↑前回。
階段でこけそうになってバランスを崩しながら荻は玄関へ走った。扉を開けるとやはり段ボールを持った配達員が立っていた。
「お待たせして申し訳ありません。ご注文の品です。」
「おお、待ってましたよ!!」
「受け取りのサインをお願いします。」
荻は人生で最も早く自分の名前を書いたかもしれない。期待は高まりすぎて溢れる寸前だった。
「では失礼します〜」
配達員が帰っていくと、荻は階段でつまづきながら猛ダッシュでリビングへ向かい、段ボールの封を切った。中にはプチプチで保護されたあのサプリが入っている。
「おお!これはすばらしいぞ!」
まだ開けてもいないのに萩は興奮していた。早速取り出し、使用法を確認する。
「なるほど。食後か。」
食後と分かれば荻はすぐに朝ごはん…と言っても冷凍のご飯とインスタントの味噌汁だが、爆速で平らげた。サプリが早く飲みたい。とにかく飲みたい。その一心で食べていたからか、ご飯の味はほとんど分からなかった。
「よし、飲むか!!」
遂に荻はサプリの袋の封を切った。中に入っているのはカプセルだ。
「こんなやつ陸上の合宿で見たことある!これは本物だ!!」
カプセルの見た目なんてどんなものでもそこまで変わりはしないが…。
荻は3錠を飲んだ。おかしな味はなく、飲みやすい。
「毎食後にこれをやるだけで痩せるのか!?最高じゃねーか!うおー!!」
それから、荻は何の疑いもなくサプリを飲み続けた。そのうち、「食事をもっと健康的なものにしたらサプリの効果が上がるのでは?」と思い始めてもいた。
そして1ヶ月。荻は1ヶ月の成果を見ようと思い、体重計に乗ってみることにした。サプリの効果を実感したかった荻は、サプリを注文した日を最後に体重計には乗っていなかったのだ。体が軽くなった気はしている。さあ、いざ…。
「な、なんだこれは…??」
そこに現れた数字に、荻は言葉を失った。
続く…。
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