花の都大東京

その地方の人達にとっては切実な問題かもしれないが、いまや「地方の時代」と叫ばれて久しい御時勢にあって、ともすれば一番「地方の時代」を叫ばなければいけない茨城県知事さんが、こんなことをおっしゃるようでは…。

茨城は「トウキョウメトロポリタン」騒動（日刊ゲンダイ） - Yahoo!ニュース

この記事によると、２０１０年３月開港予定の茨城空港の名称をめぐって、橋本昌茨城県知事が、「東京、首都圏近接のイメージを狙って」、「トウキョウメトロポリタン・イバラギエアポート」に名称変更しようとする考えを表明し、それを聞いた桜井富夫茨城県議会議長が、「長すぎる。東京北空港でいい」と発言、収拾が付かなくなっている…というもの。

ふーん。

茨城空港ねえ。

２０１０年開港予定なんだって？
っつーことは２年後か…。












どこに出来る空港なの？

この話題が降って沸いてくるまで、茨城空港なる存在には、今の今まで全く気がつかなかった。
どこかに新たに空港を造るとなると、「土建化せんといかん」土建屋さんが黙っちゃいないはずなので、利根川の川向こうはやいのやいのと大騒ぎになるはずなのだが、これがいわゆる「県境現象」と言ってしまえば聞こえはいいのだけれど、何の噂一つすら聞こえてこないとはどーゆーことかと。

で、どこに茨城空港なるものができるのか調べてみた。

茨城空港

…。

…。

百里基地かい！

うーん…。
便利になるのか税金の無駄遣いなのかようわからん。
地理的には石岡や鉾田、あるいは鹿嶋市に近い（それでも石岡や鉾田までゆうに１０キロ以上は離れている）立地条件だから、土浦やつくば、大洗や水戸などにも近い立地条件だから、茨城県南部地域に住む人々にとっては、いろいろと恩恵を受けることができそう。
つくばや鹿島から羽田空港へ行くにはかなり骨が折れるし、一応成田にも国内線が発着しているとはいっても、あくまで国際線連絡の使命を帯びたものだから、とてもビジネスに、観光にと気軽に使えるような空港ではない。なんとなれば羽田まで国内線で出て、羽田から成田までは電車かバス移動を強いられることにもなるわけで、これはこれで時間の消費がバカにならない。

それはともかく…。
百里基地と言えば、鉄ヲタなら旧鹿島鉄道（２００７年３月廃止）で、ジェット燃料輸送を百里基地に向けて行っていたのは有名で、その話で地理感覚が働く方も結構いらっしゃるとは思うけれど、霞ヶ浦の北側なんですよ。
霞ヶ浦の北側で「東京北空港」だの「メトロポリタン」だの言われても…ねえ。
茨城県は、そんなに東京の属国扱いされることを望むと言うのか。
かような茨城県の態度に、産経新聞の記者がえらく御立腹の様子。

【Ｆｒｏｍひたち】「トウキョウ」になりたがるな - 産経新聞 - Yahoo!ニュース

「トウキョウメトロポリタンイバラキエアポート」。直訳すると「東京首都圏茨城空港」。来年度中に開港する茨城空港の英語名（案）だそうだ。

　橋本昌茨城県知事が定例記者会見で明らかにした話だが、率直に言って、なぜ「トウキョウ」なのか、違和感はぬぐえない。「海外向けだから『茨城』では認知されない。やっぱ世界に通用するのは『東京』だっぺ」ということなのだろうか。

　当然、身内からも異論が飛び出した。県議会の桜井富夫議長が「長すぎる」とかみついた。どの組織にも冷静な人がいるものだと感心していたら、対案として桜井氏がプッシュしたのは「東京北空港」。もう脱力するしかない。

　実は、こうした「トウキョウ頼み」のネーミングはときおり、地方にみられる。そもそも成田空港だって、最近まで「新東京国際空港」と名乗っていた。

　かの「ディズニー」もかつて、同じ手を使った。ただ、そこは人気者・ミッキーの威光か。「千葉（浦安）にあるのに…」と全国から冷ややかな視線を向けられたのは、今や昔。開園２５周年を経て、「東京ディズニーランド」の名は立派に市民権を得た。

　浦安がよくて小美玉（空港予定地）がだめとは言わないが、関東のどこまでを「トウキョウ」と解釈できるかという観点で言えば、自ずと限界があるだろう。

　茨城空港は就航路線がいまだ決まらないなど、苦戦していると聞く。だからと言って、そこまで「トウキョウ」にすがらなくてもいいだろうに。（船津寛）

この記者さんがこれだけ御立腹なのは無理もないし、ともすれば県民感情すら逆なでするネーミングだとさえ思う。
同じように、他県だというのにやたらと「東京うんたらかんたら」とかいうネーミングをつけられて辟易しているのは、他ならぬおいら達千葉県民だからだ。
浦安市舞浜エリア一帯を東京ディズニーリゾートとして呼ばれるのにはいい加減慣れたが、さすがに袖ヶ浦の「東京ドイツ村」まで来ると、いい加減辟易するし、東京と千葉県の都県境から東京ドイツ村まで、車でどれくらいかかるのか…という事を考えると、げんなりするのも無理からぬ感情だろう。
木更津の手前の袖ヶ浦にある施設でさえこう思われるのに、土浦を通り越した小美玉市で「トウキョウメトロポリタン」などと言われても…。

これじゃあ、いくら地方が「地方分権」「地方の時代」を叫ぼうと、一向に地方分権など進むはずもないし、これからも「茨城都民」と揶揄され続けていくのがオチだろう。

それ以前に、茨城空港の知名度そのものもまた問題があるだろうし、事はネーミング云々の問題だけでは片付きそうにないと思うのだが…。