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どうも、こんにちは。
2020年(令和2年)の『霊場魔所の蓮』シリーズの第2回目は、前回の続きで、七福神のうち布袋(ほてい)を祀る寺院、黄檗万福寺(おうばくまんぷくじ)を訪れます。
で雨の日にこの禅寺を訪れ、蓮と布袋様を拝見しました。
今回、後編では、更に面白いものを見つけましたので、蓮の光景と共に紹介します。
まずは、前回、前編の続きから。
雨の降り続く中、境内の玄関にあたる「天王殿」から、本殿にあたる「大雄寶殿(だいおうほうでん)」へと歩きます。
その途中、またも面白いものを見つけます。
これは「かいぱん」というもののようです。
この漢字表記は私の持っているエディターでは出せなかったので、ひらがな表記「かいぱん」とします。
木魚の原型とされるものであり、これを叩く音で、法要や食事の時間を知らせるのだそうです。
「魚にはまぶたが無く目を閉じることは無い」と考えられていたのか、不眠不休の象徴とも考えられていたようです。
つまり「日夜、不眠不休で修行し続けよ」ということでしょうか。
そう考えるとなかなか厳しい・・・。
いよいよ大雄寶殿へ。
その中へ。
大きな木魚が。
その真ん中に、本尊・釈迦如来の堂々たる姿が。
両脇に立つのは、釈迦十大弟子のうち摩訶迦葉(まかかしょう)尊者と阿難陀(あなんだ)尊者です。
お釈迦様の弟子の中でも特に優れてたとされる十六人を「十六羅漢」と言われています。
ここ黄檗山万福寺は、従来の鎌倉・室町時代の十六羅漢に「慶友(けいゆう)尊者」と「賓頭蘆(びんずる)尊者」を加えた「十八羅漢」とした明代寺院の形式を受け継いでいるという話です。
その為、本尊の周囲には「(十六羅漢改め)十八羅漢」の像が並んでいます。
新たに(?)十八羅漢に加えられた一人、「賓頭蘆(びんずる)尊者」。
この「賓頭蘆(びんずる)尊者」という人が、従来の十六羅漢に入れなかったのは何故か。
この方は優れた行者でしたが、どうしても「飲酒戒」を守ことができなかった、つまり飲酒がやめられない為に「十六羅漢」の中に入れてもらえなかった。
祀られている仏教寺院もありますが、本堂の中に入れてもらえなかったり、本尊から少し離れた場所に置かれていたりするという、少しの情けないような親しみを感じさせる人物です。
このような形で賓頭盧尊者が祀られている寺院といえば、本シリーズで紹介した中では、第40回の「千本ゑんま堂」や。
第198回の三室戸寺などがあります。
更に、十八羅漢に混じって、次のような謎の生物(何かの霊獣?)の像も。
すみません、私もまだまだ勉強不足な為、一体何という生き物の像なのかはよくわかりませんでしたが・・・でも、こういうのは好きですね(笑)。
しかし十八羅漢の中でも・・・否、黄檗万福寺の像の中でも、ずば抜けて強烈な印象を与えているのが、こちらの方でしょう(※閲覧注意かも・・・)。
その名は「らごら尊者」。
例によって、こちらのエディターで漢字表記出来ないので、ここではひらがな表記「らごら」でしか出来ませんが。
カタカナ表記では「ラゴーラ」「ラフーラ」ともされます。
自分の腹、胸を裂いて、その中から仏様の顔が覗いています。
「一切の衆生(しゅじょう)には、仏性という仏となれる性質がある」という仏教の思想を顕しているのでしょうが、それにしても・凄いインパクトですね。
更にこのらごら尊者、実はお釈迦様の実子であるとも伝えられています。
元は釈迦族の王子ゴータマ・シッダルダ(後の仏陀、お釈迦様)とヤショダラ妃との間に出来たという王子でしたが、出家を望んでいたシッダルダにとっては、その妨げになる存在となってしまったので、「束縛」や「障壁」「障害」などを意味する「ラフーラ」「ラゴーラ」という名をつけたそうです。
「随分と酷い父親だよなあ」と思いましたし、またそんな父親に憎悪や反発心とか抱いてもおかしくないよなあとも思いましたが、そんな酷い仕打ちを受けた息子が、後に父親と同じ道を歩み、立派な仏教者にまで成長していったとは・・・世の中わからんものです。
そして本殿・大雄寶殿や布袋、かいはんなどのご朱印を頂いて。
いろいろと面白いものを観た後は、大雄寶殿から帰路へ。
帰りにもまた、入り口付近の美しい蓮の花々が見送ってくれました。
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今回はここまで。
また次回。
*黄檗万福寺へのアクセス・周辺地図はこちらをご覧下さい。
*黄檗万福寺のHP
https://www.obakusan.or.jp/
*『京都妖怪探訪』まとめページ
https://kyotoyokai.jp/
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