さくらちゃんは毎晩お風呂に入る。
赤ちゃんの頃、大変な甘えん坊でお風呂に入る私にまでついてきていたのが原因だと思われる。
片時も離れたがらず、こいちゃんやいっくんのいわゆる「後追い」行為をしのぐ熱意で私をストーキングし続けたさくらちゃん。
今ではお風呂の楽しさを覚えたのか自分からシャワーの下に入りお湯を楽しむ犬になってしまった。
私が服を脱ぎ始めると、どうやって気配を察知するのかクッションから降りてきて浴室内にかけこんでくる。
体の小さなさくらちゃんの湯舟は外枠が壊れてしまった収納ケースの箱部分。
ここにお湯を張り背中にシャワーを当ててあげるとそれは嬉しそうにぐうぐう言いながらいつまでもお湯から出たがらない。
この日はどうしても入力シーンを撮りたかったのでいったんシャツを着てカメラを構えた私。
頭を触っているうちにだんだんとぼんやりし始めるさくらちゃんの表情。
ちなみにお風呂には毎日入るが、シャンプーは二日に一回。
これより少ないと例のごとく背中の脂がたまって脂肪の塊になってくる。
シャンプーをしない日は夜の歯磨きをする。
ちなみにさくらちゃんは熱めのお湯が好きである。
体に良くないんじゃ…と心配になったのだが、ぬるいお風呂は嫌がるので仕方なく高めの温度設定にしているのだ。
元々人間よりも平熱が高い犬にとっては、人間の適温は冷たく感じるのかもしれない。
そんな知識もなかった小学生時代、夏とは言え当時の飼い犬を真水で洗っていたあの頃…本当に冷たかったはず…申し訳ない。
「そろそろ出ようか。ふきふきしようね」と声をかけてからちょっとお腹を触ると自分から湯舟から出てくるのだが、まだ温まりたい時は声をかけても出てこない。
「もうちょっと温まります…」という感じで聞こえないふりである。
そんな時は気のすむまで背中からお湯をかけてあげて数分後に同じ作業をするとしぶしぶ湯舟をまたいで出てくるという感じである。
犬にも「お湯でくつろぐ」感覚があるらしい。
そして、先日も張り付けたこちらの風貌になるのである。
そろそろ毛が長くなってきてドライヤーも長時間になっているが、毎晩の散歩や食事に加えてお風呂も楽しみの一つになっているのかと思うと無下にできない。
犬も10歳を超えると人間味が増すようである。