名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

英語やプログラミングなんてやってる場合じゃないですよ!!!

2017-10-14 12:55:46 | 日記(学校)
先日、小テストを行ないました。

その小テストに、次のような問題がありました。



「金属がなべややかんに使われるのは、金属の持つどのような性質を利用したものですか。」



ちなみにこれは業者から購入している小テストで、私が作った問題ではありません。

極めてオーソドックスな問題です。

大人である読者の皆様なら、答えは当然おわかりでしょう。

大人なら、「熱伝導率が高いという性質」とでも答えてしまいそうですが

中1にやらせているテストなので、模範解答は

「熱をよく伝えるという性質」

です。

さて、その小テストを採点していて、我が国の悲しい現実が見えてきたので、紹介します。



残念回答その1
「熱をよく伝わりやすい性質」
惜しい!でも日本語がおかしい!




残念回答その2
「金属」
!?!?




残念回答その3
「プラスチック」
!?!?!?




まだ1クラスしか実施していませんが

35人学級で、3名もこのような、日本語に問題があるとしか思えない回答をしてきました。

約1割です。

ちなみに、3人とも、例えば外国籍とか親が日本人で無いとか、そのような事情は無い子です。

全員、純正日本人。



お前は生徒を馬鹿にしているのか?と叱られそうですが

そうでは無くて、冗談抜きで、今の子どもたちの日本語レベルはこの程度だと言うことをみなさんに知って欲しいのです。

こうなってくると、理科教育以前の問題です。

前にも記事で書いたのですけれども、国語というすべての活動の基礎基本が怪しい中では、何をやっても身につかないのです。

これは、教科指導はもちろん、その他もろもろの生活指導、モラル指導でも言えます。



先ほどの問題であれば、回答1の子は、まぁまだましな方です。

それでも、中学生であれば、やって欲しくないような日本語のミスです。

回答2、回答3の子は致命的です。

問題文をそもそも読解できていません。

問題文は読解できるけど、理科の知識が定着していない子であれば、当てずっぽうでも「ナントカカントカな性質」と答えるはずなのです。

残念ながら、この子達は、理科ができる・できないの世界にまだたどり着けていないのです。



やはり、最近の子達は、文を読んで理解するという活動を昔の子どもほどしていないと思います。

機械の取扱説明書は消えました。

直感で扱える道具ばかりが市場で好まれ、売れるので、そんな物ばかりになりました。

友達とのコミュニケーションも、ラインのスタンプに代表されるように、「文章を読解して相手の言いたいことを理解する」活動から「フィーリングで相手の意図を感じる」活動にシフトしました。

朝の読書タイムを見ていると、擬音語・擬態語・改行・挿絵が多いラノベばかりになりました。

世の中は変わりました。

この世の移り変わりを否定・批判しても、無意味なことなので

それを受け入れた上で、「じゃあどうすればいいんだ?」ってことを考えるのが、我々大人の責務です。

具体的には、今までよりもたくさん、小学校で、文章力・読解力をつけさせるような活動をしなければならないと考えます。
(中学校では、きっと手遅れです。)

もっとストレートに言えば、国語の授業を増やしましょう。

つまり、プログラミング教育、英語教育なんてやってる場合じゃ無いです。

国語やりましょう、国語。




まずは何よりも、児童の頭に正しい日本語力をプログラミングするべきなのです。


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