「浅間山明鏡止水」あさまやま めいきょうしすい

世界三大聖堂「イギリス・セント・ポール大聖堂」~口語短歌と写真で綴る「世界文化紀行」

世界三大聖堂「イギリス・セント・ポール大聖堂」~口語短歌と写真で綴る「世界文化紀行」
1400年以上の歴史を持つ聖堂

私がこの大聖堂を取り上げた理由は「偉人や著名人の記念碑や墓」が多数あるということです。それこそ世界史で習ったネルソン提督やナイチンゲールのお墓などがあります。セント・ポール大聖堂が最初にできたのは607年。実に1400年以上前のことになります。現在の建物は1710年に再設計されたものです。この聖堂は、市民の祈りの場として、大戦でのイギリスの勝利を祝う場として、また偉人や著名人が埋葬される場として、使われ続けてきました。セント・ポール大聖堂は、イングランド銀行や大手金融機関の多くある、イギリスの経済の中心地であるシティ地区に位置しています。このシティ内では、「セント・ポール大聖堂がどこからでも見えるように」と、聖堂より高い建築物を建ててはいけないという基準が定められています。

「内部は洗練された美しさを持つ」
口語短歌
「静謐な 白と金色の 空間で 洗練された 美しさ保つ」



入口を通ってすぐ現れる石造りの洗礼台。ここで新生児を水で清めて洗礼の儀式を行います。洗礼を受けることで、キリスト教に入信したことになるのです。白と金色を基調とした静謐な空間が広がる。ウエストミンスター寺院よりも華やかさは控えめな感じです。王族との関わりが強いウエストミンスター寺院と、市民の生活に根付いたセント・ポールとの違いも影響しているかもしれません。


口語短歌
「祭壇は 天井装飾 マッチして かくも美麗な 宗教空間に」



ドームの真下に立って天井を見上げると、幾何学的模様で構成された天井装飾が目に入ります。没入感があり、しばらく見ているとなんだかこの空間に飲み込まれそうな気分になります。この空間では数多くの浮彫や宗教画による装飾が見られます。これはキリストと彼を囲む聖人たちの図。背景を覆いつくす木の葉が、細密画のような印象を与えます。

奥に見えるのは聖歌隊席と、その先にある主祭壇です。この聖歌隊席の天井装飾と主祭壇は、感動しない人はいないのではと思うほど美麗です。

口語短歌
「天井は 多彩な色彩 散りばめて 万華鏡世界 圧倒されるも」



この聖歌隊席部分の天井の美しさといったらありません。円やアーチ形が複雑に組み合わさり、多様な色彩が散りばめられています。まるで万華鏡のような、宇宙を思わせるようなデザインに圧倒されてしまいます。

メイン祭壇に入る扉すら豪華絢爛。複雑な文様が施されたロートアイアンと金を組み合わせてできています。

「偉人や著名人の記念碑がいたるところに」
地上階には、イギリスの偉人や著名人のモニュメントや棺が設置されています。地上階にモニュメントがあり、地下納骨堂(クリプト)に実際の墓があります。

口語短歌
「イギリスの ネルソン提督 攻撃に 被弾しながら 戦勝報告も」


「ホレイショ・ネルソン」モニュメント

イギリス最大の英雄であるネルソン提督のモニュメントです。実際の棺は地下クリプトにあります。船の象徴であるイカリを背後に持ち、また戦争で片腕をなくしたそのままの姿で表されています。彼はフランス・スペイン連合艦隊を相手にした1805年の「トラファルガーの海戦」で、指揮を執るさなかに敵からの射撃を受け、イギリス勝利の報告を耳にしながら亡くなりました。この勝利を記念して作られたトラファルガー広場には、ネルソン記念柱が立っています。
「ウイリアム・ターナー」のモニュメント

イギリスで最も重要な画家の一人であるターナーのモニュメント。1851年に没しました。筆とパレットを手にしています。光を含んだ空気感のある表現が特徴で、海や船を描いた海洋画やイギリスの現実社会の光景を描いた絵で知られています。
「フレディレック・レイトン」の棺

イギリスが誇る芸術家、フレデリック・レイトンのモニュメントです。耽美的・優美的な神話画、彫刻で知られます。右側の女性像を見ると、彼女の手に小さな彫像が載っています。


口語短歌
「ナポレオン ワーテルローの戦で 敗れるは イギリスの英雄 ウエリントンに」

「初代ウエリントン公爵」のモニュメント

初代ウェリントン公爵アーサー・ウェルズリーの巨大なモニュメント。貴族であり軍人であった彼はワーテルローの戦いでナポレオンを破った戦の名人として知られる。政治家としても活動し、長生きをして1852年に没した。彼もまた、イギリスの英雄として崇められている。

「地下納骨堂(クリプト)にはネルソン提督やナイチンゲールの墓が」

地下に降りると、地上階の静謐さとは打って変わって、いかにも「納骨堂」的なひっそりとした雰囲気の空間が現れます。ここには、多くの人々の墓が眠っています。

口語短歌
「ナイチンゲール 患者の世話を する様子 掘られた浮彫 白衣の天使が」

「ナイチンゲール」の墓

「白衣を着た天使」として知られるナイチンゲールの墓がここにあります。患者の世話をする様子が彫られた浮彫が、赤いマーブル模様の大理石で縁取られています。ちなみに、ロンドンには「ナイチンゲール博物館」も存在します。

