その日私はせっかくの3連休にも関わらずデイサービスの仕事が二日間も入っていた。
勿論家族は面白くないし、私だってガッカリで・・・
そこで、伴侶の実家に子供2人を連れて帰ってお泊りをしたらどうかと提案。
二つ返事でOKの伴侶と子供達はお泊り道具をまとめて、翌日意気揚々と出発していった。
私は仕事が終わると、誰もいなくなった部屋でダラダラと過ごし、晩御飯を一人で食べ、風呂に入って、さくらちゃんとゆったり過ごした。
玄関灯を消し、さくらちゃんに別れを告げて2階に上がり、パソコンを触っていたのが11時頃。
突然玄関のチャイムがなり、けたたましくさくらちゃんが吠えたのだ。
激しく吠えるさくらにびっくりして慌てて1階に降り、家じゅうの電気をつけて玄関を開けたが、そこには誰もいなかったのだ。
車は伴侶がのって行っていたので駐車場はガランとしているし、道路側から見える部屋の電気はすべて消えていたし、もしかして不在かどうかを調べる為にチャイムを鳴らしたのかも・・・?
ドアを閉めるといつもと同じように私を見上げて尻尾を振るさくらちゃんが妙に頼もしく見えてきた。
さくらちゃんをしばらく抱っこしてから二階に上がるとベッドに入ったが、一人きりでシンとした日本家屋の我が家はやはり少々不気味である。
しかし、もし何の物音もなくこっそり入ってきたとしても、さくらちゃんが絶対に狂ったように吠えてくれる・・・そう思うと少しずつ安心してきて眠りについた。
小さな存在だけど、大きな安心と癒しを貰って、改めてさくらちゃんの偉大さに気が付いた出来事であった。