小馬太郎兵衛@タコのイカ踊りぃっ!!

ブログの老後をユラユラ楽しむ悦楽ブログって言ったけどさ、もう一発くらい狙ってもいいのかな。やってもいいかな?

衝撃の炎上

2011-05-29 22:59:35 | Weblog
27日金曜日に、JR石勝線内で脱線・火災事故を起こした「スーパーおおぞら14号」は、ようやくトンネルの外に引っ張り出されましたが、ああ全焼…。

窓は焼け落ち・車体ゆがみ…炎上特急を搬出(読売新聞) - goo ニュース
北海道 占冠 ( しむかっぷ ) 村のJR 石勝 ( せきしょう ) 線・第1ニニウトンネルで27日夜に脱線炎上した特急「スーパーおおぞら14号」が29日午後、トンネルから搬出された。

 窓ガラスが焼け落ち、熱で大きくゆがんだ車体を、事故原因究明のため、JR北海道の作業員らが調べた。

 作業準備は28日深夜に始まったが、搬出時に摩擦熱で出火する危険があり、残った燃料を抜き取る作業に時間を要した。


いやあ…。
全焼だわ…。
別の映像を見ると、おそらくはかなりの高熱でもやされたらしく、華麗な車体もどこへやら、車体は熱でいたるところで垂下し、ドアも溶けて無残な姿を晒していた。

この事故は27日夜、石勝線内を走行していた特急「スーパーおおぞら14号」が車外で発煙らしきものを確認し、トンネル内で停車した列車がその後火災を起こしたために発生した事故。

JR特急から白煙、39人搬送 トンネルで停車 北海道(朝日新聞) - goo ニュース
27日午後9時55分ごろ、北海道占冠(しむかっぷ)村のJR石勝線の第1ニニウトンネル(全長685メートル)で、釧路発札幌行き特急「スーパーおおぞら14号」(6両編成)の車内に白煙が出て、トンネルの中央付近で緊急停止した。JR北海道によると、乗客240人と乗務員4人が乗っていたが、非常用ドアコックを操作して車外に出て、トンネルの外に避難した。道警によると、39人が煙を吸うなどして病院に運ばれたが、症状が重い人はいないという。

 JRによると、乗客は先頭の6号車から脱出し、歩いてトンネルの外に出た。病院に運ばれた人以外は、同村の公共施設に避難した後、28日午前5時過ぎからJRが用意したバスで札幌市や釧路市などに向かった。午前5時50分ごろ、道警が車内に人が残っていないことを確認した。


その後、停車現場から約2キロ手前の線路上に、4号車の床下から脱落した部品が見つかり、同時に発生した脱線痕は、この機器が後ろの車両に乗り上がったか引っ掛けたかなどしたために発生したものであることも判明。

JR北海道を捜索へ 特急脱線、業務上過失傷害の疑い(朝日新聞) - goo ニュース
JR石勝線(北海道占冠〈しむかっぷ〉村)の特急列車脱線事故で、車体の下部から「推進軸」と呼ばれる部品が脱落していたことが分かった。JR北海道が28日、明らかにした。同社や国の運輸安全委員会は、部品の脱落が脱線を引き起こした可能性が高いとみて調べている。

 一方、道警は車掌や運転士による避難誘導が遅れた結果、多くの負傷者が出た可能性もあるとみて、週明けにも業務上過失傷害の疑いで同社の本社を家宅捜索する方針を固めた。


さすがに「鉄道の朝日」、こうした記事は朝日がしっかりしている。
JR北海道によると、推進軸はエンジンの動力を車輪に伝える。脱落したのは後ろから3両目の推進軸で、長さ約1.1メートル、重さ83キロ。同社が調べたところ、トンネルの約2.2キロ手前の枕木に部品がぶつかったとみられる跡があり、その約700メートル先に推進軸がバラバラの状態で落ちていた。さらに約700メートル先からトンネルにかけて、枕木に脱線した跡が残っていたという。


この事故では、乗務員が現状を把握するのにかなり手間取っており、乗務員が列車火災を認め運輸指令に報告する頃には、乗客の判断で車外脱出がすでに行われていたようで、乗務員の車外脱出の対応が遅れたのも問題となっている。

まあ…ねえ…。

よく死人が出なかったな…。

燃えてしまった列車を見て改めて思うけれど、熱で車体が変形してしまうほどの火災事故だったにもかかわらず、死者が出なかったのは不幸中の幸いと思うほかない。
先にも触れたとおり、今回の事故は、乗務員の避難誘導が遅れたことが、多数の重軽傷者を出す事態になったことも指摘されている。

車掌ら「最後まで火災という認識はなかった」(読売新聞) - goo ニュース
脱線、緊急停車、火災発生――。39人が病院に搬送されたJR石勝線のトンネル内で発生した特急「スーパーおおぞら14号」の炎上事故では、JR北海道の避難誘導、指示が後手に回り、火災発生を認知するまでに2時間以上を要するなど不手際が続いた。

 記者会見で同社は「もう少し早い判断ができれば、短時間で避難ができた。反省している」と謝罪した。

 28日午後2時から同社本社(札幌市)で開かれた記者会見には、専務取締役の一條昌幸・鉄道事業本部長、取締役の藤原一夫・運輸部長など5人が出席した。

 火災認知が遅れた理由について、一條専務は「(事態は)列車に異音があったことからスタートした。(車両トラブルで)車両から煙が出ることはある。火災ありきではなかったので、手順を踏むのに時間がかかった」と経緯を説明。

 「車掌も乗務員も最後まで火災という認識はなく、判断が狂ってきていた」などと弁明した。


これを見ていると、火災が発生しているのになぜトンネル内で停車したか、避難誘導などの不手際を回避する術はなかったのか…などなど、いろいろと読み解ける部分は存在するだろう。
まず、車両火災が発生した場合、場所がトンネル内で発生した場合はトンネル内を走りきり、トンネル外の場所で停車するということは、1972年に発生した北陸トンネル内列車火災事故の際に規定が改められて現在に至るのだが、最初現認したトラブルが「異音感知」であったこと、そして実際に脱線に至っていたことを考えると、トンネル内停車はやむをえないことであるとともに、これが車両点検を行うにあたってかなりの支障をきたしたであろうことは、想像に難くない、

そして今回、おいらが疑問に思ったのは、もしかしたら車掌は一人乗務ではなかったのかということ。
もう20年以上も北海道には足を踏み入れておらず、JRを取り巻く現在の状況は分からないのでなんともいえないのだけれど、各所で語られている通り、「JR北海道の列車は8両編成までは車掌一人乗務」という話が本当であるとするならば、車掌や運転士が煙に巻かれながら車両点検をして、かつ的確に乗客を避難誘導することが、果たして可能だったのだろうか…と思うのだ。
というのは、車両点検をしている最中、車内の状況を的確に判断せねばならず、車外の状況も分からない、しかし煙はどんどん回ってきて火まで見えるという状況で、240人以上いる乗客を、車掌一人で誘導することが果たして出来得たのだろうかと思うのだ。
もちろん、乗客を守るべきなのは運転士と車掌であることには代わりがなく、避難誘導が遅れた責を問われるのはもちろんではあるけれども、それがもし、車掌一人の手に全てかかっていたとしたら、それは果たして的確に避難誘導することが可能だったのかと思う。
もし、今回の事故の原因の一端が、車掌を減らしすぎたという極端な合理化も背景にあったとするならば、これほど悲しいことはない。労務上もそうだし、経営的にも。

今回被害に遭われた方には、心よりお見舞いを申し上げる次第であります。


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