台風一家

本の貸し借り

こいちゃんもいっくんもびっくりするくらい本が好きである。
こいちゃんは小さい頃から本を取り上げないと普通の生活が送れない程(?)本ばかり読んでいたし、いっくんも本を読み始めると集中してしまって声が聞こえない。
本が原因でどれだけ喧嘩したことか…。
そんなこいちゃんといっくんもようやくその本の恩恵が発露し始めたようで、国語の成績はいいようだ。

さて、大きくなってくるとどんな本でも手当たり次第読んでいる二人だが、いっくんが最近女の子に本を貸したりしているらしい。
無邪気に話す様子を見ると、別に他意はないのだろうが、それでも少しはにかむいっくんを見ると何とも言えない気持ちにになる。
やんちゃだらけのいっくんも、こうして成長していってるのだなぁ…。

こいちゃんもクラスの男子に本を貸してあげようと言われるらしく、本を貸してくれる子はいい子だ、と信じて疑わない。

小さな頃から読み聞かせを沢山していてよかった。
色んな意味で、本を通じて色々な世界を覗く子供たち。
自分たちの世界を広げて生き生きとする二人を見ていると、涙が出そうなほど幸せだと思う。
私なんかよりもはるかに色々な知識を持ち、すっかり追い越されてしまった。
こうやって、歳をとるんだなぁ…と最近しみじみ…。
寂しいような、嬉しいような、切ない気持ちになるのである。

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