恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

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譲二さんの愚痴(一護エピローグ2話)~その2

2015-06-28 08:00:09 | いっちゃんルートの譲二さん

頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。

 そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。

 自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。


 そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。


☆☆☆☆☆
譲二さんの愚痴(一護エピローグ2話)~その2

百花ちゃんは今日のデートでのことを話してくれる。

商店街に建設中の建物があって、そこには有名洋菓子店のチェーン店オープンのお知らせが貼られていたそうだ。


譲二「そっか。この間からあそこで工事をしてるなとは思ってたけど、あのチェーン店がオープンするのか…」

百花「それで『倫護おじさんに知らせに行こう』っていっちゃんに言ったら、『こんなチャラチャラした店に親父の店が負けるわけねーから。余計な心配してんなよ』って、言われて…」



譲二「それで一護と言い合いになって、拗ねた一護は百花ちゃんを置いて行っちゃったんだね?」

百花「デート中に私が余計なことを言ったから、いっちゃん、怒ったみたいで…」


あ~あ、もう目に浮かぶようだな…2人のやり取り。


譲二「一護も百花ちゃんの心配する気持ちはよくわかってるはずだから、今頃は言いすぎたって思ってるよ」

百花「そうでしょうか?」

譲二「うん。別に百花ちゃんを怒ったりはしてないと思うよ」


俺の言葉で少しホッとしたような百花ちゃん。

だけど、また眉をよせて言った。


百花「やっぱり倫護おじさんに言う必要はないんでしょうか?」

譲二「うーん…難しい話だね。お父さんのお店が負けるわけないっていう一護の気持ちもわかるし…だけど、現実的な話を考えれば耳には入れておいた方がいいと思うしね」


そこへハルたちもやってきた。


春樹「あれ? どうしたの。なんか元気ないね?佐々木…」


心配そうなハルに百花ちゃんが事情を説明する。


剛史「へえ! あの店が近くにできるんだ! 急に都会になった感じがするな」

春樹「タケ。そうやって、はしゃがないの」

剛史「もちろん、俺だって倫護おじさんの店の方が美味しいと思ってるよ!ただ、どんな店ができるのかなーって」

理人「そうそう。最初はそういう物珍しさもあるからね。ライバルとまではいかなくても、全く影響なしってこともないんじゃない?」

竜蔵「こうなったら…。サトウ洋菓子店でしかケーキは買わない運動でもするか?」


いつものことだが、リュウの突拍子もない提案に苦笑する。


譲二「そんなことしたら問題になるでしょ。最終的にお店を選ぶのはお客さんだからね」

春樹「でも、俺も倫護おじさんのお店なら心配ないと思うよ」

理人「そうだよ!倫護おじさんのケーキすごく美味しいし、チェーン店なんかに負けないって」

百花「うん…。そうだよね!」


みんなに励まされて、百花ちゃんは少し元気が出たようだ。


譲二「一護とよく相談して、二人で一応、話をしておくっていうのがいいんじゃないかな?」

百花「そうですね」


百花ちゃんはさっきの一護との言い争いを思い出したのか、また肩を落とす。


春樹「もしかして、そのことで一護、また、へそ曲げちゃったの?」

百花「私が話をするタイミングも悪かったから…」

竜蔵「一護もワガママだからなぁ。百花も、もっとビシッて言ってやんねーと」

百花「う、うん…。でも…今日のことで明日のお御輿とかもやめちゃったらどうしよう…」

春樹「さすがに、そこまでは心配しなくていいんじゃないかな」

剛史「あれでいて、結構責任感強いとこあるしな」

百花「うん…」


みんなは口々に慰めてくれてるけど、百花ちゃんの元気は戻らない…。

何か…百花ちゃんと一護を仲直りさせるようないい案はないだろうか?

