■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-47 【組織で動く】 「組織で動く」ということの本質
■■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ
リーマンショックやコロナショックにより、多くの経営者・管理職・ビジネスパーソンが自信をなくしてしまっています。一方で、過去の成功体験から、時代の変化に気づかずに、従来の延長線上で事業を続けている人達もいます。
激動の時代に、不況感に苛まされるのではなく、「不況」が「普況」、すなわち不況期でも健全経営ができる企業体力を持つことが、今日、求められる発想法です。すなわち、「不況が、普況で、普況を富況にする」のが、経営者の役割であり、それを支えるのが管理職や、その下で働く人達の成すべきことだと考えます。
1970年代から経営コンサルタントという職業を通して、感じ、学び、コンサルティングしてきましたので、それをご紹介します。読者の皆様に、それを感じ取っていただけますと幸いです。
◆ 1-37 【組織で動く】 「組織で動く」ということの本質
「組織で動く」ことの必要性は広く理解されていると思いますが、それを言葉として説明しようとしますと、意外と難しいですね。
ここでは、日本経営士協会の説明がわかりやすいですので、ご紹介いたします。
共通目標・共通認識・共通行動
企業は、社員一人一人が、経営計画や方針など、目標とすべき事項が明確で、その目標に向かって、全社員が一丸となって行動していくことが必要です。それを「組織で動く」という言葉で表現しています。
組織で動く前提として、経営理念を始めとした、判断や行動の基礎となる「ものさし」が必要です。その「ものさし」が、全社員の「共通目標」となっていなければならないことは、別項でお話しているとおりです。
全社員が共通目標として認識しても、その認識が社員それぞれがバラバラであってはなりません。共通目標の内容や根底に流れています精神に対する理解にバラツキがあってはなりません。これを「共通認識」といいます。
共通目標を、共通認識して、それに基づく判断や行動のベクトルがあっていなければなりません。これを「共通行動」といいます。また、その英語表記の頭文字をとりまして「3CA's」と略記しています。
PDCA
共通目標・共通認識・共通行動を持続的に行う方策がPDCAです。PDCAは、PDCAの各段階において、3CA’sやPDCAの各段階の中でもPDCAがなされます。
また、それぞれの段階において、関係者間での調整や、それにより発生するスケジュール調整を行います。
この両者の考えをもとに、トップは、役員会等の会議体の決定や社員の声に耳を貸し、基本方針や計画を策定し、トップから命を受けた役員等はそれに基づく実行計画を、「共通目標・共通認識・共通行動」に基づき策定し、トップの承認を受けて実行に移します。実効においては、PDCAを基本にし、報連相等コミュニケーションがスムーズに運ぶようにします。
日本で最初に設立されました経営コンサルタント団体であります日本経営士協会では、「組織で動く」ということにつきまして、次のように述べています。
トップの基本方針に基づき、理事・役員・管理職等は、その方針の実現のための具体策を策定し、当事者意識を強く持って、基本方針を実現する
基本方針・計画を共通認識し、共通理解の下、ベクトルを揃えて一丸となって活動(共通行動)する
ものさし思考・複々線思考を持ち、複合型PDCAを正しく理解し、それを実践しながらスパイラルアップしてゆく
互いに相手を尊重し、一人一人の個人の立場や考え方、経験に固執せず、柔軟性ある発想ができる品格ある人で構成する
事実・見聞情報・個別意見等を区別し、複数の情報源でウラを取り、論理思考を用いて、部分最適ではなく、全体最適を目指す正確性の高い判断ができる
共業・共用・共育を通し、多くの知識・情報に基づく経験から生じる知恵を蓄積し、個の財産を組織の財産として活用する
目的に応じた最適手段(設備・ツール)で定着させ、成長させる
上記のように具体的に説明していますが、これをもとに、日本経営士協会では「組織で動く」を次のように定義づけしています。
全体最適を目したトップの基本方針を
温かい管理による、正しいリーダーシップの下で
最適手段で3CA's+PDCAのスパイラルアップにより
蓄積した知恵を共業・共用・共育に活かして成長する
■【あたりまえ経営のきょうか書】
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