恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

ハルくんの独り言(本編15話)~その5

2015-11-20 08:15:45 | 吉祥寺恋色デイズ 種村春樹

ハルくんルート本編をハルくん目線から妄想してみた。
o(〃^▽^〃)o

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☆☆☆☆☆
種村春樹
身長:177cm 体重:60kg 血液型:A型 特技:勉強・空手 性格:明るいしっかりもの。 優しくて明るい爽やか少年。小さなころからしっかりもので泣いているとお花をくれた思い出がある。
4月25日生まれ

☆☆☆☆☆
ハルくんの独り言(本編15話)~その5

どうしたら佐々木に笑ってもらえるんだろう?

自分の心の中を探る。


何かとてつもなく大事なことを忘れている気がする。


あと少しで思い出せそうなのに思い出せないこと…。

だけどそれはとても大事なことだ。

☆☆☆☆☆


俺は逃げ出した佐々木を探しながら、自分の頭の中も必死で探っていた。


そしていつしか足は、前に佐々木とストラップの話をした土手に向かっていた。


向こうに小さな人影が見える。

佐々木だ!


どんなに小さくても絶対に見間違えたりはしない。



必死で走っていく。


春樹「はぁはぁっ…ここにいた…」

佐々木「ハルくん…」

春樹「佐々木、走るの早すぎ! 探すのどれだけ大変だと思って…」


佐々木を見つけたのがあまりに嬉しくて。

その佐々木目がけて走るのに一生懸命で、その横に別な人物がいるのに気付いてなかった。


春樹「わ! 一護! ごめん! 2人でいるなんて思わなくて…」

一護「どんだけ、俺の存在感薄いんだよ」

春樹「悪い、邪魔だったな」

一護「…邪魔なのは俺の方だわ。俺、もう行く。ハル、お前ももうちょいしっかりしろよ」

春樹「俺?」

百花「一護くん。きっと、一護くんがいなかったら私。ダメになってた。ほんとにありがとう」

一護「…うっせ」


一護は肩をすくめると、一人で帰って行った。



俺は佐々木に聞いてみた。


春樹「…なあ、佐々木。俺が忘れたのって…とんでもなく大事なことじゃない?」

百花「ハルくん…」


佐々木はやっぱり悲しそうな目で俺をみつめてる。

その目は俺の問いを肯定していた。


(やっぱり、そうなんだ!)


とんでもなく大切なこと、絶対忘れちゃいけないこと…。

必死で考えてみる。

頭にかかったあのもやを取り除けば…そしたら…。

だけど…。

(あともう少しなのに…なんで、思い出せないんだろ…)


春樹「ごめん、あと少しで思い出せそうなのに…」

百花「ハルくん、焦っちゃダメだよ」


佐々木は精一杯の笑顔でそう励ましてくれた。

だけどその笑顔は、とっても辛そうだ。

とても、見てられない。


春樹「けど…佐々木、辛そうだよ」

百花「そんなことないよ! もう、泣かないって決めたし!」

佐々木は言う。

百花「思い出せないなら、新しい想い出、作ればいいんだもん」


佐々木の健気な笑顔が眩しい。

(ごめん、佐々木、俺のせいで…)


百花「あ! もちろん、諦めようってことじゃないよ? ちょっとしたことで、思い出すかもしれないし!」

春樹「ちょっとしたこと?」

百花「うん、例えば…」


佐々木は頭を傾けてそっと考えこんだ。

そして、何かを思いついたようにその顔は輝いた。

百花「ハルくん、四つ葉! 四つ葉のクローバー探そう!!」

春樹「四つ葉? どうしたんだよ、急に…」

百花「四つ葉の花言葉は『幸福』でしょ? ハルくんの記憶、戻してくれるように願掛けしよう!」


どうして佐々木が急に元気になったのかは分からない。

だけど、その佐々木の声には、明るい希望の響きがあった。


春樹「わかった…一緒に探そう!」


俺たちは子供の頃にそうしたように、クローバーの茂みを覗き込みながら、四つ葉を探し始めた。


ハルくんの独り言(本編15話)~その5〜おわり

 

ハルくんの独り言(本編最終話)子供時代の思い出~その1へ

 

 



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