
そんなに乗りたいなら、と今まで何度かコマを外してやったことがあったのだが、すぐに「もういい」と練習を止めてしまう。
ところが、それでも憧れがあるものだから、何度も「はずちて」「もういい」「はずちて」「もういい」の繰り返し。
私も何度も工具で悪戦苦闘させられすっかりうんざり。
ここ半年ほど、どんなにコマを「はずちて」といわれても聞く耳を持たなかった。
ところが、先日同じバス停で、いっくんと同じく年少組のKA君がコマなし自転車に乗っているところを見て、なにやらまたコマを外したくなった様子。
同じ年少の子がコマなしに乗っている様子に、何やら自分でも出来そうな自信が出てきたらしい。
目をきらきらさせて「れんしゅうちたい」(いまだに気を抜くと後半はサ行が言えない)といい始めた。
これはもしかして本物か?
最近は、背も伸びて地面に足が届き始めた様子だったので、もう最後のつもりでコマを外してみた。
どきどきしつつもこいちゃんと同じように一気に背中を押し、とにかくペダルをこがせて見た。
すると意外にもいっくんはこけることなくすいすいと走り始めたではないか。
近所の車に突っ込んでは大変なので、私もいっくんについてとにかく走る走る。
いっくんの首根っこを軽くもったまま、何往復も走りつづけた。
激しくこけることもなく、いっくんはカンをつかんだようで、カーブもなんとかゆるゆる曲がる。
我が家の前のなだらかな傾斜を気持ちよさそうに走り、その喜びでいっくんは叫んでいた。
こぎつづければこけない事を悟ったいっくんは恐ろしいスピードでひたすらこぎつづけるので、ちょっと見ていて怖いのだが、そのスピード調節も若干づつできるようになった。
とにかくいっくんが嬉しそうで、走れる喜びに浸っているのを見るのが私も幸せだった。
真っ暗になっても練習したがり、なかなか家に入ってくれない。
朝起きると幼稚園までのわずかな時間でも自転車に乗りたがった。
憧れのお姉ちゃんと同じコマなしに乗れている喜びもあるのだろう。
もう少ししてもっと乗れるようになれば、今以上にこけたり、突っ込んだり、泣くこともあるかもしれない。
私も靴をしっかりはいて、いつでも追いついて首根っこを引っ張れるように、どきどきしながらそんないっくんを見守っている。
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