お待たせしました。ジャパニーズランチ、失敗編。失敗だったのは、学校側がサーブしたスクールランチです。写真、ドカドカ行きます!
3つのベルに分かれたランチタイム、45分間ずつ、毎回何百人もの生徒たちがカフェテリアに押しかけてきました。聞きしにまさる大人数。でもマナーよく並んでいるし、バカ騒ぎする子もいないので静かなものです。いちゃいちゃチュッチュしてる子はいっぱいいたけどね(爆)日本食試食のテーブルは、メインのランチとスナック類の間のあたり。前を通るついでだったり、わざわざ遠くからディスプレイを見つけて来てくれたり、興味津々な様子でした。(もちろんチラッとも見ない子や寄りつきもしない子もたくさんいたみたいです)
先生(左)が、来る生徒たちに「これはエーダマーミー(枝豆)、プロテインがいっぱいですごく身体に良いのよ!皮は残してね!」と早口言葉のように声をかけます。
私は桜餅の横で、「中にレッドビーンの甘いペーストが入ったスウィート・ライス・ケーキで、上に本物の桜の花が乗ってるの」と説明する係。私の方はいつまで繰り返しても早口言葉にはならず、しどろもどろのまま。うー。緑茶やアラレも勧めます。
盛況盛況。
普段あまり接点のないハイスクーラーたちを身近に感じました。顔中ピアスの男の子が、「おいしかった~ありがとう!」なんてニコニコしていくから可愛いです。右下の写真の子、髪の毛七色だけど、あれって毎日スプレーするの??
一番人気はやはりSUSHIでした。3回に分けて出したのですが、それぞれのベルで後の方に来た子はなくなってしまってガッカリしてました。そこへ桜餅を勧めると最初は「ええーっ?」って顔をするのに、口に放り込んだ途端に親指を立ててくれたり、「もうひとつもらってもいい?」って言ってくれたり。
枝豆は最近Costcoでも売っているくらいポピュラーになってきました。完売。
試食の方が一段落したのでメインの「ジャパニーズ・ランチ」を覗いてみました。
チキン照り焼き、卵スープ、白米、ごまブロッコリー、オリエンタル野菜、フォーチューンクッキー
ちょっと[JAPANESE]の看板には無理がある感じだけど、チキン照り焼きと白米は、まあ日本食かな?セサミ・シード・ブロッコリーというのはごま和えのつもり?と思いました。
ところが…
ちょっと待った!
まず、何しろその色。特に左下のごまブロッコリーと言われているものが、真っ黒。ハンパでない黒さ。イカスミというか墨汁というか。緑色だったはずのブロッコリーも面影をとどめていません。
そして、白米…白米はどこ?
右下の茶色いのがそうでした。そして上に乗っている茶色いツナ缶のようなものがチキン照り焼き。
これは一体…嫌な予感…というよりも確信。
そして、その味は、果たして塩辛いなどという生やさしいものではなく、醤油そのものよりもしょっぱい。とてもとても食べられません。冗談抜きで、これを全部平らげたら死ぬかも。戦争中には兵役逃れのために醤油を飲んで死んでしまった人がいたというではないですか。
なんと、この3つのメニュー、どれも素材をただ醤油で煮詰めただけのものだったのです。
なんたることか!
いくらなんでもジャパニーズランチと看板を出して(いや、もうそういう問題ではなく)これでは困ります。幸い、この学区の食生活改善で注目を浴びている彼女(管理栄養士さん…なのかなあ。信じがたいけど)が同じテーブルにいたので、
「本当に言いにくいけれど、はっきり言ってこれはひどすぎる」
と言いました。また回りにいたボランティアのお母さんたちも口々に「一体どうしてこんなことに?」と彼女を質問攻めに。その彼女自身、私たちと一緒に初めてこの料理を口にし、驚いていたところだったのでちょっと可哀想といえば可哀想だけど…でも責任者が味見もしてないってやっぱりヘン!
話に寄れば、
・レシピは調理の人たちに任されている。たぶんレシピを探すことなく、自分たちで考えたままに、ただ日本のソイソースで煮詰めれば日本食になると考えたのではないか。
・彼らは今日のジャパニーズランチを皮切りに、明日はジャーマン、明後日はアフリカンとエスニック料理を次々作らなくてはならないから…
・アメリカの調味料の多くは、ベース自体ではなく、合わせ調味料になっている。醤油をそんなに味の強いものとは知らず、BBQソースやケチャップのようなつもりで使ってしまったのではないか
ということでした。おったまげ。おいおい、それは言い訳にならないよー、ひどすぎるよー。日本人として、はモチロンですが、子どもたちをこの学校に通わせている一人の母親としてもこれはちょっとあんまりだと言わざるを得ません。
日本人の感覚なのかもしれないですが(たぶんそうなんでしょう)、自分たちにまったく知識のないものを曲がりなりにも「商品」として子どもたちに供給するのだから、事前に「調査」「試作」「試食」「改良」「許可」…そしてやっと「実施」という流れを期待してしまいます。もしこれを味見した人がいたとしたら、いくらアメリカ人の味覚が濃い味に慣れていると言ってもGOサインを出すとは、思えません。
常々、アメリカ人の行事や舞台、行政への働きかけを見ていてもそういう課程をすっ飛ばすことが多いなあと思ってはいました。ぶっつけ本番、それはそれで、好きなのです。時間を無駄にしないでテキパキと物事が気持ちよく進んでいくし。でもだからって、これは。これはダメ。ぶっぶー!不合格っ!
