近代短歌データベースを検索するだけのブログ 

近代短歌DBは近代短歌15万首の全文検索と簡易分析を提供するサイト。運営は村田祐菜先生。私はそれを検索するだけの人。

検索ワード「ふぐり」

2022-09-30 09:41:53 | 検索するだけの人
ヒットした短歌: 16件

子をつくるふぐりはあれと敵怒るふぐりは持たず醜男子ども。
伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1903, [1903]

おのこ皆同じふぐりを汝がふぐり如何にさがれかしか冷え易き
伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1903, [1903]

玆にして斷つを知らねば種牡牛のふぐりに同じ汝かふぐり玉
伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1903, [1903]

大日本あきつ島根の民草が思ひあやぶむしがふぐり玉
伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1903, [1903]

神代よりさげ傳へたるふぐり玉二つならべて何か恐るる
伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1903, [1903]

牛飼ひの伊藤左千夫は親しかもふぐりあらはに胡坐ゐしといふ  
前田夕暮 『歌稿 晩年歌稿』, 1949, [1949]

しけ海にいのち生かすと海狸はもふぐり咬切るといふ、その心になれ
前田夕暮 『南風』, 1929, [1929]

御民われ憂ひに堪ずろしや風に醜がふぐりの冷えむ思へば
伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1903, [1903]

益良雄の大き宝のふぐりもよ、玉と世は呼ぶうべなもようべな
斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1906, [1906]

かまくらに蒙古の使者屠りけむ大丈夫子のふぐりしおもほゆ
伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1903, [1903]


言わずもがな伊藤の独壇場。「子をつくるふぐりはあれと敵怒るふぐりは持たず醜男子ども」は圧巻。同時代にリスペクトされていたのは納得。前田の海狸はビーバー。前田は伊藤からいろいろと影響を受けている気配がある。北原や斎藤は作りが細かくて題材をうまく扱えていない。

検索ワード「左千夫」

2022-09-30 08:38:33 | 検索するだけの人
ヒットした短歌: 78件

土屋文明(50)
斎藤茂吉(7)
正岡子規(4)
釈迢空(4)
伊藤左千夫(3)
前田夕暮(3)
島木赤彦(3)
古泉千樫(2)
‭伊藤左千夫(1)
中村憲吉(1)

珍ラシキ草花モガト茶博士ノ左千夫ガクレシチンノレヤノ花
正岡子規 『竹乃里歌拾遺』, 1902, [1902]

茶を好む歌人左千夫冬こもり樂燒を造り歌はつくらず
伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1904, [1904]

歌人は 皆かたくなに見えたまふ。左千夫の大人 躬治のうし
釈迢空 『倭をぐな』, 1943, 1955

歌玉は色々あれど秀眞のは白く左千夫は黑くしありけり
正岡子規 『竹乃里歌』, 1900, [1904]

亀戸の普門院にて三年経し伊藤左千夫のおくつきどころ
斎藤茂吉 『あらたま』, 1915, 1921

左千夫先生生れたまひし家に来て畳の上に暫し立ちけり
斎藤茂吉 『のぼり路』, 1940, 1943

眞夏日の左千夫の忌日朝はやく室かたづけてひとり坐れり
古泉千樫 『靑牛集』, 1926, 1933

過ぎ行ける 左千夫の大人は、/牛の腹の臓腑を貪り/よろこび給ひき
釈迢空 『春のことぶれ』, 1925-1929, 1930

道のべに両手あはさす観世音菩薩の顔の左千夫に似たる
前田夕暮 『歌稿 晩年歌稿』, 1949, [1949]

あづま男の左千夫太腹ゆたゆたにこの川淵に腹あらふかも
島木赤彦 『人々に送りたる短歌』, 1907, [1907]

子規左千夫そのきびしかりしみ命を今に伝へておこなはむとす
斎藤茂吉 『霜』, 1941, 1951

蜆汁里いもの汁味啦の汁左千夫の日なれば食べたり吾ら
島木赤彦 『人々に送りたる短歌』, 1915, [1915]

樂燒のすゑものやかば弓矢取る左千夫の朝臣か面かたを取れ
正岡子規 『竹乃里歌拾遺』, 1902, [1902]

過去になりし左千夫翁の小説を読みてしばらく泣きつつゐたり
斎藤茂吉 『霜』, 1941, 1951

茶博士の左千夫の大人のせしごとく雨のはれまを朝ぎよめすも
斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1945, [1945]

牛飼ひの伊藤左千夫は親しかもふぐりあらはに胡坐ゐしといふ
前田夕暮 『歌稿 晩年歌稿』, 1949, [1949]


先輩にも後輩にも広く慕われる伊藤。前田は門人のように敬慕している。島木はさんざん前田とやりやって名前をあげたところがあるけど、ここでは島木と前田が近い距離感をもっている。斎藤はここでは上手く歌ってしまっていて真意がみえない。


検索ワード「亀井戸」

2022-09-30 07:20:46 | 検索するだけの人

検索ワード「亀井戸」

ヒットした短歌: 15件

 

久方の靑葉の晴を心地よみ草花買ふと龜井戸に來つ

伊藤左千夫 『[左千夫全集]』, 1904, [1904] 

 

龜井戸の藤の莟は堅ければ雫垂りをり通り雨すぎて

島木赤彦 『氷魚』, 1919, 1920 

 

龜井戸の社をいでて野の道を左に曲る臥龍梅の園 

正岡子規 『竹乃里歌』, 1900, [1904] 

 

亀井戸の墓に詣づと[※結果の一部のみ表示]

土屋文明 『青南集』, 1960, 1967 

 

亀井戸の藤は長しも然れどもわが庭の藤は尺に足らずも 

斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1907, [1907] 

 

吾をつれて亀井戸に得せし菊の花にほひて居らむ一目見がほし 

斎藤茂吉 『短歌拾遺』, 1907, [1907] 

 


「葛餅」で検索してヒットした、古泉の亀井戸の短歌がなぜか入ってない。謎。

斎藤茂吉は伊藤左千夫に及ばないということなのかしら。

土屋文明も墓参りにきている。伊藤左千夫はだいぶ慕われている。

 


検索ワード「葛餅」

2022-09-30 06:47:15 | 検索するだけの人

検索ワード「葛餅」

ヒットした短歌: 2件


口にあふ物となりぬと食みつづく黄粉かけたる皿の葛餅

窪田空穂 『卓上の灯』, 1953, 1955


み墓べに今日はまゐりぬ龜井戶の葛餅買ひて歸り來にけり

古泉千樫 『靑牛集』, 1924, 1933




亀井戸とあるから船橋屋の葛餅。伊藤左千夫の墓が亀戸天神近くにあるためそのためかもしれない。すでにアララギは出ている。

近代短歌データベースβは詞書や題が出てこないみたい。ちょっと残念。前後のつながりもみたい。

元祖くず餅の船橋屋 渡辺社長が辞任へ 交通事故、どう喝で騒動 本人申し出を受理方針

https://news.yahoo.co.jp/articles/8a99f13986a2bbaeeda369fb32806ca77260cc1e