名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

また市教委が余計なことをしてくれた

2018-06-24 22:17:13 | 日記(学校)
公の場で言えないからとこんなところで言うのは卑怯なのは百も承知で、今日も市教委を批判します。

市教委が、また無駄・余計なことをしてくれました。

それについて書きます。

今日の記事は二本立て。

「市教委、タイムカードを導入するの巻」
「市教委、留守番電話を導入するの巻」






第1話:市教委、タイムカードを導入するの巻

ついにうちの職場にも、タイムカードが導入されるらしいです。

もともと、在校時間記録というクソみたいなルールが存在していたのですが

その発展系でしょう。

タイムカードの機械の導入や維持費にどれほどのお金が必要なのか分かりませんが

完全に、税金の無駄だと思います。

だって、タイムカードが導入されたからと言って、それが何につながるのです?

ちなみに、我々の始業時間は8:15ですが(これは地域によって異なります)

生徒達の遅刻か否かの判定も8:15のチャイムで判断されます。

本校の場合、8:15に教室に入っていなければ、遅刻になります。

すなわち、どんなに遅くても8:00には担任教師は教室にいる必要がありますし

すると必然、もう少し早く出勤する必要が生まれます。

私はおおむね7:40頃にいつも出勤します。

終業は16:45ですが、その時間はバリバリ部活動をしている時間です。

テスト週間でも、会議やテストに向けての準備等があり、ヒマではないので、いずれにせよそんな時間には帰れません。

すなわち、我々は普通に職責を果たそうとしたら、どうあがいても勤務時間外に仕事をせざるを得ず

また、我々は勤務時間外に仕事をしても、残業手当が出るわけではありません。

よって、こちらの在校時間から手当を計算する必要性がないので、在校時間を正確に把握する意味は無いはずです。



単純に、勤務実態を把握したいだけなのであれば、タイムカードなどという現場の負担になる代物を導入するべきではありません。

タイムカードを切る操作なんて、1日あたり数分ですが、それでも無駄手間であることに変わりはありません。

教師には、1人1台校務用コンピューターが与えられていて、シンクライアントシステムです。

(このシンクライアントシステム及びその運用規則がクソすぎて、現場からは大顰蹙なのですがそれについてはまた機会があれば書きます。)

ともかく、これを使って業務連絡や成績処理などを行なうので

我々は基本、出勤したらそれの電源を入れます。

つまり、出勤したらパソコンの電源をすぐに入れログインをし、退勤時にシャットダウンするように義務づけた上で

そのログを収集さえすれば、こちらの勤務実態は把握できるはずです。



ちなみに、このタイムカードを利用して

「勤務時間が長いので、もっと業務を能率良くし、早く帰るように!」

というくだらないご指導が上から入った段階で、職員一同、18:30くらいにタイムカードを一度押し、その後落ち着いて業務にいそしむようになるだけです。

我々のほとんどは普通の労働者で、勤務依存症の病人ではありません。

帰っても良いならいくらでも早く帰ります。

ところが、状況がそれを許さないのです。


様々な事務処理、明日の授業準備、保護者連絡、等々……

こちらの工夫で能率が上がるのなら、とっくにやっています。





第2話:市教委、留守番電話を導入するの巻

7月より、我が市の小中学校に電話しても、18:30以降は留守電になるようです。

7月ってもうすぐじゃねぇか、とこの記事を書きながら驚愕してしまいました。

一般のお店や事務所に、営業時間外に電話をすると

「お電話ありがとうございます。本日の営業は終了しました……」という機械対応になるアレです。

アレがついに公立学校に導入されるわけです。



私に言わせれば

「どうせ勤務時間内に仕事が終わるわけないのだから、せめて現場の好きなようにやらせろや」

です。

これではこちらの仕事ができる時間は減りますが、業務の負担が減るのかどうかは疑問です。

これが働き方改革なんですかね?

例えば、このようなことが考えられるのでは、と筆者は危惧します。



生徒Aが、悪いことをした。

そのことを察知した学校は、生徒Aには厳しく指導をした。

指導後、担任は生徒Aの保護者に電話をしたが、つながらず、18:30になってしまった。

すると生徒Aは、ひどく厳しく叱られてとても恐ろしかったという事実のみを親に伝えた。

そして我が子が心配になった保護者が翌日、不信感をあらわにしながら学校に電話をしてきた……




何か厳しく指導をした場合、必ず親に報告の電話を入れるべきです。

なぜなら、子どもは、自分が悪いことをしたという自分にとって都合の悪いことは伏せ、先生に叱られたという事実のみを親に伝える可能性があるからです。

でもこれはしょうが無いですよ。普通の子ども心です。

そして残念なことに、「うちの子が叱られた→うちの子が何かしでかしたに違いない」ではなく

「うちの子が叱られた→そんなきつい言葉を使うなんて、学校はどうなっているのだ」となってしまう親もいます。

そういう親は感情的になって学校にクレームを入れてくる可能性があるので

そうなる前に、教師から保護者に向かって、「こういう事があり厳しく叱りました」と報告を入れるべきです。

それをちゃんとやっても親が感情的になった場合、そもそも学校の指導に妥当性がなかったのか、よっぽど担任教師の伝える力に問題があったか、保護者が話の通じないモンペであるかのどれかなので

また別の次元の問題になります。

ですから、そういう案件があった日は、親に電話がつながるまで、私なら電話をします。

今は担任をしていないので滅多にそんな電話はしませんが

担任をしていたら、21時くらいまでなら電話にチャレンジします。

さすがに21時を回ってもつながらなければあきらめますが。

要するに、この新システムの導入により、それができなくなるわけです。



もしかしたら、18:30以降は、学校へはつながらなくなったとしても、学校からは電話をかけられるかもしれません。

しかし、システム的にできたとしても、やるべきでは無いでしょう。

だって、「この時間以降は電話かけてくるな!」って言っている側が、それよりも遅い時間に電話するって、筋が通らないじゃないですか

ちなみに、季節や地域にもよるでしょうが、本校は今の時期、18:15に部活動終了、18:30に完全に下校です。

すなわち、終了時刻まで熱心に部活動指導を行ない、完全下校時刻まで生徒の見送りをちゃんとやってしまったら

もう電話不可能タイムに突入です。


となると、それより前に時間を見つけて、部活動の合間にでも親に電話を済ましてしまう必要性が生まれるわけです。

また、部活終了時間間近に生徒がケガをしたら?どうするの?

これ、現場の負担増でしか無いと思うのですが?



さらに言うと、学校間の、職員同士の電話も18:30以降にできなくなるということです。

これは不便極まりない。

まーこれについては、職員の私物電話による通話が増えるだけでしょう。

中にはLINEとかでやる人も出るでしょう。

そんな業務連絡を私物回線で行なって、情報が漏れたりしたらどうするつもりなんですかね?

例えば、保護者や一般に公開する電話番号の回線と、職員しか知り得ない電話番号の回線を用意して

後者は無制限につながるようにする、なんてこともできるでしょうに。

そんな予算無いんだろうか?

でもタイムカード入れる金があるならそれやれよと思う。

ちなみに、具体的な多忙化解消策の案は以前の記事に書いたので、今日は割愛。

きっと実現する日は来ないだろう。合掌。





まとめ

教育委員会は何かやる前に現場の声を聞け。

現場の意見を無視した働き方改革は現場をさらに追い詰めるだけだからやるな。


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