ヨワヨワマンからの手紙

脳腫瘍が見つかって手術後、25年以上車いすで生活しているオジサンで~す!病気に苦しむ人、障がいのある人へ届け~

📗第3章 見えてきた可能性

2025-02-18 17:49:06 | 僕と脳腫瘍(エッセイ)
😊この章は…

術直後の厳しい時間に耐えて
一般病棟へ移った僕が
日に日に回復して行く中で、
未来にかすかな可能性を
感じはじめことを紹介します。



🎯その1 閉じられたままのカーテン

そんな最悪な状況だった僕も
2週間くらいで
観察室から一般病室へ戻るときが来たんよ~

「幸島君が戻ってきましたよ~」

看護師さんの声からして…
手術前からいた病室みたいだ!

入院前からいた彼が
まだいるみたいなんだけど、
  • 体を起こすことも
  • 声を出すことも
  • 左半身を動かすことも
今の僕にはできないから…

顔を見ることさえできない…

彼もそんな僕を見て絶句してたはず!

その証拠と言ってもいいのかな?
手術前は
開けっ放しだったベッド間のカーテンが
朝から晩まで閉じられたままになっちゃった…

トホホだ。


薄いピンクのカーテン…

彼は病室のドア側のベッドにいたんだけど、
食事の際に食堂へ行く時とトイレ以外は
ベッドから出てこなくなってね~

たぶん
病室から出るには僕を
通り過ぎなきゃいけんでしょ?

顔を合わさんといけんわけやん?

声も出ないし動けない僕に
気を使ってくれていたんじゃないかな…

そして
僕が病室に戻って1週間後

脳内の問題に対しての定期検査が済んだのか?
彼が退院する日が来たんよ。

大きなバックを抱えて
ベッドのほうから申し訳なく出てきてね~

食堂やトイレに行く時と同じで
僕とは目を合わせず
一目散に病室のドアヘ行こうとしたんよ~

でもね、その時は途中で足が止まった!

そして僕のほうを向いてこう言われたんよ。

「今までお世話になりました。
これから大変でしょうがどうか頑張ってください」

「いやいや~そんなにかしこまらなくてもいいですって!
こちらこそ、最後は話もできず申し訳ありませんでした。
そしてお気遣いありがとうございます!」

そう言いたかったんだけど声が出ないでしょ?

更に体を起こせないから寝たままでしょ?

にっこり微笑むことも
顔面が腫れて麻痺しているからできないんよ…

無視しているわけじゃなかったんだけど
結局はそんな感じになっちゃってね…

ただ…

彼をずっと見つめていた。
それが今の僕が出来る感謝の形!

そんな僕を見た彼は、
深く一礼をして病室ドアを開け出て行かれた。

それ以来これまで一度もお会いしていないんだけど、
元気にしているんかな~

出来れば一度お礼が言いたいんやけどな~



🎯その2 ある約束

彼が退院した後は4人部屋へ移った僕。
あのときも手術前に
いろいろお世話になった人ばかりで…

ただね~

すごい人との出会いがあったのは大収穫!

彼を見ていると、
車いす生活の可能性っていうのかな?
それまで未知数だった世界に
少し足を突っ込むことができたのかも!

ま~その人はまた紹介するとして…

そんな僕に朗報っいうのか?
嬉しいことが起きてね!

それは4人部屋から
再び2人部屋へ移ったころ

「あら、あんた声が出るようになったやん?」

傍らにいた叔母ちゃんが

驚いた表情でそう言ったんに!

そうそう

なんとですね〜

詳しい理由はわからないんだけど、
いつの間にか声が出るように
なってきたんよ~

実はお医者さんから
「必ず声は出るようになる!」って
言われていたんよね。

でもなかなか…
「うんともすんとも」

それがハスキーボイスって言うの?

ガラガラ声?かすれ声?みたいなのが
少しだけ出て来るようになっていて

叔母ちゃんが来てくれた時に
恐る恐る声を出してみたわけ!

いや~うれしかったな~~~


声が出てきたぞ~!

さっきも書いたけど、
原因はわからないんよ…

でも完全に喋れなくなった
わけじゃなくて
何かが原因で一時的な現象だった
それは間違いないみたい!

それからは
日に日に元気が出てきてね~
と言っても、
まだまだ本調子にはほど遠くてね~
ベッドから自力で起き上がれるのもやっと…
長時間座った状態を保つ力なんてなかったんよ。

でも決めたんに!
僕は「ある約束」を果たすんだってね。



🎯その3 無念の電話…

「僕が良いって言うまで
面会に来ないでほしいんですが…
よろしいでしょうか?」

僕が言う「ある約束」っていうのは
カヌー先生と交わした冒頭のやつね!

