恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

小説を検索しやすくするためインデックスを作りました

インデックス 茶倉譲二ルート…茶倉譲二の小説の検索用インデックス。

インデックス ハルルートの譲二…ハルくんルートの茶倉譲二の小説の検索のためのインデックス。

手書きイラスト インデックス…自分で描いた乙女ゲームキャラのイラスト記事


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茶倉譲二 続編スパエン~その9

2016-02-17 08:09:59 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

随分間が空いちゃいましたが、譲二続編のスパエンです。

譲二続編のスパエンは京都に、ハピエンは兵庫県の姫路城に行きます。

旅行の内容はスパエンはヒロイン好み、ハピエンは譲二さん好みかな?って思う。

今回、スパエンを彼目線でたどるのですが、ハピエンの姫路城エピは譲二さんらしさが出ていて、私的には好きなので、ハピエン彼目線もぼちぼち書いていこうかなって思ってる。

さて、譲二ルートでは、続編のスパエンもハピエンも最後まで結ばれるとこまではいかない。

けど、彼目線で辿ることで、譲二さんが10歳年下のヒロインをすごく可愛いくて大切に思っている気持ちを描いてみたつもりです。


☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編スパエン~その9

〈譲二〉

俺は前もって用意してあった指輪を百花ちゃんの指にはめた。

その手は右手だ。

今はまだ…右手でいい。

次に指輪をプレゼントする時こそ…。



百花ちゃんが俺の右手に目を留めた。

彼女のとペアの指輪が俺の右手の薬指にも入っている。


譲二「俺にはめてもらうのは、本番までとっておくよ」

百花「本番…?」

譲二「一気に全部叶えちゃったら、もったいないからね」


その言葉を聞いた百花ちゃんがぎゅっと俺に抱きついた。


譲二「2年も待たせるけど…絶対、他の男には渡さないから」


百花ちゃんの身体を包み込むように抱きしめる。


百花「ずっと待ってます…譲二さんのこと」


(百花ちゃん…今までありがとう)


俺は彼女を抱きしめながら、いろんなありがとうを伝えた。


サンドイッチをおいしいって言ってくれてありがとう。

高校生になるまで、俺のことを覚えていてくれてありがとう。

今まで一緒に住んでくれてありがとう。

俺のこと、好きになってくれてありがとう。


そして…俺のことを…「待ってる」って…言ってくれたこと…。


(その言葉、本当に嬉しかったよ…ありがとう)


俺の「ありがとう」に答える度に、百花ちゃんの返事は…だんだん涙混じりになって行って…。

………。

百花ちゃんは……。

百花ちゃんは…俺にしがみついて。

……泣き続けた。


その10へつづく


茶倉譲二 続編スパエン~その8

2016-02-16 08:00:50 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

随分間が空いちゃいましたが、譲二続編のスパエンです。

譲二続編のスパエンは京都に、ハピエンは兵庫県の姫路城に行きます。

旅行の内容はスパエンはヒロイン好み、ハピエンは譲二さん好みかな?って思う。

今回、スパエンを彼目線でたどるのですが、ハピエンの姫路城エピは譲二さんらしさが出ていて、私的には好きなので、ハピエン彼目線もぼちぼち書いていこうかなって思ってる。

さて、譲二ルートでは、続編のスパエンもハピエンも最後まで結ばれるとこまではいかない。

けど、彼目線で辿ることで、譲二さんが10歳年下のヒロインをすごく可愛いくて大切に思っている気持ちを描いてみたつもりです。


☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編スパエン~その8

〈譲二〉

旅館の庭園は、うたい文句通り趣があって素晴らしかった。

百花ちゃんを誘ってよかった。

百花ちゃんもうっとりとライトアップされた庭園を眺めている。


俺は百花ちゃんの手を取った。


百花「譲二さん…?」


百花ちゃんは不思議そうに問いかける。

俺はクロフネを閉店した日に百花ちゃんに言ったことを覚えてるか尋ねた。


譲二「夢ができた、って言ったでしょ」

百花「はい」

百花「もちろん覚えてます。ずっと気になってました」

譲二「昔の俺の夢はね…たくさんの思い出が詰まった吉祥寺で」

譲二「喫茶店のマスターをやることだったんだ」

百花「じゃあ、その頃の譲二さんの夢は叶ったんですね」

譲二「うん、そうだね。…あと…今の夢はね…」


軽く深呼吸すると、百花ちゃんの瞳を真っ直ぐに見て言った。


譲二「思い出が詰まった吉祥寺で、大切な彼女とクロフネを再開させること」

百花「譲二さん…それって」


俺は決意を込めて数字を口にする。


譲二「2年」

百花「え?」

譲二「…2年、待ってて」

譲二「2年で茶堂院グループを立て直して、戻ってくる」


(必ず戻って来るから…そして)


