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台風一家

こいちゃんのおしゃれ

おしゃれが大好きなこいちゃんの為に、とうとう編み込みをマスターした。
三つ編みをしながら、そこに少しずつ周りの毛を取り、加えながら、文字通り髪を編み込んでいくヘアスタイルである。
これが結構難しく、一度マスターしようとして挫折していたのだが、何度も練習してようやく人前に出られるくらいまで出来るようになった。
この編み込み、こいちゃんの入園式で同じクラスの髪の綺麗な女の子がビシリとキメているのを見て、絶対マスターしようと思ったのだ。
実際出来るようになってみると、髪がくずれにくく、アクセサリーが少なくても華やかに見えて、重宝する。
殆ど毎朝編み込みをアレンジしながらヘアセットするようになった。

ところがある日、誰かに指摘されたのか、自分で気づいたのか、「同じ組に、こいちゃんと同じ髪型の子がいるの……。だから編み込みはもうしないの」といっちょまえに人と違う方がいい、ような事を言い始めた。
私は必死にマスターした編み込みを嫌だと言われてショックだったので「よく似合ってるし、ピッタリなのに」などとよいしょしていたら、こいちゃんもそんな気になってきたらしく「……じゃぁ、いいか…」と言ってもみるが、腑に落ちないらしく「前髪を切って」と、何かと変化を求めている様子。
確かに少し前髪が伸びていたし…と始めた、そんな機嫌取りの散髪でなんと失敗!
おしゃれに敏感なこいちゃんの前髪が眉のかなり上で斜めにスパッと無くなっている、明らかにものすごいミス。
私のただならぬ顔色にこいちゃんの顔色も変わった。
「ごめん、切りすぎた…」と言う私に、こいちゃんは口だけで笑い顔を作り、私に向かって「だいじょうぶだよぉ、同じ様に反対も切れば…」と言っているが、目が笑っていない。
こんなことで「明日は幼稚園に行かない!」と言われては困るので「そうだよねぇ、たいしたことないわ~」と私も調子を合わせ無理矢理笑って見せて、とにかくまっすぐになるようにハサミを動かした。
こいちゃんにとっての一大事。
切っている間動こうともせず、神妙な顔で一点を見つめている。
切り終わり、「出来たよ…」と言うが早いかすぐ鏡に走っていき、複雑な顔で笑顔を作りながら「…かみはねぇ…伸びるからねぇ、すぐ伸びるから~はははは」と自分に言い聞かせるようにこいちゃんは言った。

気丈な様子(?)が可哀想だったので思い切って前髪を全て上げ、ピンで留め、「このおでこが可愛いよ~!」と鏡の前に連れて行ったら、暫く鏡とにらめっこをしてから、本物の納得した笑顔で「そうだねぇ、いいね」と言うのを聞いてひとまず安心した。
翌日はべそをかくこともなく前髪を沢山のピンで留めて、少し出たおでこを堂々と見せびらかしながら幼稚園バスに乗り込んでいったが、こいちゃんも私も本当にひやひやした出来事だった…
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