大好きなアーティストのＣＤを買い、コンサートの先行予約券が付いていたけど、私は行けない…と。
この日はずっと以前から行きたがっていた二週間のイギリス留学最終日。
コンサートが始まる頃はまだ空港である。
コンサートは東京。
私も大好きなAfter ○ Rainのコンサートだったが、こいちゃんがいないのにおばさん一人が参戦しても虚しいだけである。
おまけに死ぬほど恥ずかしい視線に晒されることだろう。
すでに留学の費用も払っており、「先行予約券あげようか？」と言われたが断腸の思いで断った。
娘が帰国する日に、コンサートなど行ける訳がないであろう。
ところがである。
突然楽しみにしていたイギリス留学が中止になったのだ。
テロの影響である。
すでに2つも爆破テロが起きていたこの頃、私も不安に思っていた矢先のことである。
となると、こいちゃんがシフトチェンジしたのはもちろんコンサート！
行けないと思っていたチケットは、友達が予約をしてくれており、こいちゃんとお友達は晴れて東京に。
一番いいアリーナ席。
ぐやじい〜！！
手放したコンサートが急に行きたくなってきた！
私もいっくんの意思を確認し、二人でコンサートに行くべくマジになった。
こうなったら、娘そっちのけで彼らの歌声を耳にするのだ。
こいちゃんと一緒に行こうとはサラサラ思っていない。
ただただ生声が聴きたい！
最近人気が出始めてしまった彼らのコンサートに行けるのも最後のチャンスのような気がしてならないのだ。
そしてチケット受付当日。
パソコンの前に座り臨戦態勢で受付時間を待つ。
しかしこれが思いの外緊張する！
どんどんネットは混み合い始め、とうとう繋がらなくなったとき、私は半べそをかきながら出掛けていた伴侶にラインで泣きついた。
やっと繋がったと思ったら緊張のあまりダブルクリック！
操作は無効に…。
私は何をやってんだ？！
そんな私を尻目に慌てて帰宅した伴侶はテキパキとパソコンを立ち上げ、サイトを探すと私からパスワードを聞き、あっという間にチケットをゲットしたのだ。
神様伴侶様〜！！
興奮のあまり泣き出した私を呆れ顔で眺めつつ、何度も画面を見せて夢じゃないと教えてくれた。
やっぱり持つべきものはコンサートに露ほどの興味もない冷静な人間である。
右往左往しただけの私はとことん使えない…。
受付開始から20分後、販売終了となった。
オペラグラスを使わなければ見えないような遠い席…。
それでも私は東京にゆく！
オペラグラスだって買おうじゃないか。
「行きたい」と思えるものが、そこにあることが嬉しい。
そしてコンサートをゲットしてくれて笑顔で送り出してくれる伴侶にはとことんありがたいと思うのだ。