譲二「今度こそ、自由の身になって…吉祥寺に、クロフネに」

譲二「百花ちゃんのところに戻ってくるから」

百花「譲二さん…」

譲二「2年経ったら、必ず迎えに行くから」

譲二「だから、それまで…」

百花「待ってます…」


百花ちゃんは両手で俺の手をぎゅっと握りしめた。

ぎゅっと握りしめたまま…クロフネで…俺をずっと待ってくれると言ってくれた。


その言葉は俺の胸を熱くした。


『待ってます』…そう言ってもらえるとは思ってた。

だけど、百花ちゃんを一人残していく俺への恨みごと一つ言わずに、待っていてくれるというその健気さがとても嬉しかった。


その9へつづく


茶倉譲二 続編スパエン~その7

2016-02-15 07:50:56 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

随分間が空いちゃいましたが、譲二続編のスパエンです。

譲二続編のスパエンは京都に、ハピエンは兵庫県の姫路城に行きます。

旅行の内容はスパエンはヒロイン好み、ハピエンは譲二さん好みかな?って思う。

今回、スパエンを彼目線でたどるのですが、ハピエンの姫路城エピは譲二さんらしさが出ていて、私的には好きなので、ハピエン彼目線もぼちぼち書いていこうかなって思ってる。

さて、譲二ルートでは、続編のスパエンもハピエンも最後まで結ばれるとこまではいかない。

けど、彼目線で辿ることで、譲二さんが10歳年下のヒロインをすごく可愛いくて大切に思っている気持ちを描いてみたつもりです。


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茶倉譲二 続編スパエン~その7

〈譲二〉

風呂から上がってきた百花ちゃんに「お先に」と言われて、俺も露天風呂に入る。

部屋付きの風呂とは思えないくらいゆったりしていて、俺の体格でも手足を伸ばすことができた。


譲二「これなら2人で入っても余裕だな…」


そう呟いて、「おいおい」と思う。


(何考えてんだ、俺)


旅館の部屋に入るまでは「もしかしたら今夜百花ちゃんと…」なんてことを考えたりしていた。


だけど……さっきの様子から考えると今は無理をしない方がいい。

怖がらせて嫌われるのは嫌だし、彼女の心を傷つけるかもしれない。


今まで百花ちゃんのことは何よりも大切に思ってきた。


だから彼女が大人になって心の準備が出来るまで、それまで焦らず待とう。


そう考えると気持ちはさっぱりして、純粋に露天風呂を楽しむことができた。

☆☆☆☆☆

風呂上がりに百花ちゃんを散策に誘ってみた。

ここの庭園は露天風呂と並んで旅館の売りらしい。

昼間の眺めだけでなく夜もライトアップされていて、「夜の庭は昼とはまた趣きが違い幻想的です」とホームページで紹介されていた。

百花ちゃんは喜んで、「見てみたいです」と言った。

その8へつづく


茶倉譲二 続編スパエン~その6

2016-02-14 07:45:08 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

随分間が空いちゃいましたが、譲二続編のスパエンです。

譲二続編のスパエンは京都に、ハピエンは兵庫県の姫路城に行きます。

旅行の内容はスパエンはヒロイン好み、ハピエンは譲二さん好みかな?って思う。

今回、スパエンを彼目線でたどるのですが、ハピエンの姫路城エピは譲二さんらしさが出ていて、私的には好きなので、ハピエン彼目線もぼちぼち書いていこうかなって思ってる。

さて、譲二ルートでは、続編のスパエンもハピエンも最後まで結ばれるとこまではいかない。

けど、彼目線で辿ることで、譲二さんが10歳年下のヒロインをすごく可愛いくて大切に思っている気持ちを描いてみたつもりです。


☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編スパエン~その6

〈譲二〉

ネットで予約してあった旅館は思っていた以上に豪華で、張り込んで良かったなと思った。

実はこの部屋には露天風呂もついている。

それを教えてあげると百花ちゃんはひどく驚いた。


百花「露天風呂!?」

譲二「すごいよね。他の人の目を気にしないでゆっくり入れるって」


ネットに書き込んであった感想がこの部屋を選んだ決め手だった。


譲二「少し寒かったし、もうお風呂にする?」


何気なく声をかけたものの…。

え!?