ってことは~

術後ついに
面会OKで~すって先生に伝えるってわけ!

もちろん
それを僕自身が伝えるのは無理があったから…

「先生にそろそろ来てもらえるよう言っちょって」
叔母ちゃんにそうお願いしたよ~

あっ!また話がそれちゃうんだけど
約束を交わした経緯?エトセトラ?
ここもグッとくる人がいるかも?
書いちゃおっかな~!

手術前日

(そうだ!
先生に電話してお願いしちょかんと…)

夕食後に先生と約束を交わすため
院内の公衆電話へテレホンカードを持って走った僕。

当時はね~
今みたいにスマホなんてなかったんよ!
ガラケーはあったけど、
高校生だった僕は持ってなかった…

たぶん学生は持たないっていうのが
主流だったんじゃな?

ということで公衆電話。

当時は院内のいたるところに
テレホンカード販売機があって
緑の公衆電話機が設置されていてね。

「あっ、先生…僕です、辛島です」
僕が先生に伝えたかったこと。
  • 主目的の約束
  • これまで親身になって支えてくれたお礼
  • カヌーを指導していただいたお礼
  • 手術や今後に対する意気込み
面と向かって言うというのが
本来の筋かもだけど…

でもね…

受話器の向こうにいる先生は泣いていた。


泣かないでくださいよ~

「あっ…えっと、
明日が手術なんで電話しました。頑張ります」

そのくらいで受話器を置いたっけ…



🎯その4 会心の電話!

手術当日の早朝

(やっぱり…
もう一度先生にかけてみよう!)

僕はテレホンカードを握りしめて
再び公衆電話へ向かったんよ~

(あれ?スッカラカンやん…)

昨日とは打って変わって
公衆電話が設置されている広い通路に
人影がない


ってまだ5時台やったから
病院が動いてないけん当然か~


僕っていつもは朝寝坊しがちなんに…
やっぱり緊張しちょったんかな?
あっ、でも暇を持て余したから
先生に電話しようと
思いついたわけじゃなかったんよ~

ま~気になっちょたんよ!

昨日は泣いていて話ができなかったけど…
手術を受ける前に
何とかお願いを聞いてもらいたい!

森先生から事前に手術のリスクを聞いていた僕
それをあまり
深刻に受け止めてたわけじゃなかったつもり


でもやっぱり術後の自分に不安があったから
そう思ったんだろうな~

そんな思いが早起きに繋がったのかもね!

(今日も泣いてたりして…)

恐る恐る番号をプッシュすると…

「ぷるるるるぷるるる…ガチャ!あっ、辛島か?」

「はい!」

「やっぱりな!かかってくると思ってたわ〜」

受話器の向こうの先生は泣いてなかった!


泣いてなかった!

加えて、
僕が再びかけてくると信じて待っていてくれた…

感無量だ!

僕は昨日伝えられなかった
  • 主目的の約束
  • これまで親身になって支えてくれたお礼
  • カヌーを指導していただいたお礼
  • 手術や今後に対する意気込み
伝えられた!
先生はそれを聞いてこう言ってくれたんに!

「わかった!待ってるからな…
辛島、頑張れよ!」


うれしかったな~

最強の応援団長からエールをもらったんだから!

こうなったら
たとえ厳しい状態になったとしても

自分が納得できるところまで
早く元気になる必要がある!

もう一度先生に会うためには
.無様な姿は見せられない…


そしてついに
約束を果たすときが来たってわけよ~

うふふふふ~



🎯その5 二転三転…

叔母ちゃんが僕の「面会OKサイン」を伝えて
すぐに来てくれた先生。
同級生4人も一緒だったな~

僕は座位を維持する力がないから
ベッドの頭側をギャッジアップして
みんなが見える姿勢に!

すると…
みんな僕の姿に少し引いてる感じ…

引いてる感じ…

「これでも術直後に比べたら
見違えるほど良くなったんですよ〜」

叔母ちゃんが空気を察したのか?
そう助言してくれる。  

結局声も十分でないもんだから
時間が経たなくてね…

「今日は長くいると
辛島が疲れるやろうからまた来ような!」

先生は同級生にそう言うと足早に病室を後に。

(な~んだ、
もっとゆっくりしていけば良いのに…)
そう思う僕に、

「先生がね、これからは術前と同じようなペースで
面会に来ても良いのかなって言ってたよ」

先生たちを見送りに病室を出ていた叔母ちゃんが
戻ってきてそう言ったんよ~

(もちろんですとも~!)

