何時も二人の母の介護に関西へ出かける
娘の仕事がオフとなり一緒に海外に誘われていたが先月に引き続き又、姑が
夫の留守の間に再び家の中で転び今回は10針も縫う怪我をしてしまった。
家族の元に息抜きに帰ってきた矢先の出来事だった。
事態発生 夫が家族の元に帰省中、月の半分はヘルパーさんにお世話に
なりつつ一人暮らしている。94歳の姑は足腰が悪いだけで頭もしっかりと元気だが
やはりここに来て足腰が一段と悪くなりそれと共に気持ちも弱く以前の様な元気さ
が無くなって来ている。
この様な状況の中、娘と海外旅行などのん気に嫁として出かける事が
出来るほど神経は図太くは無い。
そんな折、娘も帰りの飛行機のチケットが上手く取れずに今回の海外旅行は
諦めて暑い関西に二人の祖母に久々に逢いに行く事になった。
私の母は施設にお世話になり寂しい中にも元気に職員の皆様の暖かい介護の
お陰で顔色も良く少しずつ認知症も進んでいるが孫の顔も分かり普段私が
面会に行っても殆ど笑顔など見せた事が無いのに娘の顔を見てにっこりとした
施設の母を見舞い又来る事を約束して後ろ髪を引かれる思いで何時も逃げるように
その場を後にする。何度と無く繰り返している風景だ
夫の母の元に娘と移動
一ヶ月しか経っていないのに容姿の変わりようには驚いた。
怪我の跡が痛々しくて身体は半分に曲がり首も前に垂れている。
年寄りは転ぶと急に身体が弱ると聞いたことがある。其の通りと感じた。
一人での生活は不可能に近い事を実感
移動は歩行器を持って一歩一歩と目的の場所に移動する並大抵では無い。
時間がどれだけ掛かることか、健常者には計り知れない光景
実家の母のように看る者が居なく申し訳無いと思いつつ施設への入所を
決心して母の意志に反して居たかも知れないが現在に至る。そろそろ一年になる。
姑も一人での生活も危なく限界を夫も姉妹も感じている事と思う。
日増しに弱る悲しみが子供達への甘えや不安がストレスとなり心が
不安定になる老いと言うものがここに来て少しでも理解できる。
二人の年老いた母を見てこれから来るべき自分達の老後を考えると
強い孤独感に襲われる。
親の老いを受け止めやがてその最期を看取る悲しみに直面せねばならない事を
覚悟しなければならないと
娘は年寄りばっかりと毎日過ごし少しストレスが溜まって居る様子だ。
せっかくのオフをこれでは可哀想と我が娘と今は亡き姉の子供、姪と
大阪の心斎橋まで出かけて三人で夜景の綺麗に見える所でディナーを
楽しんだ。 忙しい介護の合間ささやかな時間を持つ事が出来て良かった。
後日は近くの宝塚まで行き記念にと娘とお揃いの色違いの財布を買い
満足した様子の娘を見てホッとした。
暑い関西から戻ったら関東はすっかりと秋の気配が漂い今年の夏も終わりに
なった事を、そして二人の母の前向きに生きようとする其の姿がいじらしく空しく
切なく感慨深い。頑張れ母たちよ
今日も二人の母の無事を祈り姑の一日も早い傷の快復を祈る