UNNATURAL

人間力なんてもともとなかったのね
~ないものは作るか。でもゼロを1にするのって、ムズカシイ~

女神

2006-02-09 | ゆずさん

ゆずさんNEWアルバム『リボン』
かなりいいです。これはみんな聴くべきだ。
最近『リボン』しか聴いてないことに気付いた今日この頃です。


しかしなあ。
どうしてもどうしても受け入れられない曲があるのさ。

それが「女神」
なんだよね。

久しぶりに逢った女友達が妊娠してて、おなかも大きくてもうすぐ子どもが生れる
っていうその姿を見たときの感動 を歌っている曲なんだけれど。

よく作詞作曲した北川悠仁さんが
「この曲は全ての女性に捧げる曲です」とか「女性賛歌です」とか言っているのを雑誌などで目にしました。


じゃあさ。
子どもを産めない女性はどうなるのかな。
望んでるのに子どもが出来ない体質の人とか
子どもが出来ないわけではないのに、病気とかで作れない人とかはさ。


できない人もいるんだから、だから子どもができることがすばらしい のですか?


じゃあ、子どもを産めない女性は、どう、なるの?




実際に私の身近にもいる。
「子どもが出来にくい」体質の女性。
結婚して三年目。
まわりは挨拶のように、何の気なしに言ってくる。
「子どもはまだ?」「若いうちに作ったほうがいいよ」
「こどもかわいいよ?」

ほかにも、
病気して放射線治療中で子どもを作るのを止められている人。
子宮や生殖器自体の病気で子どもを作ること自体できない人。

その女性たちはさ
どんな気持ちでその言葉を聞いてるのかな。
どれだけの哀しみと切なさと罪悪感を抱えて、笑ってその言葉たちをかわしてるのかな。

言葉にしちゃうとほんとになってしまいそうで怖いからあまりいえないけれど、
私自身、今の精神状態とそこからくる身体的状況から考えると
「確実に子どもが産める」女性 であるとはいえない。




この世に結構いると思うんだよね。
子どもに恵まれない女性(あえて「女性」にします)
でも、子どもができる女性のほうがはるかに多くて、
出来ない(作れない)女性のほうが少数派だから、
世間や男性や多数派に属する女性から見れば 女性は子どもが産める ものなんだよね。
なんていうのかな。
そういった「女性はこういうものだ」「女性なんだから」
みたいな世間の価値観そのままに、
自分の感動っていうことだけ受け止めて、
少数派のことを考えないで浅はかにしてしまった発言、
のように聞こえてしまって仕方がない。

この「女神」だけは。

聴いてると、そんな感情がぐるぐるぐるぐる湧いてきてしまって、
素直に聴くことが出来ないんです。

もちろん、曲調は嫌いじゃないし、
北川さんの個人的な出来事をうたった曲だ っていうのもわかってはいる。










な~んで「すべての」女性に捧げちゃったのかな。
「そのモチーフになった女性に捧げる」でいいじゃない。






大好きな北川悠仁さん が作った曲だから、よけいになんか哀しく想えてしまうのです。











初回限定版についてた寺岡呼人さんのブックライナーノーツに書いてありました。
「ここまで男性が感動できて女性に理解できないラブソング…(略)」




少なくともわたしは、あと50年くらいは理解したくありません。






















なんだか、曲すらも素直に聴くことが出来なくなるくらい、
全てのものが受け入れられない自分に愕然。


もちょっとさぁ、
なんとかしようよ、私よ。








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