梅雨末期の大雨は怖いという通り、熊本県南部を中心に大きな被害が出た。人吉市の中心部で4.3メートルまで浸水したというから驚く。このごろは何十年に1回という豪雨が数年おきに来ている。今回のはまさに50年に1回あるかないかの災害だろう。
幸い熊本市は今のところ難を逃れているが、いつ襲ってくるか分からないのが天災だ。昭和28年6月26日の熊本大水害では白川が氾濫し422人が犠牲になった。子飼橋近くの左岸に慰霊のお地蔵さまが祀られている。散歩の途中にいつも手を合わせる場所である。
避難所・避難生活学会によると、先進国の中で最悪なのが日本の避難所だという。不便で不潔なトイレ、冷たい食事、床での雑魚寝。イタリアでは発災から72時間以内にトイレ、キッチン、ベッドを避難所に設置するよう法律で義務付けられている。家族ごとにテントとベッドが支給され、枕と枕カバー、毛布、シーツもセットで渡すという。
せっかく命が助かったのに、避難後に命を落としてしまうケースの何と多いことか。熊本地震でも、直接死は50人だが関連死は200人を超えている。安心して避難するためには、もっと広域にホテルや旅館などを活用すべきではないか。エコノミークラス症候群になりやすい車中泊などしなくていいようになってほしい。
散歩から帰る途中、セミが鳴いていた。梅雨明けももうじきだ。