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タイの沼は海ですか?

U-NEXTで『ブエノスアイレス』を見ました

1997年、ウォン・カーウァイ監督。
言わずと知れた有名な作品です。
公開当時、とあるセクマイの方が、この作品を酷評していたので💧私はなんとなく見ずに来てしまっていました。

『KinnPorsche』を見るようになって、映像がこの作品を(ウォン・カーウァイ監督を)彷彿とさせる…という感想を見かけるようになり、あらためて見てみることに……。幸いU-NEXTで見放題になっておりました。☺️✨


以下、ネタバレあります。







ストーリーや登場する人物像は、なるほど【痛い】ラブストーリー。😅
レスリー・チャン演じるウィンが、一点の曇りもないクズw。モラハラ男もいいとこ。いや、優しいところもあった、もしくは日によってあるんだろうね。それこそがモラハラなんだけど……。😓

そんなウィンが、トニー・レオン演じるファイの、ドタイプなんだろうな……。無条件降伏しちゃうくらい。誠意のない恋人なのに離れられなくて……。不毛な恋愛をズルズル続けてしまう。

それが、そんな恋愛が、ゲイだからそうなる……って勘違いさせちゃうところ?ゲイはみんなあんな恋愛してるって思わせちゃうところ?そこが、かの方がこの映画を酷評した理由なのかな?

勘違いしたらダメなのよね。
男女だってこんなのよくあると思う。逆にありすぎて映画にならないくらいにw。

それとも、単に痛すぎて好きになれなかった……?
真意はわかりません。まあ、昔のことです。


この映画、やはり映像が印象的です。無駄なカットがありません。そして、実に多彩な撮影法をとっています。モノクロ、一部カラー、カラー、空撮、ハンディカメラによる至近距離の撮影、早回しなど……。素人ながら感じたぐらいなので、映像の勉強をしている人ならもっとよくわかるのでしょう。
そして独特な色使い。赤と緑や、光の使い方が効果的ですよね。東洋人を美しく浮かび上がらせ、記憶に深く刻まれるように撮られています。何より単調にならないのがいい。選択した撮影法にちゃんと意味があるから、自然に見られるし、目まぐるしくもない。その後の多くの映像作品に影響を与えたのもわかる気がします。


ストーリーとしては、チャン・チェン演じるチャンの存在が、ファイの世界に風穴を開けてくれるのが良かった。
どんなに好きでも平気で嘘をつく人とはダメよね。
普通に会話し、信じられる人、共感できる人……そんな関係性もあるんだってファイに思い出させてくれた。そこに恋愛や性愛はなくても人と人は繫がることが出来るって……。

ラストの台北の屋台。チャンのうちの屋台だって知って入ったんじゃないよね?あくまで偶然だよね。しかし、写真を盗むなんてファイ、手癖が悪いw……。
けど、何か形として持っていたいという感覚もわかるような気もする……。
何かの証としてね。


見終わって、旅への憧れや、根無し草・
流れ者でいることが許される世界への興味が心の中に拡がったよ。

何度か出てくる「やり直そう」という言葉。

私のような自分を縛りがちで、縛っていた方が安心出来るような人間よりも、彼らの方がきっと「やり直す」ことが気軽にできるのだろうな……。
何度でもリスタートできる。
でも、振り出しに戻るのではなく、経験値が増えた分、少しずつ高い起点になっているんだよね。



このストーリーも男女のカップルでは描けない世界。対等であるはずの男と男であるからこそ、あぶり出される関係性がわかりやすいし、虐待になる手前で物語を見せることが出来る。痛いけど、憤慨したり恐怖を感じてドン引きせずに見られる。

四半世紀かかったけど、見てよかったです。☺️✨U-NEXTさん、ありがとう。













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