台風一家

梅雨入り

激しい雨が降り続いている。
子供達はすでにベッドの中。
風も強いため、我が家の古いタイプの雨戸がゴンゴン鳴り、雨がざぁざぁと音を立てている。
うるさいだろうと思うのだが、そんな雨音が快適なのか、子供とは不思議なもので、雨降りの日は一度眠るとなかなか起きないのだ。

雨が好きなのは子供達ばかりではない。
水が大好きなナス科のペピーノや、実を付けたブドウも喜んでいるように見える。
特にブドウは実が4房なり、その一粒一粒が2センチ近くと大きくなってきた。
雨が降らない日など乾いて白く固まった地表を見ると、渇きすぎて今にもポロポロ実を落としてしまうのではないかと不安になるほど暑そうに見えた。

外出がしづらくなり、公園も行けないため家で掃除と料理をして過ごした。
外遊びや、庭仕事などの仕事が出来ない分、仕方なく…とは言え、何だか休憩時間を貰ったように、のんびりと一日が過ぎた。
この梅雨が過ぎれば本当に暑い夏が来る、それまでの小休止と言ったところか。
ゆったりと潤って、体力も気力も奪われる夏に備えて力をため込んでおくのだ。
そうか、雨もいいものだ。

こいちゃんの幼稚園でのプールが7月3日に始まる。
幼児用の浅いプールに15分ほど浸かる日程表が今日渡された。
ニッセンカタログで注文した可愛らしいピンクのワンピース水着を持たせて幼稚園に通わせるのだ。
きっと毎日クタクタになるまで遊び、すぐに真っ黒になってしまうだろう。
ブドウもこいちゃん、いっくんも梅雨が明けたら弾けるように伸びていくはずだ。
季節の移ろいや植物たちの成長に寄り添うようにしながら子供達も親を驚かせたり、ため息つかせたりしながら変わっていく。
なんて面白いのだろう。
植物と同じとは言わないが、子供を育てていると四季の変化をひしひし感じるのだ。
大人になって忘れてしまっていた、自然とともに生きた時間を思い出し、懐かしくもあり切なくもある。
そんなことを思い出させる子供とは改めて不思議な存在であり、かけがえのない生き物なのだ、と感慨深く雨音を聞くのだった。
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