恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

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譲二さんの愚痴(一護エピローグ3話)~その3

2015-08-02 08:27:17 | いっちゃんルートの譲二さん

頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。

 そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。

 自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。


 そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。


☆☆☆☆☆
譲二さんの愚痴(一護エピローグ3話)~その3

一護が去った後を見つめている百花ちゃんに声を掛けた。


譲二「これで、無事仲直りだね」

百花「マスター。ありがとうございました。全部マスターのおかげです」

譲二「いやいや。でも、若い子がラブラブしてるのを見ると、独り身が身に染みるなぁ」

理人「マスターも早く可愛い彼女つくったら?」

譲二「そうだなって、りっちゃん…言ってくれるねぇ」

理人「マスターならすぐにできるって。でも…百花ちゃんといっちゃん、なんか妬けるよねー」

百花「りっちゃん…」

理人「ま、百花ちゃんが悲しい顔してるよりは全然いいけどさ」


俺もりっちゃんの意見に賛成。

悔しいけど、百花ちゃんには笑顔でいて欲しい。


春樹「一護の機嫌も直ったみたいだし、コレで一段落かな」

剛史「新しくオープンする洋菓子店の話はもういいのか?」

百花「それはちょっと気になるけど…。あとで、いっちゃんと相談してみる」

春樹「とにかく、一護と仲直りできてよかったね。佐々木」

百花「みんな、ありがとう!」


ああ、やっと百花ちゃんの明るい笑顔が見られた。


☆☆☆☆☆


祭りも無事に終わり、普段着に着替えた一護は百花ちゃんを連れて、一護の家に帰っていった。

夕食は初美さんが用意してくれているらしい。




俺はまた一人寂しく夕食を摂る。

剛史の祖母のあい子さんが気を利かせて、豪勢なちらし寿司を差し入れてくれていた。

百花ちゃんの分も少し取り分けた。

明日の朝にでも食べてもらおう。



一人でちらし寿司を食べていると(お吸い物は自分で作った…)なんだかしんみりしてくる。

やっぱり食事は一人じゃなく誰かと食べたいよね…。


昼間のりっちゃんの言葉が思い浮かぶ。


理人『マスターも早く可愛い彼女つくったら?』

理人『マスターならすぐにできるって』


りっちゃん、俺も可愛い彼女が欲しいよ。


譲二「百花ちゃんみたいな可愛い彼女が……」


おっと……これは誰にも聞かせられないセリフだな。

反射的に周りを見回してしまう。


譲二「早く百花ちゃん帰って来ないかな…?」


一護の彼女のままでもいいから…。


結局のところ、俺にとって百花ちゃんとの日々は、とても楽しいことなのだ。


『譲二さんの愚痴(一護エピローグ3話)』おわり


譲二さんの愚痴(一護エピローグ3話)~その2

2015-08-01 07:50:30 | いっちゃんルートの譲二さん

頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。

 そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。

 自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。


 そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。


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譲二さんの愚痴(一護エピローグ3話)~その2

ハルたちと一緒にお御輿が帰って来るのを神社で待っている。


理人「マスター、なんでバケツとかひしゃくとかこんなに用意してるの?」


俺のアイデアを話すと百花ちゃんはちょっと慌てた。


百花「だ、大丈夫なんですか? みんなに水をかけるなんてっ!」

譲二「お御輿を神社に返して、お疲れ様ってタイミングでやるなら、おかしくないでしょ?みんなすごく汗かいて暑いだろうしさ」

春樹「悪くないアイディアだと俺も思うよ」

剛史「そうすれば、頭のハチマキをとって、水を拭うって作戦か」

理人「北風と太陽のお話みたいだね~」


用意したバケツに水を汲んで待っていると、ほどなくお御輿が神社の階段を上がってきた。


『わっしょい! わっしょい!』


剛史「へえ…一護のヤツ頑張ってんじゃん」

春樹「リュウ兄も格好いいね」


『わっしょーい!』


最後の掛け声でお御輿は無事に神社に帰ってきた。


譲二「皆さん、お疲れ様でした!」

剛史「おつかれっしたー!」

春樹「お疲れ様でした!」

理人「お疲れさまー!」


俺はお御輿を担いできたみんなにひしゃくで水をかけた。

火照った身体に冷たい水は心地よさそうだった。


竜蔵「さすが、ジョージ! 気がきくじゃねえか」

おじさんA「ここで水撒きとはありがたいねえ!」

おじさんB「こっちは汗だくだったからな! 気持ちいい!」


水を浴びたみんながハチマキをとって額や顔を拭い始める。


一護の様子を伺うと、同じようにハチマキをほどいていた。

そして、次の瞬間に目を丸くしている。


一護が百花ちゃんを見つけると、こちらに駆け寄ってくる。

やったね!


