ケラケラケラケラ
荒れ野を走る冷たい風が、、、
絵画的遠近感を私とその奇妙な石と木に垂れ下がった首吊りの輪の作り出す風景に、、、
やけにボーッと眼球にゼリーを貼り付けたようにボンヤリ印象づけている
ケラケラケラケラ
この冷たい風は 笑い声のようだ
ケラケラケラケラ
風は北から 吹いてくる
ケラケラケラケラ
北は都会だ 私の故郷 都会 都会 都会
ケラケラケラケラ
そうさぁ この笑い声は都会なのだ 都会都会都会・・・
人の憎しみ苦しみ悲しみ狂気快楽幸福感 全てをひっくるめると
このケラケラケラケラ
の笑い声になってしまうのかも知れないね
風は笑い声を運んでくる 笑ってやるぞ 何が都会だ
さて私は、これから この奇妙に積み重ねた石の上に乗っかり
いち に さん で! いち に さん で!
跳ね上がるのだ! 青一色の空に向って! 跳ね上がるのだ!
そして 落ちる 落ちる 落ちる 落ちる
落ちる落ちる 落ちる落ちる
私は木に蓑虫の如くぶら下がり 少しづつ 少しづつ 落ちてゆく
私の首が細くなり 私の鼻から耳から耳から耳から
じゅるじゅると 白いもの 赤いもの が吹き出して
この笑い声を子守唄代わりにして 空に混じるのだ
青い空の仲間入りをするのだ
フハハハハハハ
君の笑い声に見送られて 死ぬなんて
私は 最高に 最高に 惨めじゃないかぁ クソォ!笑うな!
ケラケラケラケラ
くそぉ~、俺を笑っていやがる
貴様がこんなに 貴様が勝手に俺を育てて そして俺から そこから追い出したのだぞ
滅びろ! 滅んじまえ! やめたぁ!やめたぁ!やーめた やめた!
やめた!やめた! 自殺なんか止めたぁー!自然に死ぬのを待つぞ 何が青空だ
この地球じゃ どこへ行っても お前の笑い声は俺の耳を追ってくるんだろ
勝手にやるさ 俺は勝手にやる
ケラケラケラケラ
ケラケラケラケラ
私は石を蹴り倒して 縄を引きちぎり笑い声を聞くさ
ここまで来て 私はお前の思いのまま動かされていた事が分かったんだ
逆転さぁ こんな笑い声 今度は、その笑い声の方が惨めに聞こえらぁ
思い通りには、いかなかったよな へぇ~だ!
私は死なずにな また お前のところに戻ってやる
お前の中で死んでやる できたら お前も道づれにしてやる
お前も 道づれにな 吹っ飛ばしてやる
ケラケラケラケラ
くそぉ~! また笑ってやがる
笑え!!