台風一家

たなばた

もう少しで7月7日の七夕の日。
ご近所のたばたさんが3メートル近い大きさの笹を「幼稚園バスの待合いの人たちで分けたら」と10本も下さった。
これを切って、持ってくるだけでもかなり大変だっただろう。
家の中には入れることが出来ず、玄関に置いているが、大きいためかなり場所を取る。
みんなに早く持って帰って貰うように言い、何人かは取りに来てくれた。
ところが、今幼稚園で「手足口病」がはやっていて、「あ!うちの子にも湿疹がある!病院いかなきゃ!!」と帰ってしまった。
夏風邪の一種で手、足、口の中に水泡ができ、口の中で水泡がつぶれると痛み、沢山のよだれが出ることで気づく場合も多いらしい。
咳や唾液による飛沫感染や便から排泄されたウイルスで感染する病気なので医師の完治証明を幼稚園に提出しなければ登園出来ないほど、周りの子にうつさないように気を遣わなければいけない病気である。
実際次の日に聞いてみると「手足口病」と診断されたらしいのだから、帰って正解だったわけだ。

しかし私は困ってしまった。
玄関にわんさと置かれた笹を眺めながら「早くみんなの病気が治らないかな~」と願いつつこいちゃんといっくんの外遊びに付き合っていた。
すると、通りかかった1歳3ヶ月の娘をもつKAさんと、3人の子供を持つINさんが喜んで持ち帰ってくれた。
「そうか、この調子で配ればいいんだ」と虎視眈々と誰か来るのを待ち受けたが、それからは誰も来なかった。
うちで飾る分の笹を除いても、あと4本、大きな笹が玄関で今も雨に濡れている。
我が家の笹飾りの短冊には「早く笹が貰われていきますように」と書かなければいけないのか……
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