一護「百花!」

百花「は、はいっ!」


一護は百花ちゃんの手を引いて木陰に連れて行った。

もう大丈夫。

2人は見つめ合って何か話している。

しばらくして一護は慌ただしくみんなの後を追って走っていった。

 

その3へつづく


譲二さんの愚痴(一護エピローグ3話)~その1

2015-07-31 08:15:18 | いっちゃんルートの譲二さん

頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。

 そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。

 自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。


 そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。


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譲二さんの愚痴(一護エピローグ3話)~その1

祭りの当日になった。

百花ちゃんは緊張しているのか、朝食の時、いつもと違ってあまり食べられなかった。

俺は百花ちゃんの気分をほぐそうと、色々話しかけたが百花ちゃんはうわの空だった。



一護に手渡すハチマキを握りしめ、百花ちゃんは出かけていった。

ハチマキはねじってあるから、一護へのメッセージが何と書いてあるかは分からない。

『見てくれるかな』と心配そうな百花ちゃんに『ハチマキをほどいてみて』って頼めばいいとみんなで言ったものの…。

そんなこと百花ちゃんは言えないんじゃないかなぁ……う~ん。大丈夫かな?


☆☆☆☆☆


しばらくして戻ってきた百花ちゃん。

そわそわしながらもクロフネの露店を手伝ってくれている。




遠くからお御輿を担ぐ掛け声が聞こえてきた。

譲二「百花ちゃん!お御輿、来たみたいだよ!」

百花「本当ですか!?」



2人で露店から出てみると、お御輿が見え始めていた。


『わっしょい!わっしょい!』


譲二「あ、あれが一護だよ!一番前で頑張ってるね」

百花「本当だ…」


百花ちゃんは御輿を担ぐ一護をじっと見つめている。



お御輿は賑やかに俺達の前を通過していった。

百花ちゃんの顔を見るとまだ浮かない顔だ。


譲二「ん? その顔だと、まだ一護と仲直りできてないみたいだね」

百花「はい…」

譲二「ハチマキほどいてみてって言えなかったんだ?」

百花「…はい…」

譲二「そっか…」

百花「みんなが協力してくれたのに、すみません」

譲二「いやいや。なかなか、そういうことって言えないよねぇ。わかるよ、百花ちゃんの気持ち」

百花「マスター」


ああ、百花ちゃんそんな顔しないでよ…。いつもの明るい百花ちゃんでいてよ。

百花ちゃんの気持ちを伝えるには……一護にハチマキを外させないとな…。


譲二「ここは俺が一肌脱ぎますか」

百花「いっちゃんと仲直りさせてくれるんですか?」


百花ちゃんは縋るような瞳で俺を見つめた。


譲二「なるべくそうできるように頑張ってみるから…ほどほどに期待して?」


俺はちょっと思いついたことがあったので、百花ちゃんに微笑むと、クロフネの露店に戻って行った。

 

