吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編第七話~その3
〈譲二〉
翌朝、実家へ出かけるため店を出ると、リュウに声をかけられた。
その声の方をみると、店の外にはリュウだけでなく、ハルたちも集まっていた。
みんな昨夜のニュース速報を見て心配して来てくれたらしい。
一護「つーか、何だよその荷物」
春樹「やっぱり、家に帰るの?」
譲二「ああ…」
後ろめたくて、曖昧な返事しかできない。
一護「なんだよそれ!」
一護が俺に掴みかかる。
一護「百花残して、家に帰るってどういうことかわかってんのか! ? 」
一護「どうせ、クロフネも閉めるつもりなんだろ!」
一護「クロフネのことなんてどうでもいいんだろ!」
一護に揺さぶられながら、その言葉が一つ一つ胸に刺さる。
俺が一護の問いに答えられずにいると、百花ちゃんが叫んだ。
百花「そんなことない! 譲二さんはクロフネを大事に思ってるんだから!」
一護「百花…」
百花「譲二さんだって、たくさん悩んで、こうやって選んだんだよ!」
百花「一護くんだって、本当はわかってるくせに!」
一護「だからって…!」
竜蔵「おい、一護! 落ち着けって…!」
春樹「一護、やめろって…佐々木の言うとおりだよ」
春樹「ジョージさんがクロフネ大事にしてたの、一護だって知ってるだろ?」
一護「…離せよっ」
剛史「…マスターはどうするつもりなんだよ?」
譲二「たしかに家に帰るよ」
譲二「でも、必ず戻ってくる。約束する」
一護「…」
譲二「みんなもいるし、百花ちゃんもいるしね」
俺は百花ちゃんをの頭を撫でる。
(こんな可愛い子を置いたままには出来ないよ…)
譲二「それに…俺はクロフネをずっと続けたいんだ」
譲二「みんなが必要としてくれる限り…ここは俺にとっても大切な場所だから」
剛史「俺、マンデー読みたいから、必要」
竜蔵「俺もアイスコーヒー飲みたいぞ!」
春樹「俺も」
理人「僕もアイスティー好きだしね」
黙ったままの一護に語りかける。
譲二「一護、ありがとうな。店のことも、百花ちゃんのことも、心配してくれて」
俺を叱ってくれた一護の言葉、しっかりと胸に刻みつけたよ。
百花ちゃんのことを悲しませないよう頑張るから…。
譲二「みんなもありがとう。でも、閉めるわけじゃないから、そんなしんみりする必要ないよ」
みんなに語りかけながら、自分の心にも強く誓った。
このまま…中途半端で終わらせたりはしない。
大切なクロフネとそのお客さんたち、そして百花ちゃんとの暮らしは必ず守る。
その4へつづく