検索ワード: みかん 蜜柑
ヒットした短歌: 124件
うつり來し親子四人が朝な朝なたのしみて見るみかんの林
若山牧水 『白梅集』, 1916-1917, 1917
負はれつつ童ことばをいふきけばみかんすぱしといふにかあらむ
前田夕暮 『夕暮遺歌集』, 1949, 1951
はちはちと蜜柑の硬き葉を燃してゐろり大きなり蜜柑山の家
北原白秋 『風隠集』, 1923, 1944
あたたかし金の箔まだ半おく蜜柑の濡るる吉濱の雨
与謝野晶子 『白櫻集』, 0000, 1942
垂乳根の母が乳房に寄眠り一つの蜜柑小さ手に持つ
伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1905, [1905]
磯山の金の蜜柑の鈴鳴らず鳴りわたる時海の日出でん
与謝野晶子 『白櫻集』, 0000, 1942
山際より蒼み晴れゆく朝しぐれ斜めに海に入る蜜柑山
若山牧水 『朝の歌』, 1915-1916, 1916
髪なびけ腕あらはに枕して寝し傍にまろべる蜜柑
与謝野鉄幹 『相聞』, 0000, 1910
汁すくなき蜜柑食みつつ步むなり雪の山路にからだはほてる
古泉千樫 『靑牛集』, 1919, 1933
幾年の長き病のなぐさめに蜜柑もらひて年暮れんとす
正岡子規 『竹乃里歌拾遺』, 1899, [1899]
少年が蜜柑の枝を携へて父と去りたりその母病めば
与謝野晶子 『白櫻集』, 0000, 1942
さ夜深み酒さめ來つつ頭いたし腐りつきたる蜜柑好み食む
古泉千樫 『屋上の土』, 1916, 1928
蜜柑の木のそばとほつて、冷い六月の空遠くあふいだ
前田夕暮 『烈風』, 1940, 1943
我が著きし德島のあさ雨ぬくし蜜柑植ゑたる街の家みゆ
中村憲吉 『軽雷集』, 1925, 1931
土荒き蜜柑畑の朝時雨鋤きすててひとは在らざりにけり
若山牧水 『朝の歌』, 1915-1916, 1916
しづかすぎる六月の日の暮、蜜柑の花のにほひ空にしみる
前田夕暮 『烈風』, 1940, 1943
何處へか光る雛をば放つべきかくぞ思へる蜜柑の木かな
与謝野晶子 『白櫻集』, 0000, 1942
店頭に蜜柑うづたかく積みかさなり人に食はるる運命が見ゆ
斎藤茂吉 『つきかげ』, 1950, 1954
蜜柑むくうすら赤みを帯びし手の小さき児がほし初冬来る朝
前田夕暮 『歌稿』, 1911, [1911]
祖師堂に今日の忌日を供へたる眞しろき大根黄に照る蜜柑
窪田空穂 『冬日ざし』, 1937, 1941
はやりかせにかかり臥ればわれの食ふ蜜柑も苦しあはれ寂しき
斎藤茂吉 『ともしび』, 1927, 1950
溫泉町行きつくしては樒賣る蜜柑賣る婆の二人に逢へり
窪田空穂 『鄕愁』, 1936, 1937
海のかぜ山越えて吹く国内には蜜柑の花は花に咲くとぞ
斎藤茂吉 『曉紅』, 1936, 1940
我友は蜜柑むきつつしみじみとはや抱きねといひにけらずや
斎藤茂吉 『赤光』, 1912, 1913
まじまじと眺めて蜜柑むきゐたり硝子戸越しの鰯子の浅照り
北原白秋 『海阪』, 0000, 1949
蜜柑袋かつぎ来る子をよびとめし友さびしからむ五つ六つ買ひぬ
北原白秋 『風隠集』, 1923, 1944
そことなく/蜜柑の皮の焼くるごときにほひ残りて/夕となりぬ
石川啄木 『一握の砂』, 1908-1910, 1910
向つ邊に輝くはなにぞ冬草の山のなぞへに照るは蜜柑ぞ
若山牧水 『歌集未收録歌』, 1922, [1922]
をさなごは吾が病み臥せる枕ベの蜜柑を持ちて逃げ行かむとす
斎藤茂吉 『ともしび』, 1927, 1950
蜜柑畑の雜草がなかにこんにやくいも莖ほそぼそと立てるさびしさ
古泉千樫 『靑牛集』, 1927, 1933
大き籠を擁へ来ましぬ蜜柑なりいまだ馴染まねど友が母刀自
北原白秋 『風隠集』, 1923, 1944
ゐのししを獲てこしやうに村人が蜜柑を負ひて訪へる山莊
与謝野晶子 『白櫻集』, 0000, 1942
人とはぬ病の牀のつれつれを文にも飽きぬ蜜柑剝かまく
正岡子規 『竹乃里歌拾遺』, 1899, [1899]
蜜柑の花の香がして、六月の寺の小娘、私をみるから私もみた
前田夕暮 『烈風』, 1940, 1943
小田原の蜜柑をわれにたまはりぬたまはりし人われと同じとし
斎藤茂吉 『つきかげ』, 1951, 1954
日のぬくき小川のふちの草の上にわが兒と二人蜜柑たべ居り
古泉千樫 『屋上の土』, 1917, 1928
あまり赤く、あまりあまきこの蜜柑かな、海はをんなに似て靑く動く日
若山牧水 『みなかみ』, 1912-1913, 1913
青蜜柑はみつつさむき冬枯の野みちを行きて茶の花をみたり
前田夕暮 『虹』, 1921, 1928
投ぐるほどに見る見る籠に滿ちし蜜柑眞白き錢と代へて提げ持つ
若山牧水 『朝の歌』, 1915-1916, 1916
通りがかりの旅寫眞師をよびとめて蜜柑の樹のかげのわれを撮らする
若山牧水 『歌集未收録歌』, 1913, [1913]
冬の灯にあかる蜜柑のかげひとつ我はひた対ふその灯の沁みに
北原白秋 『昭和11年1月1日「多磨」2巻1号』, 1936, [1936]
打ちもだし酸ゆき蜜柑を吸ひにけりただわけもなく悲しかりしに
前田夕暮 『生くる日に』, 1913, 1914
ちやるめらの遠音や室にちらばれる蜜柑の皮の香を吐くゆふべ
若山牧水 『獨り歌へる』, 1909, 1910
汽車の窓べに蜜柑の皮をむきつつも身をかきほそめ昨夜のこと悔ゆ
若山牧水 『みなかみ』, 1912-1913, 1913
不思議なものをみるやうな眼をして私をみる小娘蜜柑の花が匂ふ
前田夕暮 『烈風』, 1940, 1943
友とゐてさびしとは思はね一つの蜜柑いつまでもむきて酒うまからず
北原白秋 『海阪』, 0000, 1949
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