哲学日記

松本清張「影の車」世間と苦聖諦


 夜、松本清張「影の車」を観終わってから風呂に入った。

今回は2001年のテレビ版だが、昔同じ原作の1970年映画版を観た。観るたびにいろいろ考えさせられる作品だ。

「影の車」の主人公は、子供時代に、母親の浮気相手を殺してる。
大人になって、今度は自分の浮気相手の6歳の息子に「毒薬」を飲まされ驚愕することになる。
おれの結論は、大人の苦しみを知ろうとしない子供が一番アホってことだ。


昔、おれの近所に不倫してると周りから暗に非難されてる奥さんがいた。
不倫が褒められたことでないのはわかりきってるが、他人の不倫にタガが外れた攻撃をする世間というものは、「影の車」の子供のようだ。子供ならまだしも……

[松本清張スペシャルドラマ~影の車~]


www.youtube.com




 この世界は、古今東西隅々まで嘘とデタラメで満ち満ちてる。
唯ひとつ、四聖諦だけが真実だ。


 20時頃風呂から上がる。
暖たまった身体は血の巡りがよくリラックスしてるので、スムーズに呼吸瞑想に入ることができる。

リクライニングチェアに横たわり、タイマー30分にセット、欠気一息かんきいっそくしてから、吸う息吐く息の今に意識を集中する。

なぜ今を意識する必要があるのか。

実際にあるのは「今この瞬間」だけだからだ。

過去は今の記憶に過ぎず、未来は今の予想に過ぎない。

イ・マといってもマのときにイはない。
瞬間だけだ。

人は誰でも、この真実を理屈でわかるだけではだめで、実際に前後の妄想を裁断するためのトレーニングが必要だ。

30分のタイマーが鳴る。

そのまま続けてもう30分、あっという間に過ぎる。さらに30分。

ああ、今日は上手くいっている。
風呂で、不倫を攻撃する世間への悲しみから苦聖諦に入れたからだ


サティ
「瞬間の現在(今・ここ)」に気づくこと。

ヴィパッサナー実践
「瞬間の現在」に気づき続けること

 

 

 

(過去記事編集再録)

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