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名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

いじめには2種類ある

2017-10-14 13:33:08 | 日記(学校)
学校と切り離せない問題の1つに、いじめがあります。

そのいじめには、2種類あるのです。

教職を目指す高校生・大学生諸君は、ぜひこの観点を持って下さい。



パターンその1は、加害側の児童生徒(以下加害者)が100%悪いというものです。

被害側の児童生徒(以下被害者)の容姿や出身など、被害者にしてみたらどうしようもないことを理由に行なわれているものや、理由無く行なわれるものだとも表現できます。

これは、解決に当る教師にしてみたらイージーパターンです。

加害者側に「お前らが悪い」と指導を加え、被害者側に謝罪させ、必要に応じて保護者対応をすれば良いだけですから。



パターンその2は、実は被害者側にも問題があるというものです。

例えば、A君がB君に対して、ひどい悪口を言い、それを発端にB君とその友達がA君をいじめるようになった、とか

物を盗まれた、意図的に破損された報復としていじめがはじまった、とか

被害者が、公共の場所でやったら誰もが不愉快に感じるようなことをしたためにはじまった、とか

そのような事例が考えられます。

ちょっと話がそれますが

ドラえもんに登場するジャイアン、あんな子が現実に存在したら、絶対にいじめられてると思いますよ。

どのようなきっかけにせよ、いじめは許されないのですが

このパターンの場合、加害者に「お前らが悪い」と言うだけでは、解決しません。

まずは客観的かつ正確に事実を把握し

その上で加害者に事実確認をし

「なぜそのようなことをしたのか」という話から、彼ら彼女らのの心を解きほぐし

それから反省させ、場合によっては謝罪をさせます。

そのような、手間と時間がかかる、繊細な手順を踏む必要があります

このような手順を欠いて「いじめはいけない!お前らが悪い!」というような指導をしてしまったら

指導を受けた加害者は、表面上は反省し、ごめんなさいと言うでしょうが

教師や学校に対して強い不信感を募らせることでしょう。

加害者は本心では反省せず、不満が残り、裏では「何で俺たちが叱られなければならないんだ」と言い、きっとまたトラブルが起こります。

そして、最悪は学級崩壊、それにともなう親からクレームの嵐です。



いじめのすべてがパターン1であれば、我々の仕事も大分ラクなのでしょうが

残念なことに、交通事故と同様で、責任の割合が10:0のケースはあまり多くありません。

すなわち、パターンその2がとても多いのです。

だから、とても難しいのです。


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