名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

家出少女の心理に納得

2018-02-03 22:21:33 | 日記(学校)
ネットで知り合った男の家に、家出少女が転がり込む……

しばしば耳にする話です。

何でそんなことするのだろう?と前から疑問に思っていました。

その宿を提供する男の善意の背後にある下心を察知することは、少女にとって難しいことでは無いはずです。

しかし、自分のクラスでガチ児相案件が発生し、なんか納得してしまいました。



詳しく書くと、守秘義務違反でシャレにならないので、ふんわりとし書きませんが

私のクラスの女子生徒……Aさんとします……の家庭はちょっと複雑です。

そのAさんと、Bさんは、仲良しです。

Bさんは、「今日Aさんとこんな話をした」という雑談を、お母さんに頻繁にします。

先日、Bさんのお母さんから私に電話がかかってきました。

「娘の話から推察するに、Aさんは親から虐待を受けているように感じられる」

という内容でした。

私はすぐに教頭に報告し、校長・教頭・養護教諭で対応。

結果として、虐待は事実でした。

すぐに教頭が児相に通報しました。



気がつかなかった事に対して言い訳をすると

女子のふつう衣服に隠れている部位の傷なんて、男性教師である私が気づけるわけ無いです。

しかし、その子が虐待を受けていたと知った後、いろいろなことを思い返してみると

「あ、あの行動は、そういうことだったのか」

と虐待との関連性を感じられる事象はいくつかありました。

やっぱ大変な職業だわ、教師って。

まぁ、このレベルのうちに察知して児相に通報できただけヨシと思うしかありません。



話を戻しまして

教師になる前は、虐待なんて、私にとっては報道番組やドラマのなかでの出来事でした。

ところが、教師になり、このような案件に関わるようになってから

先ほど書いたような、「ネットで知り合った男の家に、家出少女が転がり込む」という行動が、極めて合理的な行動に思えるようになってしまいました。

家出の原因がすべて虐待だとは思いませんが、何らかの親子関係の不具合は関わっているでしょう。

そしてそれには暴力が関わっている可能性は、高いでしょう。

親側はそんなつもりは無いのかも知れませんが、子ども側にとっては、逃げ出したいほどの苦痛を受けているわけです。

でも、金は無い。

金が無ければ、金を出してくれる人にすがるのは必然ですし

そんな男にすがったら、体を要求されるのも予想が付くけど、暴力を振るわれるよりは何倍も幸福だし

少なくとも虐待をしてくるような親よりは大切にしてくれる可能性が高いですからね。



勘違いしないで欲しいのは、そのような家出をする少女を肯定しているのでは無いですよ。

そうではなくて、そのような家出少女を責めるよりもむしろ、そのような状況を作り出してしまった大人を責めるべきなんじゃないの、ということです。


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2 コメント

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Unknown (ひなた)
2018-02-08 01:03:13
こんばんは。

前回書きましたように、子供が幼少期に療育施設に母子通園していたこともあって、
「児相が」みたいな会話は、しょっちゅう飛び交っていたものですから、
「一度も行ったことはないけれど、何だか懐かしい響きの場所」という印象です(笑)

行ったことはないのですが、子供が中学入学後、途端に無口になり、
「ナンダカアヤシイフンイキ」みたいなものを発しだしたとき、
動揺した私は児相に電話をして反抗期の相談をしたことがあります。
「子供さんに、反抗期が訪れて、おめでとうございます。成長過程で必要なことです。仕事柄色んなお子さん見てますから…」
と慰めていただいたのも今では良い思い出です(笑)

私は反抗期がなかったのです。
安心して反抗できる家庭状況ではなかったからではないかと思いますが。
わかりやすい虐待などではないです。
経済的にも社会的にも一応世間様には、「堅いご家庭」だと思われていたのがまた怖い(笑)

そして、名無し先生の教師さんの生徒さんのように、
私もまた、友達に話を聞いてもらうだけで、学校の先生を含め、大人に相談はしませんでした。

「もし、10代の私が今この時代にいるとしたら、『とりあえずは、児童相談所に相談してみなさい。怖いところではないから』とアドバイスするわ」
ということを夫やうちの子には話したことがあります。

ガチ児相案件の生徒さんのお友達のお母様が、行動にうつせる方で良かったと思います。
学校への通報も中々勇気のいることだと思いますから。
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Unknown (筆者)
2018-02-11 09:58:13
コメントありがとうございます。

あまり詳しく書くことはできないのですが
その通報をくれたお母さんも、本当に悩んだ末の通報だったらしいです。

虐待を受けた子の親は、児相から指導を受け(今後も受け続けるようですが)、その子は家庭に戻ることができました。

児相の認知度はあまり高くないのかも知れませんが、その仕事には脱帽です。
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