静かに流れる時間
時には 小さな波 大きな波
そして 誘いかけてくる やさしい風
でも私は ここから動かない
私が待っているのは
誘惑の風じゃない あなただけだから
雲が私に 覆いかぶさってきても
時々太陽が 冷やかし半分顔出してきても
私は 決してここから逃げはしない
後悔はしたくないから
私が待っているのは
あなただけ・・・
* * *
誰にでも、
一度は行ってみたいところ、
やってみたいことなど、
いろいろな念願があると思います。
私にもたくさんありまして、
この帆引き船はその中のひとつでした。
茨城に住むようになって、
霞ヶ浦湖岸を通る時に何度か目にする、
遠くの帆引き船が美しく、ずっと気になっていたのです。
近くで見るのには、
随伴船というのに乗って、
帆引き船の近くまで行けるのですが、
いつでも乗れるというものでもなく、
乗船できる季節、時間などが限られています。
今回やっとタイミングが合い、
乗って来ることができました。
(長かったぁ~)
乗船の手続きをしてから、
出航まで少し時間があります。
近くを少しだけ散策。
「洪水の碑」
昭和13年6月から7月にかけて大降雨に見まわれて、
桜川、南部川、恋瀬川、新利根川などの洪水が流入して、
湖水位が上昇し、侵入面積3万ヘクタールという大きな被害をもたらしたそうです。
桜川、南部川、恋瀬川、新利根川などの洪水が流入して、
湖水位が上昇し、侵入面積3万ヘクタールという大きな被害をもたらしたそうです。
常陸川改修80年を記念して建立したのが、この「洪水の碑」だそうです。
そろそろ乗船時間。
この船に乗ります。
乗船客は、全部で10名に満たない数でしたが、
一つの船に4~5人ずつ分かれて乗りました。
(周りはカメラを持った見知らぬ男性ばかり・・・ふぅ・・)
船が動き出すと霞ヶ浦大橋が、
みるみるうちに小さくなっていきます。
水の科学館が見えます。
湖上から眺めるなんて、めったに無いことです。
空は少し曇り気味でしたが、
湖面に浮かんで見える筑波山の姿が、
これほどにも美しいとは・・・
心地良い風に吹かれながら、
随伴船はスピードを上げて走ります。
しばらく走ったあたりで、エンジンが静かに・・・。
見えました!
まっ白い帆を、大きく広げて浮かぶ帆引き船が・・・
遠くに筑波山も見えます。
初めて知りましたが、
帆引き船はあちこちに移動しながら漁をするのではないのですね。
網を仕掛けたら、暫くはじっと待っているようです。
待つんですね。 ずっと・・・。
そもそもこの帆引き船を使った帆引き網漁というのは、
明治13年(1880)シラウオ漁を目的に、
かすみがうら市の折本良平さんと言う方が考案されたそうです。
明治時代からとは、意外にも最近だったのですね。
私は江戸時代とか、もっと昔からあったものだと思っていました。
その後ワカサギ漁を主として、
昭和42年(1967)までの約100年間活躍したそうです。
現在は、観光用に浮かぶだけになってしまいました。
そして帆引き船は、
力学的に空を飛ぶ凧に似ているそうです。
今まで遠くからしか見なかったので、わからなかったのですが、
近くで見て驚いたのは、
船からたくさんの縄が伸びていたことです。
縄には、「出し縄」「つり縄」ちょっとふざけた名前の「ものぐさ縄」などの種類があるそうです。
帆げた(帆の上にある横棒)から結ばれている2本がつり縄だそうで、
これが風力、重力、抗力のバランスをとって安定させているのだとか。
とにかく何本もの綱が張られていました。
こんなに大きな帆を広げても、風に倒されないのは、
いくつかの縄で、バランスをとっているからなんですね。
この帆の横幅は船体のほぼ2倍もあるそうです。
一反の布を三枚縫い合わせて細長い一枚の布にして、
それを14~16枚つなげて1枚の帆になっているそうです。
昔は木綿だったそうですが、現在はナイロンだそうです。
船から突き出た棒は、出し棒と呼ばれるものです。
これは、帆を大きく広げるためと、
綱を広げるための役割を果たしているそうです。
もう一つの方の随伴船。
その後ろに筑波山。
この美しい帆引き船の特徴(つり縄の利点)は、
1.帆柱が折れない
2.風に帆が押されても船が転覆しない
3.綱口が立体的に開く
4.揚力が船をつり上げる力となって働くので横に流しやすくなる
5.速力がでる
2.風に帆が押されても船が転覆しない