「アーティストの墓が集まった一角」
このクリプトの一角には、イギリスの有名な芸術家を埋葬したコーナーの「Artists Corner」があります。その中でも特に名が知られた人々を代表作と一緒に紹介します。どの画家も作品を見れば、彼らがこの大聖堂に埋葬されるだけの名誉と才能がある芸術家だったことがわかります。

口語短歌
「人々を 虜にするは オフィーリア 耽美的にも 悲劇を描く」


「ジョン・エヴァレット・ミレー」の墓

ラファエル前派でおそらく最も有名な画家。悲劇を耽美的に描いた「オフィーリア」は、世界の人々を虜にする、ミレーの最高傑作です。この墓もかなり新しく見えます。
「オフィーリア」1852年


「フレディリック・レイトン」の墓

代表作は、燃えるようなオレンジ色のドレスが印象的な、眠る少女を描いた「フレイミング・ジューン」。レイトンの作品はどれも、はっと目の覚めるような麗しさとしとやかな雰囲気を持ちます。
「フレイミング・ジューン」1895年


「ウイリアム・ターナー」の墓

大気を描き出すような表現と、柔らかな光の反射が特徴的です。フランスで印象派が生まれる数十年前に、印象派に通じる表現を生み出していた。ターナーはイギリスで最も偉大な画家であり、また風景画を、西洋絵画で伝統的に格が高いとされた歴史画と拮抗するほどの地位に押し上げた画家と評価されています。
「ポリュフェモスを愚弄するオデュセウス」1829年


参照
https://art.japanesewriterinuk.com/article/st-paul.html

コメント一覧

knsw0805
さわさん、こんばんは。
鋭い素敵誠にありがとうございます。
それは多分「偉人や著名人の記念碑」や「アーティストの墓」など掲載する部分が多すぎて焦点が定まっていないからだと思います。そしてそれは私が「偉人や著名人の記念碑」や「アーティストの墓」に固執し過ぎたと思います。通常なら「地下納骨堂(クリプト」の前で終了です。さすが、さわさんです。
さわやか♪
こんばんは
今までの kenさんのブログとはちょっと違う感じを受けました
記念碑や墓がある大きな聖堂だからでしょうか?
kenさんの口語短歌で迷子にならないで済んだかなという感覚です
ありがとうございます
( ^^) _旦~~
knsw0805
@fumiel-shima shimaさん、こんばんは。
いやあ、本当に、ヨーロッパは凄いですね。歴史の重みが素晴らしいですし、日本と年代比較して行くとため息が出て来るほど違い過ぎています。
knsw0805
あんりママ、こんばんは
「遠いイギリスに思いを馳せる」素敵な言葉ですね。そのまま短歌の4句5句になりそうですね。速攻口語短歌・推敲なしで
「セントポール 偉人著名人の 記念碑も
         遠いイギリス 思いを馳せる」
knsw0805
びこさん、こんにちは。
いろいろご旅行されていて素晴らしいですね。
私はイギリスにはどこも行っていませんが、このセントポールには行って見たいと思いました。歴史上の人物のお墓が綺羅星のごとくいますね。
fumiel-shima
kenさん、こんにちは。

大聖堂の姿にはやはり歴史の重さを感じますね。
日本の歴史ある建造物にも素晴らしい物はたくさんありますが
この大聖堂の内部には特に近寄りがたいほどの偉大さや荘厳な
印象を強く受けました。
あんりママ
kenさん、こんにちは♪

セントポール寺院は名前しか知りませんでしたが
天井も高く芸術性溢れる寺院ですね。
昔、ターナー展に行ったことがあります。
機関車が印象に残っています。
山下達郎さんも歌っていますね。
ナイチンゲールも偉大なナースですね。
遠いイギリスに思いを馳せました。
びこ
私は三年前にツアーで前は通りましたが、中には入りませんでした。ヨーロッパの大聖堂はお墓になっていることを知ってから、あまり入りたいと思わなくなりました。でもこうして写真で見せていただくと綺麗ですね。
knsw0805
@fusiginamarimo まりえさん、おはようございます。
ターナーをご存じとは絵にお詳しいですね。私も人よりは少しは詳しいかも知れませんが、私の場合印象派以降、後期印象派、エコルドパリ派この程度です。ターナーは印象派の前の世代ロマン主義、写実主義、バルビゾン派等の世代で私は詳しくありません、コメントを読みますとターナーは「fusiginamarimo」さんと若干似たところがあるような・・・(笑)そうそう私が毎日お邪魔している「行雲」さんのブログにも最近コメントを掲載されていますね。まりえさんも社会派の一面がおありと見ましたが、私としては嬉しい限りです。私は「行雲」さんをリスペクトしています。
fusiginamarimo
おはようございます^^
大好きなターナーはナルシストだったみたいです
プライベートではいっさい自分の事を話さず
その生活はベールに包まれていたようです
その不思議さが作品の中にも表れていて
彼は孤独を楽しんでいたのかも知れませんね✨
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