世界には美しい大聖堂がいくつも点在しており、キリスト教徒が祈りを捧げる場としてだけでなく、観光を目的に訪れても楽しむことができます。実は、世界遺産として知られるスペインのサグラダファミリアも大聖堂の1つなんです。私たち日本人にはあまり馴染みのない存在かもしれませんが、海外では中東の一部地域を除くほとんどの国で見られます。
ヨーロッパを中心にキリスト教を信仰する国々に点在する大聖堂。世界78億人の人口のうち、全体に占めるキリスト教徒の割合は3割弱とされています。つまり、世界の約3人に1人はキリスト教徒なのです。一般的に大聖堂とは、カトリック教会では司教座が置かれている教会を指します。ロシア正教やギリシャ正教では、司教座の有無に関わらず、由緒ある教会を大聖堂とみなし、司教座制度を持たない宗派であっても、大聖堂と呼ばれるものもあります。世界各地には美しい教会が数多くありますが、大聖堂は高い格式を有する一際異なる存在です。
クロアチア「聖母被昇天大聖堂(ザグレブ大聖堂)」
「クロアチア歩んだ歴史反映し 建築形式多様な変化」
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クロアチアの首都ザグレブ中心部に位置する美しい大聖堂です。高さ100mの尖塔を有することから、同国で最も高い建造物として親しまれています。ザグレブの市街地は、かつて「カプトル(Kaptol)」および「グラデツ(Gradec)」という2つの地域に分けられていました。この大聖堂が位置するのはカプトル地区で、古くは司教区が置かれていたとされています。オレンジ色の屋根がひしめく街並みで圧倒的な存在感を放つ、聖母被昇天大聖堂。まさに「ザグレブのシンボル」と呼ぶにふさわしい佇まいです。この大聖堂が建造されたのは、今から約1,000年以上前にあたる11世紀末であるとされています。日本でいえば平安時代に建造されたものなのですが、正式に完成したのは17世紀なのだそうです。
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実は、クロアチアという国は東欧という立地柄、これまでにモンゴルやオスマン帝国、タタール人など様々な民族による侵攻に晒されてきました。そのため、この大聖堂は他民族による破壊だけでなく、建設作業の中断を何度も余儀なくされたといいます。数百年という途方もない時を経て完成された大聖堂は、いくつかの建築様式を兼ね備えているのが特徴です。外観はネオゴシック、内部にはルネッサンスおよびバロック様式を取り入れています。クロアチアがこれまでに歩んだ歴史を見事に反映する、極めて重要な建造物です。礼拝堂はシンプルでありながらも上品な装飾が所々に施されており、座ってみると不思議な静けさに包まれるのが分かります。
参照
https://dokodemodoors.com/column/cathedral
https://tabichannel.com/article/1191/cathedral