大体、食生活の改善という運動の一環でこういうイベントを始めているのに、こんな病気のモトみたいなもの、子どもに食べさせたらダメじゃないですか!もっとも、ほとんどの子はこの色を見た時点で恐れをなして挑戦しなかったようですが…。
日本のように全員が一斉に同じものを食べるわけではないとは言え、カフェテリアで供給するランチなのだから、最低限健康的であるべきです。日本のように責任者への重圧がかかりすぎるのは私は大嫌いなのですが、かといってこれでは責任者がいる意味がありません。メニューにタッチしないって一体???他の日本人は少し遠慮がちでしたが、私はちょっときつく抗議してしまいました。
でもうちの娘たちに言わせると、アメリカ人は「失敗を恐れる」よりは「やってみないこと」を恐れるのだと。ぶっつけ本番、ダメだったら次に改善すればいいわよね、みたいな感じ。それは確かにある意味正しいんだけど、うーん。うーん。娘たちもすでに、日本の常識は忘れかけているようです。日本の学校給食に、どれだけの配慮がされているか、カロリーはもちろん、塩分や栄養のバランス、食文化の継承に至るまで、どれだけの計算や気配りがされているか、想像もつかないみたい。
日本の学校給食と、家庭科の授業は誇れるものだなあ、と思います。こちらでは家庭科は少数の希望者向け選択授業です。やることと言えば、すでにパッケージに入って、成形され、点線で切れ目の入った市販のクッキードゥ(クッキーの生地)をオーブンに入れて焼いて「ハイ、手作りクッキー」みたいなレベルなんだそうです。ああ!少しは日本を見習ってくれ~!
でも、直接学校給食側の責任者と話せて良かったです。彼女たちなりに考えてはいることもわかったし。ただ、あまりにも知識がない…これからも機会があったら食の健康、話し合って行きたいと思いました。とりあえず来月はミドルスクールで同じ催しが。改善されるといいけど(願)。ねえ?
とりあえず、ごま和えはごまを擂ってペースト状にしたところへ砂糖と醤油を「ちょっとずつ」(←強調)して作るのだと教えたら感心していました。次回は是非前もって訊いてください(爆)。
もう一回だけおまけが続くかもしれない。
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これがきっかけで「日本食はまずい・嫌い」と思わないで欲しいなぁ。
悲惨でしたよー。もう食べ物じゃなかった!(と言い切ってしまうくらい)ホントホント、これで【日本食は一度食べたけれどひどかったわ~」なんて思われちゃった悲しすぎですよね。
日本人として、悲しいす。
ところで、最近TAMAさん更新しないなあと
オモテたら、私のRSSリーダーには、旧ブログが
登録してあるんだった。
失礼しましたー♪
ねー?ひどいでしょう?いくらやる気があってもこれはブッブーッ!だよね。
ところでういんちるさんはRSS何使ってる?私も重い腰を上げてなんとかしなくちゃ・・・。
お疲れ様でした
にしても…
ジャパニーズランチ、すごい色
とにかくやってみようはいいが、生徒に出すにはひどすぎ
次回は学習されていればいいが…
ところでこのランチは余ってしまわなかったんですかね?
先日L.Vの日本食レストランで隣のアメリカの女性が 白ご飯に お醤油をたくさんかけて食べていたのにはビックリ・・・お刺身も醤油の中で泳いでたし(笑)ノドかわかないの??と思いました。。。
TAMAさんの抗議に座布団三枚。
日本の学校給食でも栄養士が下だと、給食も不味いです。彼女曰く「最近の子供は濃い味付けに慣れているから薄すぎてちょうど良いんです。」でも誰が食べても不味いらしい。不味い事と薄味は違うと思うのですが。
余ったと思いますよー。こちらの人、食べ物を捨てるのことには抵抗がないのですよ(これはすごーく気になります)。
そう、次回改善されているでしょうか。そこが気になります。学んで欲しい~
いやいや、私はちゃらちゃらとお手伝いに行っただけで何も大変なことはしてないのです。こういうお気楽さは日本の学校行事からは想像が付かないと思います。(最初はすごいカルチャーショックでしたよー)
そうそう、こっちの人ってお醤油でびしょびしょにしますよね。
そうですよねえ。薄味と不味いは違う。
うちの子どもたちが通っていた公立小学校は栄養士さんが素晴らしくて、ほとんど素材から手作り、しかも美しく美味しい!という三拍子揃ったものでした。反面、私が食べていたセンター給食は悲惨でした。今でも思い出す、ゴムのようにかみ切れないパンの耳(涙)。
座布団計4枚、ありがとうございました。