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以前書き込んだこともある譲二さんのお話ですが、結末は完成してないものの少しづつupしていこうと思います。
お酒を飲んだ勢いで、譲二さんと一夜をともにしちゃった女の子の話です。
時期としては、本家吉恋のヒロインがクロフネに住み込む少し前の頃を想定してます。
川原柚葉…大学卒業して一年のOL、歴史オタク
茶倉譲二…喫茶クロフネのマスター、やっぱり歴史オタク
☆☆☆☆☆
なんでこうなった?~その3
〈譲二〉
柚葉ちゃんのために、二人分の朝食の用意をしながら昨夜からのことを思い返す。
昨日は大学時代の友人三人と久しぶりに飲みに出かけた。
友人が予約してくれていた居酒屋はかなり混んでいた。
そのせいだろう、店員がオーダーを間違えて隣のテーブルの料理がうちに来たことで、二人の女性と仲良くなった。
彼女たちは川原柚葉ちゃんと島村美香ちゃんと名乗った。
どうせなら一緒に飲もうと合流したんだけど、その中の一人、柚葉ちゃんとは特に話が合って色々とおしゃべりしたんだよね。
友人たちからは「二人の世界」なんて言われるし。
思えばその頃から柚葉ちゃんはかなり酔いが回ってたんだろうな。
やたらとボティタッチしたり俺にまとわりつく。
俺も可愛い子にくっつかれるのはまんざらでもないからね。
「柚葉って下の名前で呼んで下さい」だの、「メアド交換しましょう」だの言われて、ちょっと嬉しかった。
だから、俺としては「また会えるといいな」くらいの感覚だった。
その後、みんなで二次会にも行き、そろそろお開きにしようかという時に、柚葉ちゃんは「譲二さん、もう一軒行きましょうよ」と誘ってきた。
柚葉ちゃんの友達の美香ちゃんなんか困り顔で、
「すみません。もう一軒連れて行くふりしてタクシーにでも放り込んでください」
なんて言ってた。
とはいっても、とてもタクシーの運転手さんだけに任せられそうな状態じゃなかったので、俺も乗り込んだ。
柚葉ちゃんには服の裾をずっと握られてたしね。
タクシーのドアが閉まると柚葉ちゃんはすぐに眠り込んでしまった。
彼女の住所を美香ちゃんに聞いとけばよかったと後悔したが後の祭り。
仕方がないので彼女をクロフネに連れて帰った。
もう一つの空き部屋にでも泊まってもらおうと思ったからだ。
クロフネに着いた時、俺も少し酔いがまわっていたみたいだ。
あるはずの鍵がなかなか見つからない。
必死で鍵を探していると彼女は「男なんてみんな最低! 男なんて嘘つきばっかり!」と叫んでポロポロ泣きだした。
それまでずっとニコニコしていた柚葉ちゃんの泣き顔に胸を突かれた。
そっか…。
何で俺みたいな男に懐いてくれてるのかと思ってたけど…。
柚葉ちゃんは誰か…恋人にフラれたか、裏切られたかしたんだね。
『馴れ馴れしいかな』と思いつつ、俺の胸を叩いて泣き続ける彼女の頭をよしよしとしてしまった。
その4へつづく