またこまめにお会いできるようになるんだな〜
そう思って安堵の表情を浮かべる僕。

それが…

事態は急展開しちゃう…
180度くらい…


もうたまらんわ〜

(第3章はここでおしまい)

✅脳腫瘍(のうしゅよう)っていう病気について

2025-02-18 17:32:02 | 脳腫瘍とは?
僕は高校生のころに
脳腫瘍(髄芽腫)が見つかってから
独学で学んできたことがあります。

間違いがあるかもしれませんが
今回はそれを紹介しますね~



■脳腫瘍(のうしゅよう)とは?


脳頭蓋内にできる腫瘍の総称
大きく2つに別けられる


原発性脳腫瘍
脳の細胞や神経・脳を包む膜から
出来るもの


転移性脳腫瘍
肺がんや乳がんなどが
脳に転移して出来るもの



■何種類くらいあるのか?
細かく分類すると
150種類ほどになる


※ただし、
脳頭蓋内にある段階で
種類を確定することは困難

摘出し調べる必要がある



■どんな症状が出るのか?

腫瘍が大きくなって
脳頭蓋内の圧が高まってくると
以下のような症状が出てくる


頭痛

ふらつき

吐き気

マヒ

歩行障害

痺れ



■どうやって調べるのか?

以上に書いたような症状が出たら、
迷わず脳神経外科へ。


そこで

MRI画像検査

CT画像検査

異常部位の活動性を見るPET検査

脳血管の状態を見る脳血管造影

遺伝子検査

以上のようなもので、
ある程度の情報がわかるが、
最終的な確定診断は、
病理検査の結果になる。



■どんな治療法があるのか?

以下のことなどを併用して行う


外科手術

放射線治療

化学療法(抗癌剤治療)

免疫療法

薬物治療




■悪性度ってなんだ?

「原発性脳腫瘍」は、

悪性度(治療や生活のしやすさ)で
グレード1~4に分類される


数字が大きくなるほど悪性
※良性腫瘍はほぼグレード1で、
外科手術で完全に取り除くことが出来たら
再発はマレ

同じ種類でも
脳頭蓋内のどこに出来ているのかなどで
悪性度が異なる場合がある

(手術・治療のしやすさ)



■それぞれのグレードに分類される種類(例)

グレード1:
・下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)
・神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)
・髄膜踵(ずいまくしゅ)


グレード2:
・星細胞腫(せいさいぼうしゅ)
・突起膠腫(とっきこうしゅ)


グレード3:
・退形成性星細胞腫(たいけいせいせいせいさいばうしゅ)
・退形成性突起膠腫(たいけいせいせいせいとっきこうしゅ)


グレード4:
・膠芽腫(こうがしゅ)
・中枢神経系悪性リンパ腫(ちゅうすうしんけいけいあくせいりんばしゅ)
・髄芽腫(ずいがしゅ)



※グリオーマ:神経膠腫(しんけいこうしゅ)
代表的な脳腫瘍で知名度があるが、
悪性度は様々でグレード4で紹介した
膠芽腫(グリオブラストーマ)が再悪性型になる



以上になります。
少しはプラスになることがありましたか?


車いす選びも一苦労

2025-02-16 18:16:33 | HOW TO 車いす



車いすは消耗品です。
いつかは手放さなければならない時が来ます。


僕は常時必要ですので5年くらいしたら
次を準備しなければなりません。




その間は出来るだけ快適に使えるように
以下のこと踏まえて作成した方が良い
と思っています。


・自分の体に合わせ
正しい姿勢で座ることが
できる車いすを選ぶ。
(車いすシーティングの
考え方を尊重すること)


そうすることで、
チェアワークのしやすさは
もちろんのこと、
ケガの予防や
疲れにくさにつながると思っています。


ということは、
必然的にレディメイドではなく
オーダーメイドになります!


自家用車に置き換えてみてください。


新しく買い替える時、
カタログを見たり、
実際に車道を走っている光景を見たり、
お店で実物を見たり触ったり(手に取ったり)
試乗することもできると思います。


(販売業者さんや
知人などの意見を参考にすることもできますね!)


その点、車いすの場合は
新車などが展示されたショールーム(お店)が
ほぼないですし、


巷で参考になるような車いすに乗っている人に
出会えるチャンスもそうないですから、
以下のような感じでしょうか…


乗ってきた経験から、
カタログを見て
何となく良さそうなのに決める
(推測のようなものを総動員して)


もちろん、販売業者さんや
先輩方の意見を
参考にすることもできますが、


車いすは毎年のように
機能やデザインが更新されたり、
部品(パーツ)が増えたりします。


ですから、販売業者さんや
先輩方の意見だけでは
不十分な時もあるんです。
(信用していないわけではないです)


仕方ないことなのかもしれませんが…


現物を見て触って体験したい!


