世界遺産とは、1972年にユネスコ総会で採択された世界遺産条約に基づき「世界遺産リスト」に記載された、「顕著な普遍的価値」をもつ建造物や遺跡、景観、自然のことです。 「顕著な普遍的価値」は、どの国や地域の人でも、いつの時代のどの世代の人でも、どのような信仰や価値観をもつ人でも、同じように素晴らしいと感じる価値のことで、そうした価値をもつ世界遺産は、人類共通の財産といえます。
世界遺産は、人類が作り上げた「文化遺産」と、地球の歴史や動植物の進化を伝える「自然遺産」、その両方の価値をもつ「複合遺産」に分類されます。文化遺産が最も多く、世界遺産の総数は1,000件を超えますが、まずは「文化遺産」に絞り掲載して行きたいと思います。
アイスランド共和国「シングヴェトリル国立公園」文化遺産2004年
「岩肌の大地の裂け目ギャウこそは 地球の営み肌で感じる」
シンクヴェトリル国立公園はアイスランドにある世界遺産で、首都レイキャビクの北東50kmほどのところにある国立公園です。ここは930年に世界最初の民主議会「アルシング」が開かれた平原として有名です。また、シングヴェトリル付近は大西洋中央海嶺の地上露出部分で、ユーラシアプレートが東に、北米プレートが西に広がっているため、アイスランドの各地とアフリカ大陸でしか見られない大地の裂け目、「ギャウ」の独特な岩肌を見られることでも有名です。
アイルランド「ブルー・ナ・ポーニア・ポイン溪谷の遺跡群」文化遺産1993年
「遺跡群ロマン溢れる設計は 謎包まれた石造の墳墓 」
ブルー・ナ・ボーニャ ボイン渓谷の遺跡群は、1993年に世界遺産に登録されました。アイルランドの首都ダブリンの北、ボイン川沿いに位置しています。この世界遺産はいくつもの先史時代の遺跡から構成されており、中でも「ニューグレンジ」「ノウス」「ドウス」の3史跡がその中心です。多くの巨大な古墳が集まるこれらの史跡は、紀元前3200年頃に築かれたものといわれており、古代の石造建築文化を代表する世界遺産でもあります。紀元前3200年というと新石器時代、ケルト人が入ってくるよりさらに前なのです。しかし、どのような民族が作ったのかなどはまだ解明されてなく、謎に包まれた世界遺産です。
アイルランド「シュケリッグ・ヴィヒル」文化遺産1996年
「孤島には神聖な場所崇拝され 過酷な環境戒律守る」
アイヴァラ半島の沖、大西洋に浮かぶシュケリッグ・ヴィヒルには2つの島があります。リトル・シュケリッグは立ち入りが許可されておらず、もう1つの島、グレート・シュケリッグが見どころである世界遺産です。シュケリッグ・ヴィヒルはアイルランド語で「ミカエルの岩」という意味。アイルランドの初期キリスト教僧侶たちが石を積んで礼拝堂や住居を作り暮らしていました。切り立った崖の下に造られた建造物は島の位置や地形によって良く保存され、現在も修道院の遺跡を見ることができます。残されている建物や十字架のモニュメントは、僧侶たちが過酷な環境で禁欲生活をしていた様子が伺えます。さらに最近ではスター・ウォーズの撮影地としても使われ、ますます人気が上がっているアイルランドの世界遺産です。
アンドラ公国「マデリウ・ペラフィタ・クラーロル溪谷」文化遺産2004年
「雄大な自然と調和景観は ひっそり佇む美しい村」
アンドラ公国にある世界遺産マドリウ=ペラフィタ=クラロ渓谷は、スペインとフランスの国境付近にあります。広大なピレネー山脈の至るところに牧草地や山小屋、集落などがあり、歴史を感じる世界遺産です。17世紀から18世紀にかけて、山で採れた鉄鉱石を使った鉄鋼業が盛んになり、現在でも鉄の精錬所跡が点在。700年以上の歴史があり、2004年に世界遺産に登録されました。2時間程で周れるハイキングコースもあり、石畳の道や石橋など足元の悪い所もあるので、動きやすい服装と歩きやすい靴がおすすめです。
参照
https://www.unesco.or.jp/activities/isan/worldheritagelist/europe_1/
コメント一覧
最新の画像もっと見る
最近の「写真と短歌で綴る「世界文化紀行」」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事