名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

神奈川県教育委員会の英断

2020-03-31 19:39:26 | 日記(学校)
県立学校は始業日後、2週間程度の臨時休校 県教委が方針

新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、県教育委員会は30日、県立学校について6日の始業日以降、2週間程度の臨時休校とする方針を発表した。

https://www.kanaloco.jp/article/entry-314059.html



地域によって差異はあると思うので先に書いておきますが

筆者が生活する地域は、都道府県別コロナ感染者数でトップ5に入っている都道府県であるとだけ記しておきます。

私の市では、予定委通りの日に新学期に入るということだけ、決定事項として教師に通達されていますし

保護者にも連絡されています。

さて、この神奈川県教育委員会の

「始業式はやるけどその後また休校」

これはとても秀逸だと思いました。

「え、だったら普通に休校継続で良いじゃん?なんで始業式をやる必要があるの?」

そう思われた方もいるかもしれません。

そうじゃないんです。

この1日だけ登校させることで、リスクを最小限にしつつ、生徒の現況確認をしたり

教科書に代表される諸々を配付したりすることができます。

また、諸連絡も行うことができるわけです。

一人の現場教師としては、妙案だと考えます。



一方で、短縮授業や時差通学にして学校を再開する自治体は多いです。

例としては横浜市。(https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000180456.html

つまり、この後変更がなければ

神奈川県立の学校→始業式だけやって2週間程度の休校に突入
横浜市立の学校→短縮授業や時差通学にして学校再開


という不思議ことになるわけです。

私は、この「短縮授業や時差通学」という対応はとてもナンセンスなものだと思っています。

たとえるならば

「雪道だけど私の車はノーマルタイヤだからゆっくり走ろう!」

と同レベルだと思っています。

読者の皆様はどう思いますかこれ?

また、皆様の自治体の対応はどうでしょうか?



オンライン授業はどうなの?という意見も最近多く耳にします。

元々オンライン授業の体制が整っている学校であれば、良いですけれども

このコロナ対策としてオンライン授業の体制を整える、っていうのは無理があります。

奇跡が起きて半年、常識的には1年以上、整備に必要です。

もちろんこれは「設備を整えるため」に必要な時間です。

実際にそれを教師が使いこなせるようになるまでは、さらに時間が必要でしょう。

ICT機器の操作を支援する教師ではない職員が常勤で、一定数以上配置されるのであれば、教師の慣熟期間はキャンセルできますが

まあ、無理でしょう。

公立の教育行政なんて、そのレベルです。

ですから、子持ちで不安な方は、そんなの期待しないで、ベネッセやZ会等の通信教育を使用された方が良いと思いますし

お金をかけたくないなら、NHK for schoolがよろしいかと思います。



「1クラスの人数を減らせないの?」

これも最近よく耳にします。

結論から言いますと、特例法(または特例条例)が整備されるか、法改正されない限り、無理です。

原則として、1クラス40人を超えない限り、学級を増やすことはできません

ですから、ぎりぎり人数が足りない学年……たとえば79人の学年とか……は、現場の教師が少人数学級化したいと思っても、その権限がありません。

また、人員もありません。



ちなみに、私の勤務する学校のある市の隣の市が、とても感染者が多いんです。

そんななか、昨日、本市でも感染者が出ました。

私は、神奈川県教育委員会と同じ対応が賢いと思っています。

本市は、本当に始めるのでしょうか……

そんな中で、明日、新年度がスタートです。





4月から学校を再開するのが妥当かどうかについて、皆さんの意見をお寄せください。

ご意見はこちらまで。


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