調子に乗って、引き続きフィンガー5のこと。
好きだから止まらない。
前にも書いたけど、フィンガー5が作り出すコーラス、和音はとてつもなく美しい。音響技術以前に、やっぱり兄妹だからどこかDNAレベルで同胞の音なのかな。しかも5人それぞれ音の出し方も伸ばし方も全然違うのに、重なるとすごくキレイで透明になる。
アキラも妙子も小さかった頃から特訓されてきた。
ここからの話はもちろん実際に見たわけではなく、雑誌で読んだりメンバーから聞いたりした話を思い出しながら書いていくね。
一夫兄ちゃんの特訓は厳しい。遊びに行きたくても行かせてくれない。同じことを何度も注意されて逆切れすると逆逆切れされてソロバンの上に正座させられた。
気が短いお兄ちゃんだから思い通りにならないとまず怒鳴られる。
「バカ野郎!」「お前、ホンット、バカか!」
「だってそんなんじゃわかんないよ!」
「うるさいっ!こうだろ。♪フンフンフ~ンフンフ~ン♪♪」
「そうふに歌ったよ!歌ったのに!」
「違うって言ってんだろ!」バシッ!
口が達者なアキラに、口がまわらない一夫兄ちゃんの手が飛んでくる。
「うわぁん!」
「泣くなバカ!」ビシッ!
小しゃいアキラは部屋の角まで飛んでっちゃう。
メインメロディーに和音の他の音を重ねていくとコーラスになるんだけど、1,3,5と上下に音を探して各パートのメロディーができていく。
例えばソロが正男でCコードで「ミ」の音をとっているときは、他のメンバーは「ド」と「ソ」をとると、ドミソになる。5人いる強みで、セブンス(タイトルにもしたけどシ♭とかね)もとれるから、より深みのある重厚な和音が作れる。
特訓の甲斐あって、誰が上をとって誰が下をとるかっていうのは感覚で自然に体得してしまったらしい。
沖縄で有名になり、上京を勧められて夢を抱き、外国だった沖縄からパスポートを持って一家で東京に来たのはいいけど、コネも何もない彼らは何をどうしたらいいのかわからなかった。
一夫兄ちゃんはやっと中学生なのに、デモテープを持って来る日も来る日もレコード会社に直接足を運んだ。子供が持って来るテープ。今、大人の皆さんだったらどうする?忙しく仕事してるのに制服来た子供がテープを持って来たら。
ここからが一夫兄ちゃんのすごいとこ。何度も門前払いをくらっているのに、それでもしつこく足を運んだ。あの頃は『スター誕生』とかのオーディション番組もなかった時代。守衛のおじさんに顔も覚えられてしまい、入り辛くなった。たまたま開いたドアからタタタタッと潜り込んで、たまたまエレベーターで一緒になったのが井岸さんというディレクター。ちょうどキャロルを売り出すために地方から呼ばれたという。そして「どうした?ぼく」と言われ、テープを渡した。そのテープを聴いた井岸さんがボソッと「おもしろいかも」
そこからフィンガー5神話がスタートした。
彼らのデモテープがCDボックスに入っている。英語の意味もわかってるのかわかってないのか、それにしてもすごいんだ。生の演奏で子供がおませなコピーをしているんだけど、とにかくすごいんだ。私は初めて聴いたとき、鳥肌たったよ。
「井岸さん、ありがとう」って思わず拝んじゃったよ。曲が終わったとき、拍手しちゃった。今、こんな子たちが目の前に現れたらスタンディングオベーション(立ち上がって大拍手)してひとりひとり抱きしめちゃうよ。とにかくかっこいい!
今日書いたことはホントに一部の出来事。厳しいレッスンに泣きながら怒りながら八つ当たりされながら築き上げられた音楽。それぞれの個性が上手く折り重なってフィンガー5という形になった。
フィンガー5という名前は一般公募したけど、お母さんがポツリと言ったのが採用された。
5人が5本の指のようにいつも一緒で離れることなく、皆で一緒に大きなものをつかめるように。
小さい頃、ひとりに用事があるから呼ぶと、5人とも帰って来ちゃうくらい仲がよかったのよ…ってお母さんが笑いながら言ってた。
私のフィンガー5は今それぞれに離れていても5人の魂は一緒だ。もう時を戻すことはできない。でも涙と汗が音になり、今でも聴くことができる。永遠に聴くことができる。ありがたい世の中だ。
素敵なお話しをありがとう。
兄妹が一緒に何かやると、つい上の子は下の子も
同じ事がでると思っちゃうのよね。
で、あとで一人になった時や下の子が寝た時に
後悔して心の中で「ごめんね」ってあやまっちゃうの。
一夫んちゃんて、凄いね!
みんなの秘めた才能を音楽感性を引き出しちゃったんだから!
ちっちゃい妙ちゃんや晃くんも凄い!
お兄ちゃんの厳しさに負けないでフィンガー5を完成させちゃったんだから。
井岸さん。ありがとう。
一夫んちゃんの話しを聞いてくれて。
ずっと一人で頑張ってきた一夫んちゃんは心細かったと思います。
私たちにフィンガー5とめぐりあわせてくれてありがとう!
お母さん。ありがとう。
素敵な兄妹を生んでくれて、素敵に育ててくれて。。。
お母さんがいたから私たちはフィンガー5に会うことができました。
フィンガー5。ありがとう!
遊びたい年頃に、全部を自分時間に使いたい年頃に
想像もつかないほどの特訓に耐えて素敵な
ハーモーニーを聞かせてくれてありがとう!
私たちはいつもフィンガー5の歌で笑顔で
癒され元気をもらっています。
みんなの姿が目に浮かび涙がでちゃいました。
妙ちゃんが紙に書いた鍵盤で一生懸命練習したこととか、その頃の話を初めて読んだあの頃も感動したけど、今日、つゆくさ姉さんの書いた記事を読んでも、やっぱり感涙~~~!
ホントに5人は頑張ったよね。
その頃があるから、フィンガー5が誕生し、
今のT.AKIRAが、あるんだもんな。
そして、私たちの出会いもね。
あの、デモテープは、ホントカッコイイよね!
よくぞ残しておいてくれました~~!
ありがと~~~!って大声で叫びたくなりました。
本当に、ゆみなさんやレイさんが言うように、関係者皆に感謝なの。
メンバーはもちろん、ご両親、ディレクターまで。
そして、CD-BOXを作り上げてくれたファンの方たち、音を提供してくださった方たち。本当にありがとう。
今の私が作られたのにはフィンガー5の影響も相当大きい。
音楽に関してだけじゃなくて、沖縄に対する情、家族に対する情…。詰め込みすぎて(?)こんなに大きな身体になってしまってもまだまだフィンガー5が入りきれない(笑)。