽根氏とはいろんな議論をした思い出があります。議論まで昇華していたかどうかは別として、私は合併後の動きをみていろんな勉強をしているところです。
香川県内にお住まいの方は、宮脇書店でお求めできることになっているそうです。
はやく手に取り読み込みたいと思っています。