祖母は餡から作ってくれたので 同じ味にはなりません
餡を練るのは熱くてはねて手間がかかるので
罪悪感を感じながら市販の餡を使ってしまいます
祖母はお彼岸の度 一升の餅米を炊き 餡を練り
自分の身が自由にならなくなるまで 子や孫におはぎを食べさせてくれました
作れなくなる悔しさ 病床についていても
何か持たせるものはないかと気にかけてくれた
母や孫からのおはぎを美味しい美味しいと食べてくれた祖母
亡き今 私が出来る事は 懐かしく 優しい祖母を思い出しながら
手作りの味を 今生きている大切な人に口にしてもらう事
生きている時だけでなく 身が滅びてもなお
こんなにも沢山の思い出で 満たしてくれることに ただただ 有難く尊く 偉大な人だと改めて思い知らされる
時代も自分も移り変わっていく
気づかない程に 穏やかに 急激に
一つの節目 行事 季節は
それらを気づかせてくれる

