私は2008年と2009年に甲状腺腫瘍の摘出手術を受けています。
2008年に何気なく受けた脳ドックがきっかけで腫瘍が発覚しました。
亡き母が脳動脈瘤を持っていた事や夫が小脳梗塞になった事で
私も一度、脳の血管を診てもらっていた方が安心かと検査を受けましたが
その病院では頸動脈から脳までの血管を調べてくれたのです。
そして、頸動脈を診るためのエコーで
何かありそうなのでもう少し詳しく検査をしましょうと言う事になりました。
検査をする度にもう少し詳しい検査を・・・で、CT→MRI→細胞診
結果、がん細胞が出て大学病院で摘出手術を受けました。
突然、「がんです」と言われてもピンと来ませんでした。
自覚症状が何もなくて健康そのもので、ケアマネとしてバリバリ働いていた頃でしたから。
腫瘍は1cm程度で「飲み込む時に違和感がなかった?」と、先生から尋ねられましたが
そんな事を感じた事は一度もなかったし
検査に関わった何人もの先生が「普通、喉を触ると指に触れるんだけどなぁ?」
何て不思議そうに私の喉を触診されていたくらい、何も変わった事はありませんでした。
でも、腫瘍の摘出手術を終えて半年くらいしてから
ふと思ったのですが、手術後、今まで出ていた咳が出なくなっていたのです。
若い頃から花粉症があったのですが、この手術を受ける7年前くらいから
花粉症の季節から10月頃まで咳も出るようになっていました。
喋ろうとすると咳が出るのですが静かにしている時は出ないのです。
仕事柄、咳が出ると失礼だし、風邪だと思われて嫌がられると困るので
色んな病院に行ったのですが、風邪薬や咳止めでは治まらずに
吸引式の気管支拡張剤を使用していました。
また、本当に風邪をひいた時、そんなにひどい風邪でもないのに
声が枯れたりして「セクシーでしょ」なんて面白がっていたのですが
後で思えば、あれって腫瘍の影響だったのかと思うのです。
原因不明の咳が続く、そんな時は甲状腺腫瘍も疑ってみた方が良いかも知れない
家族にはそうアドバイスしています。
私の場合、一度目の手術で甲状腺の半分を摘出し
次の年にまた腫瘍があると、さらに半分を摘出しました
手術中に検査した結果、摘出した甲状腺からは、がん細胞が出なかったので
全摘せずにすみ、4分の1は残っていますが
その残り少ない甲状腺にも腫瘍があり今も定期検査を受けています。
甲状腺から出るホルモンは正常値で、頑張って機能してくれているので
服薬なしで日常生活を過ごせている状態です。
私の場合、がんの転移もなく「ヨウ素131」の必要はなかったのですが
今回の薬不足の新聞記事を読んで、とても他人事とは思えませんでした。
一日も早く、安心して治療が受けられるようになって欲しいと祈るばかりです。