その2へつづく


譲二さんの愚痴(一護エピローグ2話)~その4

2015-06-30 08:00:06 | いっちゃんルートの譲二さん

頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。

 そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。

 自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。


 そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。


☆☆☆☆☆
譲二さんの愚痴(一護エピローグ2話)~その4

みんなで百花ちゃんの相談にのっていた時、一護が現れた。


一護「なんだよ…。みんなで楽しそうだな」

百花「い、いっちゃんっ。これはね!」

一護「…さっきのこと、気にしてたのは俺だけみてーだな」

百花「いっちゃん!」


一護はそのまま、すぐにクロフネを出て行ってしまった。

あ~あ、何してんだよ…一護。


譲二「なんか…前にも似たようなことあったよねぇ…」


俺はため息をついた。

百花ちゃんは、もうただただオロオロしている。


百花「ど、どうしようっ」

春樹「佐々木、とにかく落ち着いて。もう明日だし、一護に渡すハチマキを先に作っちゃおう?」

百花「う…うん」

春樹「一護は、このあとはお祭りの準備で忙しいだろうから、明日朝一で、そのハチマキを渡して、ちゃんと話をしなよ」

百花「そう…だね」


茫然自失な百花ちゃんを慰める。


譲二「百花ちゃんが心をこめてメッセージを書けば、必ず一護にも伝わるはずだよ」

理人「そうそう。絶対に大丈夫だから!」

剛史「クヨクヨすんなよ、百花!」

竜蔵「一護がへそを曲げるなんて、いつものことじゃねえか。心配し過ぎだ」

百花「う、うん…」


俺たちに励まされて、百花ちゃんも覚悟を決めたようだ。

百花ちゃんは「みんなに見られると書けないから」とハチマキを持って自分の部屋に上がった。

百花ちゃん、頑張れ!

一護にちゃんと気持ちが伝わるといいね。

彼女の後ろ姿に心の中で語りかけた。


一護エピローグ2話 終わり



譲二さんの愚痴(一護エピローグ2話)~その3

2015-06-29 08:25:28 | いっちゃんルートの譲二さん

頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。

 そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。

 自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。


 そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。


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譲二さんの愚痴(一護エピローグ2話)~その3

デート中に一護と言い合いになってしまった百花ちゃん。

みんなで百花ちゃんを慰めている。


春樹「佐々木は一護のこと信じられない?」

百花「もちろん信じてるよ!でも…」

春樹「それでも気になっちゃうか」

理人「彼氏のことだもんねー」

百花「り、りっちゃん…からかわないでよー」

理「えへへ。だって困ってる、百花ちゃんって可愛いんだもん」


やれやれ、リっちゃん、いくら反応が可愛いからって、女の子をいじめちゃだめだぞ。


それにしても…一護に百花ちゃんの気持ちを伝えるいい方法は……ん?

カウンターの棚に置いた箱が目に入った。




譲二「それなら、こういうのはどうかな」


箱から1本のハチマキを出してきて百花ちゃんに見せた。


百花「これは…?」


百花ちゃんは訝しげに俺を見上げた。


譲二「明日のお祭りで配るハチマキだよ。ねじりハチマキにするの。うちがハチマキ配りの担当なんだ」

百花「これをどうするんですか?」

譲二「ここに一護へのメッセージを書いて渡すっていうのはどう? そうすれば、百花ちゃんの気持ちが伝わるし…」

春樹「万が一、やる気をなくしてても、一護のやる気を引き出せるってことですか?」

譲二「うん。その通り」

竜蔵「さすがジョージ!名案だ。そうしろ、百花」

百花「そうしろって…何を書けばいいの?」

理人「そりゃ、いっちゃんへの愛のメッセージに決まってるじゃない」

百花「あ、愛のメッセージ?」


百花ちゃんが固まってる……。


春樹「お御輿頑張って!とかでもいいんじゃない?」

理人「ダメダメ。やっぱりラブラブなメッセージじゃないと」

剛史「そんなに言うなら、理人が代わりに書いてやれば?」

理人「それじゃ意味がないでしょ、タケ兄。百花ちゃん、ほらほら」


りっちゃんがマジックを持ってくる。


竜蔵「迷ってねぇで、そんなんパパッと書いちまえ」

百花「無理言わないでよー」

竜蔵「書けねえなら、俺が代わりに書いてやろうか?いっちゃん、だーい好きって」


おいおい。


百花「そ、そんなこと書かないもんっ!」

春樹「ほらほら、そんなことしてたら、佐々木がちゃんとメッセージを考えられないだろ?」

剛史「だから、そんなに考えて書くほどのものなのか?」

理人「ラブレターも貰ったことのないタケ兄には、わからないだろうけど…愛の言葉ってデリケートなんだから」

剛史「ラ、ラブレターくらい、俺だって貰ったことあるっての!」

百花「え? そうなの? 誰から?」

春樹「俺もそんな話、初耳だな」

竜蔵「詳しく話せよ、タケ」


みんな興味津々でタケに詰め寄る。

タケは一瞬怯んだが、必死で叫ぶ。


剛史「ちょ…今は俺のことじゃなくて、百花のことだろーが!」



その時、クロフネのドアが開いた。


噂をすれば影がさす。一護だ。

 

その4へつづく