こいちゃんと二人で回らぬ寿司屋に

伴侶がいっくんと出かけるというので、こいちゃんと二人で回らないお寿司を食べに行くことにした。

普段寿司といえば、く○寿司とか、あき○ど、などのいわゆる回る寿司が定番である。

この日はなんの記念日でもなかったが、回らない寿司を食べに行くことにしてみた。

席に着くと、良い感じでソーシャルディスタンスを保つための適度な空席があり、そこには誘導しないようになっているらしい。

ゆったりと食事を楽しめる。

さて、サーモン大好きな私とこいちゃんはひとまず「サーモン盛り合わせ」なるものを注文。

さらに足りなかったら嫌だな、と炙りサーモンも注文した。

どひゃー！美味しそうー！！

ほっくほくで食べ進む私に、神妙な顔をしたこいちゃんがボソリ…。

「オニオンサーモンはどれなの…？」

そういえば、盛り合わせの長いお皿の中にオニオンらしきものは見当たらず…。

オニオンなしのサーモンが二切れ…。

適当な私は「え？いいんじゃない、どーでも」（よくない）とあぶりサーモンをパクパク食べていたが、こいちゃんいつまでも気になる様子なので店員さんに聞くことに。

店員さんは慌てた様子で「すいません！オニオンがのってませんね！」と言うことで追加でオニオンサーモンが運ばれてきたもんだからこいちゃん大喜びである。

一切れ余分に食べちゃった！

回らない寿司って、すごい！！（？？）

初めての回らない寿司に大興奮のこいちゃんと私である。

また、このサーモンの脂のノリが見事で。

感動した。

ネタの大きさもそうだが、甘いサーモンが最高。

お次は、こいちゃんが好奇心で頼みたがったイカの塩辛。

いかにも酒のアテ！って感じだが、ストライクゾーンの広いこいちゃんと違って、食べられない私…。

頼んだチューハイをグイグイやりながら、幸せそうに食べるこいちゃんを見るのが至福…。

サラダとあん肝も到着。

サラダと言うより、刺身盛り。

そこに野菜が敷かれている感じである。

なんとも贅沢。

そしてこの日何よりのこいちゃんのヒットは何とあん肝。

私は塩辛に続き、あん肝も食べたいと言う気持ちが起きない。

のだが、こいちゃんはあん肝を一口食べるなり目を丸くして

「何これ！！」と呟いた。

生まれて初めてのあん肝は最高に美味しくて、自分の人生の中で、どうして今まで食べなかったのかと後悔するほどに感動的だったらしい。

そんなもんなの？

先入観だけで食べない私はその感動がわからない。

のだが、とにかくこいちゃんはあん肝を絶賛しながら口に運んだ。

そんなにいいものなのか、あん肝とやらは。

こいちゃんの幸せそうな顔をつまみに呑む酎ハイはことさら美味しかった。

心も気持ちも満腹になれる、「回らない寿司」は素晴らしいものだった。