のっぺい汁とは、とろみをつけた具沢山の野菜汁である。
ゴボウ、里芋、人参、葱、蒟蒻等を出汁で煮て、塩、酒を基本に醤油、砂糖で味付けをし、葛でとろみをつければできあがり。
漢字では「能平」または「濃餅」と書くが、本来はぬらりとしているので「ぬっぺい」であり、訛って「のっぺい」になったらしい。
のっぺい汁は、おやじが好きな鬼平犯科帳にもよく登場し、長谷川平蔵もこれをよく口にする。
昨晩の鍋が少し残っていたので、これに醤油を垂らし、葛ではなく片栗粉でとろみをつけてみた。
鍋の具の鶏つくね、鱈、白菜、葱等の出汁と片栗粉のとろみが効いて、絶品の汁ができあがった。
汁物は熱々が美味い。
上顎が火傷するほど熱いのを、ズズズと口に入れ、喉も胃も焼けるような感じになるのが良い。
冬の夜も、これを酒肴にぬる燗を呑めば身も心も温まるのだが、訳あってここ数日断酒中。
解禁日には、ゴボウ、里芋、油揚げを入れたのっぺい汁をこさえて、ちくといっぺえやりたいものだ。
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