 

その3へつづく


譲二さんの愚痴(一護エピローグ2話)~その1

2015-06-27 07:36:24 | いっちゃんルートの譲二さん

頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。

 そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。

 自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。


 そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。


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譲二さんの愚痴(一護エピローグ2話)~その1

土曜日、百花ちゃんはいつもより早く起きてきた。


百花「おはようございます」

譲二「おはよう。あれ? 今日は早いね。土曜日なのに」


百花ちゃんの頬が心なしか紅く染まる。


百花「今日は…いっちゃんと…約束があって…」

譲二「そっか…。一護とデートに行くんだね?」

百花「はい。…それもいっちゃんが誘ってくれたんです」


嬉しそうにそう告げる百花ちゃんは本当に可愛い。

きっと、この前一護を追いかけていった時に一護に約束させられたんだろう。


譲二「よかったね…。それじゃあ、今日のお昼はいらないね」

百花「はい」

譲二「朝ごはんはもう出来てるから、運ぶの手伝ってくれる?」

百花「はい、マスター」


朝食の間も百花ちゃんはソワソワしていた。

その様子が微笑ましくもあり、そんな百花ちゃんとデートできる一護が羨ましくもあった。



☆☆☆☆☆

思ったよりも早く百花ちゃんは戻ってきた。

それも一人で…。

一護とまた何かあったのかな?

 

その2へつづく


譲二さんの愚痴(一護エピローグ1話)~その3

2015-06-07 07:36:21 | いっちゃんルートの譲二さん

頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。

 そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。

 自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。


 そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。


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譲二さんの愚痴(一護エピローグ1話)~その3

祭りが近づいてきた。

祭りの出店、今年は何にしようかと百花ちゃんに相談に乗ってもらってる。

放課後だからハル達も次々とクロフネにやってきた。



春樹「ジョージさん、何かいいアイディア思いつきました?」

譲二「うーん…なかなかねえ。この間と同じじゃつまらないし…。でも、この商店街、お祭り多いんだよねえ」

理人「夏のお祭りと秋のお祭りと…あと酉の市かなんかなかったっけ」

剛史「みんな、色んなとこにかこつけて騒ぐのが好きだからなぁ」

百花「子供の頃はお祭りがたくさんあるから得した気分になったよね」

理人「あれ? 窓からこっち見てるの…いっちゃんじゃない?」

百花「え?」


みんな一斉に窓を見た。

りっちゃんが指差した先には、窓から店内を見ている一護の姿があった。

一護は入ってくるかと思いきや、そのまま姿を消した。


剛史「あれ? 一護のヤツ、入ってこないで行っちゃったぞ?」

春樹「…お御輿の練習があるからだと思うけど…」



さては一護のヤツ、百花ちゃんが俺たちと楽しそうに話してるのを見て拗ねたな。


譲二「もしかして、ちょっとへそ曲げちゃったかな?」

百花「え? なんでですか?」


きょとんとして尋ねる百花ちゃん。あからさまに一護が妬いてるなんて言わないほうがいいかな…。


譲二「ほら…一護から見れば、俺達だけ遊んでるように見えるかもしれないし…」


俺の言葉に百花ちゃんは一護に説明しに行くことにしたようだ。


百花「私、ちょっと行ってきます!」

譲二「いってらっしゃい。気難しい彼氏を持つと大変だねえ」

百花「いっちゃんは気難しくなんかありませんよ?」


そう言うと百花ちゃんは一護を追いかけてクロフネを出ていった。

優しいなぁ、百花ちゃんは…。

ちゃんと彼氏のフォローして。


それに比べて……一護は彼女に甘えてるんだろうなぁ。

拗ねたらちゃんと追いかけて来てくれるもんな…。

いいなぁ~。

俺も拗ねたら追いかけて来てくれる彼女が欲しい…。



感傷に浸っていたら、あいつらが「腹減ったー」の合唱を始めた。

ハイハイ、作るよ。サンドイッチだろうが、ハニートーストだろうが…。

忙しく働きながら、ふと百花ちゃん(と一護)のことを考える。


(百花ちゃん……一護の機嫌を直せたかな?)

 