3.綱口が立体的に開く
4.揚力が船をつり上げる力となって働くので横に流しやすくなる
5.速力がでる
などだそうです。
形だけでなく、機能的にも素晴らしいと思いました。
随伴船は、いろんな角度から帆引き船が見えるように、
ゆっくりと、何度も帆引き船の周りを廻ります。
乗客は全員カメラを帆引き船に向けて、写真を撮っています。
私の側にいらした男性は、
何度も乗って慣れていらっしゃるようで、
次はどのような風景になるとか、
どこに注目すると良いなど、
撮影のヒントをくださいました。
(なのに、その効果を活かせなくて申し訳なく・・・)
ある程度の時間が経って、そろそろ戻る頃。
今回に限り、帆を下す作業も見せていただけるとのこと。
普通は、なかなか見られないそうです。
(ラッキー♪)
と言っても、
何がどうなるのだろうと思っていると、
あっという間に帆はサッと降りてしまいました。
早い、早い。
(なので、途中の写真がありません。トホホ)
その後は、ひたすら網を引き揚げる作業。
かなり力がいるのでしょうねぇ。
逞しいものです。
今は観光船のために3~4人が乗船していますが、
当時の漁では、ほとんどが夫婦2人で行っていたそうです。
それもすごいことです。
船の横に浮かんでいるオレンジ色のボール。
これが網の最後だという目印なんだそうです。
ボールが近づいて、あと少しで終わりですね。
引き上げる網は、丁寧に畳みながら片づけていました。
さぁ、あとは戻るだけ。
今まで静かに湖面に浮かんでいた帆引き船に、エンジンがかかって出発です。
筑波山は、静かにその一部始終を見守っているようでした。
いやぁ~、動き出したら早い早い!
私たちの船も負けずに並んで走ります。
久しぶりに乗った船のスピードが、
スッキリ心地よい体験の締めくくりになりました。
船を降りて眺める風景は、
よりいっそう美しく見えて、
心が穏やかになっていることに気づきました。
これからの季節は、
筑波山も更に美しく見えることでしょう。
時には、
霞ヶ浦湖上を楽しむのも良いのではないでしょうか。
随伴船は、
12月8日までの毎週土日、
13時半、15時半の2回出航しています。
― Yesterday's sky ―
2013.9.29 日没 @石岡市
「 のどかな秋の夕暮れ 」
現在、あし@が不具合のため利用できなくなっております。
せっかくいらしていただいた方、
左上のおきてがみを残していただけると嬉しいです。
方法は簡単です。おきてがみバナーを押す。それだけ・・・。
(このセリフ、何かのCMにあったような・・・)
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またまた…私の知らない世界
ありがとうございました
まるで、おとぎ話の中に出てくるような
こんな船があるんですねーーー
風を捉えた真っ白なまーるい帆が
なんて素敵なんでしょうか。
乗船もできてしまえるだなんて・・・
茨城かー 行ってみたいです。
風景と詩がマッチしててとてもいいですね。
またちょこちょこ見にきまーす。
コメントありがとうございました。
とても美しくて、素敵ですね。
童話に出てきそうな船です。
実際に見ると、白い帆に心が惹きつけられそうですね。
素敵な写真と詩をありがとうございます(#^^#)
霞ヶ浦帆引き船
絵になりますねぇ
夏雪草さんが、夢中で何枚も撮られたお気持ち
分かるような気がいたします
ありがとうございます
夕暮れに浮かぶ帆引き船を想像しました~絵になるでしょうね~(^^♪
応援ポチッ☆
私も乗りたいと思っていましたが、なかなか乗れそうも無いと悟って、いつの間にか諦めてしまいました。
いい写真が沢山撮れましたね。
帆引船の姿は芸術的ですねぇ。
美しいです。
はじめて目にしました帆引き船
夏雪草さんのお写真と詩に心地よい風を感じ
まるでそこにいるような
雰囲気を感じさせて頂いております
素敵な瞬間を有難うございます(^^p☆
http://stk1031.blogspot.jp/2012/08/blog-post_26.html
もっといろいろアピールして魅力度最下位から脱出して欲しいですね。
珍しい光景を見せていただきました。
帆引き船は何度かテレビで見たことはありましたがこんなに詳しく解説入りで見るのは初めてです。
添えられた詩がとっても素敵でした。