なんか百花ちゃん、焦ってる?

心なしか俺から離れようとあとずさってるみたいだし…。


譲二「百花ちゃん?」

呼びかけると、どもりながら必死で何か伝えようとしている。


これって…もしかして勘違いしてるのかな?

俺と一緒に入らなきゃいけないとでも?

参ったな…。


譲二「…ごめん…俺、ちょっと考えなしだったね」

譲二「お先にどうぞ、って言えばよかったんだな」

百花「え…」

譲二「せっかくの露天風呂だから、ゆっくり入って、って意味だったんだけど」

譲二「なんか誤解させちゃったみたいで…」

百花「!」


もう百花ちゃんの狼狽ぶりは可哀相なほどで…。

俺は「部屋の露天風呂以外に温泉もあるから、そっちに入って来たら?」と提案してみた。

無理に部屋の風呂に入らなきゃいけないこともないしね。


しかし、百花ちゃんは悲壮な決意を込めた表情で言った。


百花「あの、ここの露天風呂に入ります」


そんなに強張ってきっぱり言わなくても。

それにしても、やっぱり俺がいると落ち着いて入れないよね?


譲二「…大丈夫?」

百花「はい…ふすまを閉めて着替えるので」

百花「譲二さんは部屋にいてください」


相変わらず表情は硬いままだ。


譲二「でも…もし嫌だったら、お風呂に入ってる間、その辺歩いて時間潰すよ」

百花「大丈夫です。譲二さんも疲れましたよね。ゆっくりしててください」

譲二「…うん、じゃあお言葉に甘えて」


百花ちゃんがお風呂に入っている間、少しうとうとしてしまった。

やっぱり思ったより疲れてたみたいだ。


その7へつづく


茶倉譲二 続編スパエン~その5

2016-02-13 07:13:53 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

随分間が空いちゃいましたが、譲二続編のスパエンです。

譲二続編のスパエンは京都に、ハピエンは兵庫県の姫路城に行きます。

旅行の内容はスパエンはヒロイン好み、ハピエンは譲二さん好みかな?って思う。

今回、スパエンを彼目線でたどるのですが、ハピエンの姫路城エピは譲二さんらしさが出ていて、私的には好きなので、ハピエン彼目線もぼちぼち書いていこうかなって思ってる。

さて、譲二ルートでは、続編のスパエンもハピエンも最後まで結ばれるとこまではいかない。

けど、彼目線で辿ることで、譲二さんが10歳年下のヒロインをすごく可愛いくて大切に思っている気持ちを描いてみたつもりです。


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茶倉譲二 続編スパエン~その5

〈譲二〉

百花ちゃんが着付けてもらっている間、待合いで待たせてもらう。


(舞妓姿で1時間くらいは散策できるはずだから…)


百花「お待たせしました…」


百花ちゃんに声をかけられ振り返ったが、思わず見惚れてしまい、声が出ない。


俺のよく知ってる百花ちゃんではなく、楚々とした舞妓さんがそこに立っている。

紅の色鮮やかな唇はぽってりといろっぽいし、紅をさしたまなざしは妖艶ですらある。

その瞳で上目遣いで見つめられると息が止まりそうだ…。


百花「あの…おかしくないですか?」


だが、おずおずと話しかける声はいつもの百花ちゃんだ。


百花「着物ってあまり着たことなくて…それに下駄が意外と高いんです」

その落差にしばらくあっけにとられていた。


百花「油断すると転びそう…」


言った途端に少しぐらついてよろけたので、ハッとして手を差し伸べて支えた。


百花「あ、ごめんなさい」

譲二「………」

百花「…譲二さん?」


百花ちゃんは怪訝そうな顔をしている。

驚きで声を出せなかったことを謝る。

百花ちゃんがあまりにも綺麗でびっくりしたと。


譲二「百花ちゃんはかわいい系だと思ってたけど」

譲二「着物を来て化粧すると、またイメージが違うんだな」

百花「そ、そうですか…」

譲二「うん、似合ってる」


あまりにも綺麗で、じっと見つめてしまってたみたいだ。

百花ちゃんにやんわりと恥ずかしいと言われてしまった。


そうだよね、照れ臭いよね。


謝って一緒に散策した。

並んで歩きながら、今度は斜め上からしげしげと眺めてしまう。

おしろいを塗った襟足が色っぽくて、また見惚れてしまった。


その6へつづく