“真”のプロが実践している発想法と行動術
「あたりまえ経営のきょうか書」
■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ ■
■1-4 経営者は自分自身を謙虚に見つめて熟知せよ
謙虚に自分自身を見つめてみませんか。
■1-41 【経営者分析】 経営者が自分自身を知ることに挑戦
「誰しも、自分のことは自分が一番よくわかっている」と考えているでしょうし、そこまで行かなくても、「それに違いない」「そうありたい」「知っていなければならない」と思っているのではないのでしょうか。
ところが、「岡目八目」という言葉がありますように、意外と自分自身を知っているようで、実は気がつかない面をたくさん持っているのです。
人は、しばしば「自分の欠点を直したい」と願います。経営者・管理職やビジネスパーソンから、「自己改造はどのようにしたら良いのでしょうか」という質問を受けることがあります。
一方で、社員研修では、自己紹介ならぬ「他己紹介」というテーマの研修を行うことがあります。また「あなたの長所、よいところは」というテーマで行うこともあります。
その結果、大半の人が、「自分の気がつかなかったことに気づきを与えてもらえた」と、モチベーションを上げることが多いです。それと同時に、「人は、自分のことをよく見ているのですね」という感想も良く聞きます。
NHKの「如何にしたらダイエットをすることができるか」という番組で、「わざわざ、ダイエットをしなくても、人は痩せることができます」とゲスト医師が公言しました。
その医師によりますと、「ただ、体重の記録を毎日付けるだけ」と断言したのには、さらに驚きました。小数点以下第二位まで、すなわち10gまで正確に体重測定ができる体重計を用意し、それを、毎日記録し、折れ線グラフにするのだそうです。
たった、これだけのことで、多くの人の体重が減ってきたといいます。
体重の変化を見える化しただけの、この方法は、人間が持つ「改善欲」という見えない心理を利用しているのです。グラフをつけ始めますと、始めは半信半疑であっても、その変化が気になります。グラフが右肩上がりになり始めると、「なぜ、体重が増えてしまったのだろう」と考えるでしょう。
間食が影響しているのではないか、カロリーの高い食品が多いのではないか、運動が少ないからではないだろうか、等々、自然と考えるようになり、それを改善していく方向に生活が変化してゆくのだそうです。
欲望を抑えるようなダイエットをしても三日坊主で終わってしまう人が多いです。ところが、体重測定をし、グラフに記録するだけで、私達は、気がつかないうちに、そのグラフに操られてしまうようです。
もちろん、中には、体重測定すら続けられない人もいるでしょうが、大半の方に効果が見られるとなりますと、やってみる価値がありそうです。
経営者・管理職の皆さんとお話するときに、「上に立つ者が変わらなければ企業は変われない」というお話をします。しかし、多くの人が、「この年だから、いまさら自分を改造することなどできっこない」とおっしゃいます。
「人は、器以上に大きくなれない」ということを良く聞きます。しかし、器が大きくなれば、人も大きくなれるのではないでしょうか。それなら、どのようにしたら器を大きくすることができるのかを考える姿勢が肝要です。
「有言実行」で、上に立つ人が、「自分は変身する」と公言してしまうと、やらざるを得なくなります。
私達は、自分の短所だけではなく、長所も知ることにより、生き方が変化して来ます。ただし、人により、変化の度合いが異なります。
上述のように、自分が気がつかない面に気づき、長所はさらに伸ばし、短所はできる限り改善していこうという意識の強さが、その後の成長に大きく変化するのです。公言することにより、自然と自分が変化してゆくのです。
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