新車などが展示されたショールーム(お店)が
ほぼない理由としては、


車いすユーザー(お客さん)の人数的な問題


ユーザーの体に合った車いすでないと
試乗しても乗り心地がイマイチわからないという点


そういうことから
メーカー側の採算がとりにくいのかもしれません。


できれば、
僕自身が新作に触れられたり試乗できたりする場所が
県に数カ所はあればいいなと思うんです。


新車などが展示されたショールームがあればいいな~


車いす選びも一苦労

2025-02-16 18:16:33 | 車いすマンあるある



車いすは消耗品です。
いつかは手放さなければならない時が来ます。


僕は常時必要ですので5年くらいしたら
次を準備しなければなりません。




その間は出来るだけ快適に使えるように
以下のこと踏まえて作成した方が良い
と思っています。


・自分の体に合わせ
正しい姿勢で座ることが
できる車いすを選ぶ。
(車いすシーティングの
考え方を尊重すること)


そうすることで、
チェアワークのしやすさは
もちろんのこと、
ケガの予防や
疲れにくさにつながると思っています。


ということは、
必然的にレディメイドではなく
オーダーメイドになります!


自家用車に置き換えてみてください。


新しく買い替える時、
カタログを見たり、
実際に車道を走っている光景を見たり、
お店で実物を見たり触ったり(手に取ったり)
試乗することもできると思います。


(販売業者さんや
知人などの意見を参考にすることもできますね!)


その点、車いすの場合は
新車などが展示されたショールーム(お店)が
ほぼないですし、


巷で参考になるような車いすに乗っている人に
出会えるチャンスもそうないですから、
以下のような感じでしょうか…


乗ってきた経験から、
カタログを見て
何となく良さそうなのに決める
(推測のようなものを総動員して)


もちろん、販売業者さんや
先輩方の意見を
参考にすることもできますが、


車いすは毎年のように
機能やデザインが更新されたり、
部品(パーツ)が増えたりします。


ですから、販売業者さんや
先輩方の意見だけでは
不十分な時もあるんです。
(信用していないわけではないです)


仕方ないことなのかもしれませんが…


現物を見て触って体験したい!


新車などが展示されたショールーム(お店)が
ほぼない理由としては、


車いすユーザー(お客さん)の人数的な問題


ユーザーの体に合った車いすでないと
試乗しても乗り心地がイマイチわからないという点


そういうことから
メーカー側の採算がとりにくいのかもしれません。


できれば、
僕自身が新作に触れられたり試乗できたりする場所が
県に数カ所はあればいいなと思うんです。


新車などが展示されたショールームがあればいいな~


業界用語なのかな?

2025-02-14 08:38:15 | HOW TO 車いす

僕は車いす生活30年近いですかえら

「もう自分はプロ車いすマンなんだろう」
と思っているんですが、
まだまだ知らないことは多そうです。

あっ

若いころは
漕ぎたくてたまらなかったようなもので
ロータリーや巨大スロ―プを
上り下りしていましたから
シザープレーキを使っていました。

あっ…シザーブレーキというのはですね~
座ったときには簡単には見えないのですが、
車いす側にあるレバーを
タイヤ側に引き出すことで
ブレーキングできるんです。

ですから
前傾姿勢で漕いでもブレーキが
指に干渉しにくいという利点があります。


シザープレーキ


シザープレーキ

その理由は僕の漕ぐ姿勢。
僕は車いすを全力で漕ぐと
前傾姿勢になって
下を向いてしまう癖があります。

そのような体勢では
ブレーキが取り付ける位置に
標準のタイプ?が取り付けられていたら
指を傷つけてしまいます。

そんな僕もオジサンになった今は
なんとか移動するだけで精一杯…

シザーブレーキよりも
手を伸ばせば比較的容易に
ブレーキングできる
標準のタイプ?の方が
使い勝手が良い…

※標準タイプ?は、
タイヤより上に伸びたスティックを
手前に引いたり前に押すことで

ブレーキングできます。

標準のタイプ?






そこで…
※シザーブレーキを
使っていたころの話しです。

「あの~
これに差し替えてもらえませんか?」

僕はこれまで
複数台の車いすに乗ってきたのですが、

標準タイプのブレーキを
処分せずに保管していたんです。

「良いですけど…
これはステイが必要になるから
少しお時間いただけますか?」

「ステイ?」

「ブレーキを取り付ける位置は
決まっているのですが、
そこにこれを付けると
ブレーキングしづらいと思うので…
高さや角度を調節するための素材です」

「売られているんですか?」

「いえいえ、
うちのほうで一から作っています」

「へ~
オーダーメイドみたいなものなんですね~」


「R」のような黒い素材がステイ

このステイ
僕から見たら

ガラクタ?を拾ってきたんじゃないの?
そう疑ってしまう代物ではあるのですが…

みなさんはどう思いますか~?