2話へつづく


譲二さんの愚痴(一護エピローグ1話)~その2

2015-06-06 07:50:19 | いっちゃんルートの譲二さん

頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。

 そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。

 自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。


 そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。


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譲二さんの愚痴(一護エピローグ1話)~その2

祭りの練習が始まって、一護は忙しくなった。

今までみたいに、一護と一緒にいられなくなった百花ちゃんは少し寂しそうだ。



そんな百花ちゃんに、俺はちょっとした提案をしてみた。


譲二「そんなに遅くまで練習してるなら、何か差し入れでも持って行ってあげたらどうかな?」

百花「差し入れ?」

譲二「うん。一護も食べ盛りだし、腹が減るだろ? 夜食になるようなものを作って弁当箱に詰めて持って行ったら喜ぶんじゃない?」

百花「夜食…。そうですね。お腹すきますよね。じゃあ、厨房をお借りしてもいいですか?」

譲二「いいよ。好きなだけ使って」

☆☆☆☆☆

一生懸命一護のために弁当を作る百花ちゃん。

俺も微力ながら、作り方のアドバイスをしたり、使えそうな食材をだしたり、百花ちゃんが料理しやすいようにちょっとした手伝いもした。

そういう楽しい時間はすぐ終わる。


百花ちゃんは出来た弁当を持って、一護のいる神社へと出かけていった。

後片付けをしながら、ため息をつく。

(俺って…お人好しだよな~)


百花ちゃんは片づけもすると言ったけど、『早く行かないと練習終わっちゃうよ』とさっさと送り出したのだ。

(百花ちゃんが楽しいのが一番…)

自分に言い聞かせながら、鍋だの皿だのを水切り棚に置いた。


☆☆☆☆☆

その夜、帰って来た百花ちゃんは幸せのオーラを身に纏っていた。


きっと……一護とラブラブになったんだろうな~。


だって、自分のために一生懸命夜食を作ってきてくれたんだぜ、百花ちゃんが。


そりゃ感激でいっぱいになるだろうな。


いくらいつもは素直じゃない一護だとしてもね。

 

その2へつづく


譲二さんの愚痴(一護エピローグ1話)~その1

2015-06-05 08:30:25 | いっちゃんルートの譲二さん

頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。

 そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。

 自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。


 そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。


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譲二さんの愚痴(一護エピローグ1話)~その1

百花ちゃんが一護と付き合い出してから1ヶ月が経った。


百花ちゃんは毎日学校から帰って来ると、いそいそと佐東洋菓子店の手伝いに出かける。


いや、別に不満があるわけじゃないよ。

百花ちゃんはとっても楽しそうだし、夜にはクロフネに帰って来るんだし…。

時々一護んちで夕食を食べて帰るからといって…、別にかまわない。

百花ちゃんも食べるかな~と思って少し多めに用意した夕食が余って、翌日の弁当に入ったっていいんだし。

俺一人の夕食は…寂しいといえば寂しいが、百花ちゃんが下宿する前と同じと思えば…そう思えば…何の事はない。

☆☆☆☆☆

今日も一人で夕食かな~と思っていたら、思いのほか百花ちゃんは早く帰って来た。

ちょっと興奮気味に俺に話しかける。


百花「マスター! 今度のお祭りでいっちゃんがお御輿を担ぐんです!」


少し上気した頬が紅く染まって、いつにも増して可愛らしい。


譲二「一護が? そっか、もう高校生だものな。一人前の男だよな」

百花「そうなんです。倫護おじさんがお祭りのはっぴを出してきて、いっちゃんに『今年はお前が御輿を担げ』って言ってくれたんです。『少しは、まともなケーキも焼けるようになった』からって」

譲二「一護もおやじさんに認められて喜んでたろ?」


百花ちゃんは何か思い出したのかクスクスと笑った。


百花「それが…。はっぴがダサいとか、おじさんが歳だからお御輿担ぐのがキツイんだろとか、祭りの集会が水戸黄門の時間と被ってるからだろうとか」

俺もつられて笑った。


譲二「素直じゃないのが一護らしいな。でも、そんなこと言いながら、うれしそうだったんだろ?」

百花「はい! それで、倫護おじさんのはっぴを羽織ったいっちゃん、とってもかっこよかったです」



こうやって、百花ちゃんののろけ話を聞かされるのはそう嫌じゃない。

だって、一護の話をする百花ちゃんはとても輝いてて可愛らしいからなぁ。

そんな百花ちゃんが大好きだ…って、これは変な意味じゃないからね。

百花ちゃんを預かっている以上、百花ちゃんが楽しく暮らせるように心を砕いているだけなんだから。

 

その2へつづく

 

☆☆☆☆☆

エピローグはどれも楽しい話ばかりだけど、このいっちゃんのエピローグは特に大好き。

お祭りの準備やお祭りの楽しさが伝わってくるし、はっぴ姿のいっちゃんはとってもかっこいい。
2人の間がギクシャクするのはいつものことだけど、その仲を取り持つアイデアを譲二さんが出してくるところも好き。