22日朝、神々しい御来光を見ることができた。
それまでの行程はけっして楽ではなかった。
日付が変わってすぐ起床し準備を始める。
準備といっても服は着替えずそのまま寝たし、荷物の準備も特になく、トイレに行くぐらいだ。
でも、そのトイレが行列なのだ。途中で用をしたくなったら困るので、気合で搾り出す。
宿の裏手に集合した時は、すでにヘッドライトを点けた一行がてっぺん目指して登頂開始していた。とにかく富士山は渋滞が凄い。少し歩いては止まり、止まっては歩きでマイペースで歩くことができない。
九合目を過ぎるとかなり急な岩場になり、そこを二列になって登っていく。左はゆったり、右は急ぎ足。まるで都心のエスカレータのようだ。
同行の30代が右側を一気に早いペースで登り始めた。それに付いて行くが心臓は音が聞こえるほどバクバクし、肺は酸素を取り入れようと呼吸回数も極端に多くなり破裂しそうだ。ちょっとしたスペースで呼吸の乱れを整え、山頂までラストスパートをかける。
2時30頃、ついに吉田口の頂上へ。
頂上は風がもの凄く強く、とにかく寒い。
自動販売機で暖かい缶コーヒーを買うも温過ぎて暖をとることもできない。
頂上の山小屋が開くと人がなだれ込む。そこで注文した味噌汁は熱々で、冷えきった体を芯から温めてくれた。
吉田口の頂上は3,776メートルではなく、剣が峰に行くには噴火口の周りを歩いて行かなければならない。これをお鉢巡りと言う。
強風が吹き荒れる中、地元ガイドさんを先頭にしてお鉢巡りを開始したが、立っていると体が吹き飛ばされそうになり、体を低くしてこれを凌ぐ場面が多くなる。
少しばかり歩を進めたところで、ガイドさんの判断により中止となった。
また、山頂は雲が多く御来光を観ることが出来ないかもしれないということで、下山を開始する。
そして九合目あたりで東の空が明るくなり始める。
富士山で見る御来光だ。寒さも忘れるほど美しい。
御来光だけではなく、ここから見るものすべてが美しい。
この後、砂利の下山道を滑るようにして一気に下っていく。
下りはふくらはぎや太ももの筋肉に負担がかかる。
体力も消耗し、疲れもピークに達すると、登山道終点から五合目のベースキャンプまでのなだらかな上り坂が、もの凄く長く、きつい傾斜に感じる。
ベースキャンプで下山報告をしてビールを喉に流し込む。
疲れて”美味い”と唸る元気すらない。
今回の富士登山。
お鉢巡りができず剣が峰まで行くことができなかったことと、山頂から御来光を見ることができなかったことが残念だったが、遠くから見る優雅な富士山からは想像もしなかった厳しさを実感した。
来年、50おやじを迎えることになるが、再挑戦して剣が峰へ行くか!?
現時点ではまったくそんな気になれないほど本当に疲れた。
登頂おめでとうございます。
健脚ですねぇ、ご立派!
反省点も多く、良い勉強になりました。
今日は、太もも痛で、下り階段が辛いです。
一昨日栃木の大平山・西晃山に登ってきました。標高は低いけど下りが想像以上に急な岩場でビビりました。
週末、実家に行って富士山のこと話したら、母親も10代の頃、山頂まで行ったとのこと。
剣が峰で撮った証拠写真もあったよ。