吉恋番外編の雪遊びを読み返して、譲二さんだけに子供の頃の思い出話が無いのが寂しかった。
なので、思い出話+彼目線も書いてみました。
恋カフェにショートの彼目線はあるけどね、もう少し長くってことで。
子供時代、他のみんなのは10年前で小学生時代なんだけど、譲二ルートでは譲二さんが中学生ってことで13~15歳くらいの話になる。
ということはヒロインは幼稚園児で12~14年前のことと思われる。
微妙にずれてしまうんだよね。
だから「雪遊び」は10年前の大雪の日ってことで、この思い出では高校生の譲二さんに活躍してもらいます。
だから失恋からも少し立ち直ってるのかな?
☆☆☆☆☆
雪遊び~譲二の場合~その11
お粥のお椀を取りに行くと、百花ちゃんは既に眠っていた。
譲二「残さず食べれたみたいだな…」
そんなにたくさんはよそってなかったけど…食欲が出たのはいい傾向だ。
ぐっすり眠っている百花ちゃんの部屋のドアをそっと閉めた。
明日には熱も下がっているだろう。
食器を片付けながら、10年前の雪の日のことを思い浮かべてみる。
百花ちゃんにせがまれて、特別大きな雪だるまを作ったっけ。
百花「じーじ!すごいね!」
譲二「大したことね~よ」
百花「ほら、百花もちっちゃなの作ったよ」
譲二「頑張ったな、ちび、って何してんだよ?」
百花ちゃんはその雪だるまを一生懸命動かそうとしている。
百花「ねぇ、じーじの雪だるまの横に持って行くの!手伝って!」
俺はやれやれと思いながら、雪だるまを運ぶ。
俺が作った雪だるまの足元に百花ちゃんの雪だるまを並べた。
百花「じーじと百花みたいだね」
確かに…このでこぼこ感は俺たちみたいだ。
マフラーがずり落ちかけてたので、もうひと巻き百花ちゃんの首に巻いた。
譲二「そろそろ夕方になって来たから帰ろう?」
百花「えー!」
譲二「お前んちまで送ってやるから」
百花「うん!」
百花ちゃんは顔いっぱいに笑顔を浮かべて俺を見上げた……。
俺の記憶はそこで途切れている。
保護者か…。
いつまで自分の気持ちを誤魔化し続けることができるだろう?
窓の外を見ると、またちらちらと粉雪が舞っていた。
雪遊び~譲二の場合 おわり