どたびき

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大きくなる水害

2020-07-08 13:57:00 | 日記
 梅雨末期の大雨は怖いという通り、熊本県南部を中心に大きな被害が出た。人吉市の中心部で4.3メートルまで浸水したというから驚く。このごろは何十年に1回という豪雨が数年おきに来ている。今回のはまさに50年に1回あるかないかの災害だろう。
 幸い熊本市は今のところ難を逃れているが、いつ襲ってくるか分からないのが天災だ。昭和28年6月26日の熊本大水害では白川が氾濫し422人が犠牲になった。子飼橋近くの左岸に慰霊のお地蔵さまが祀られている。散歩の途中にいつも手を合わせる場所である。
 避難所・避難生活学会によると、先進国の中で最悪なのが日本の避難所だという。不便で不潔なトイレ、冷たい食事、床での雑魚寝。イタリアでは発災から72時間以内にトイレ、キッチン、ベッドを避難所に設置するよう法律で義務付けられている。家族ごとにテントとベッドが支給され、枕と枕カバー、毛布、シーツもセットで渡すという。
 せっかく命が助かったのに、避難後に命を落としてしまうケースの何と多いことか。熊本地震でも、直接死は50人だが関連死は200人を超えている。安心して避難するためには、もっと広域にホテルや旅館などを活用すべきではないか。エコノミークラス症候群になりやすい車中泊などしなくていいようになってほしい。
 散歩から帰る途中、セミが鳴いていた。梅雨明けももうじきだ。


パラドール

2020-07-03 11:27:00 | 日記
 熊本県は7月6日から、苦境にある観光業を支援するため、県内のホテルや旅館に宿泊する際1泊につき1人最大5千円補助するキャンペーンを始めるという。コロナ騒動で今年の海外旅行は無理なので、地元でミニ旅行もいいかなと思います。
 私たち夫婦は昨年、スペイン旅行をしたので、コロナ前でよかったねと話したところでした。バルセロナのガウディの作品が見たくて、思い切って行ったのですが、予想以上に近代的な建物で驚きました。
 バルセロナで2階建て観光バスに乗ったのですが、どうもおかしいのです。出発した中心街に戻らず、変な方向に行きます。後でわかったことですが、例のバルセロナの独立騒ぎで中心街が立ち入り禁止になったらしい。その時は慌ててバスを降り、タクシーで近づける所まで行きました。これも今となってはいい思い出です。
 私が特に気に入ったのは、パラドールに宿泊できたことでした。中世のお城や修道院を政府が改修してホテルにしたもので、スペイン国内に90以上もあるそうです。私たちが泊まったのはアルマグロ。16世紀のフランシスコ修道院で、セルバンテスの時代を思わせるワイン・セラー・バーなどがある雰囲気抜群のホテルでした。
 1つ難点は、部屋のカギを開けるのにとても苦労することです。カギ穴に入れて回すのですが、何かコツがあるんですね。あっちこってから「開きません」という声が聞こえてきました。JR九州が古民家を旅館に再生させる取り組みを始めたらしいので、これにも期待しています。
 早くまた、海外へ行ける時が来ればいいなとつくづく思います。旅行はやっぱり楽しいですね。それまで散歩に精を出し、体力をつけておかねば・・・。

発掘現場

2020-06-29 15:38:00 | 日記
 熊本大学の北西側の道路を隔てた場所で遺跡の発掘調査が行われています。周辺は学生アパートだらけ。散歩の途中に勝手に見学しているのですが、ちょっと見た目には柱の跡やかまど(?)の跡などのようです。いつの時代のものでしょうね? 素人にはさっぱり分かりません。
 熊大のウェブサイトを見ると、黒髪キャンパス周辺にはキャンパスがすっぽり入るほどの、広大で重要な遺跡が地下に眠っているそうです。これもその一つなんでしょう。ここいらでは、縄文時代から奈良・平安時代までいろんな遺跡が発見されていて、構内に飽田郡家(飽託郡郡司建部公の居所)が存在した可能性も大きいらしい。「馬」という文字が書かれた土器も見つかっていて、役人の馬交換・宿場(駅)があったのではないかとみられています。
 発掘現場を見学させてもらっていると、作業をしているおばさんたちから「こんにちは」と声をかけられました。それにしても、上手く土を掻き出すものですね。単なる作業員ではなく、発掘のプロという感じ。やっぱり専門の人たちなんでしょう。向こうは私のことを、変なオジサンと思っているに違いありませんね。

山幸さんのこと

2020-06-26 14:13:00 | 日記
 友人の陶芸家・山本幸一さんが亡くなって2ヶ月くらいになる。みんな山幸(ヤマコー)さんと呼んでいた。金峰山の中腹に窯があり、石段を上っていくと大抵仕事をしているか、犬の散歩に行っていた。
 里芋の季節には、近くの農家が持ってきた袋詰めの里芋が玄関横にこづんであった。売るためである。これが抜群に美味しくて、そろそろという頃には予約していた。
 昨年の6月ごろだったか、「ガンになったっタイ。それもすい臓だもんね」と言う。びっくりした。72歳。まだまだこれからというときに、神様もひどいことをするもんである。
 それからちょくちょく顔を出したが、昨年の終わりごろには「もう半分しか力が残っとらん」と言っていた。明けて3月、顔を見に行くと、「これで3つぐい呑みができるけん、作ってみらんね」と一握りの土の塊をくれた。何とか形にして持っていくと、「ほう、立ち上がっとるタイ! さすがねー」とほめてくれた。最後の窯焼きの、私への何よりのプレゼントだった。
 ヤマコーさんの焼き物を一言で言えば「カッコイイ」である。わざとらしいところが1つもなく、自然と出て来る品の良さ。シャープなのに温かみがあった。我が家の食器やオブジェの半分以上はヤマコーさんのものだ。
 数日前、オブジェの遺作展を見に行った。もういないんだなと思うと、胸のあたりに穴が空いたような気がした。自分も死ぬときは、あんなふうに死ねたらいいなと思った。

凸凹歩道

2020-06-25 15:10:00 | 日記
 散歩を始めて半年近くがたちました。自宅から行って帰って1時間半くらい。あらゆる方向に、なるべく通ったことのない道を選ぶようにしています。
 一番感じるのは、道路って歩く人のためにできていない、ということです。やや広い道路には歩道がありますが、この歩道が歩きにくい。まず、平たい歩道がありません。雨水をためないようにするためか、極端に斜めになっています。大抵の場合は端っこに側溝があり、穴の開いた蓋が被せてあります。穴に足を突っ込まないように注意しながら、斜めの面を歩くのはとても疲れます。一方、車道はとてもきれいなのです。
 そこでどうしても、歩道のない路地か、車が通らない川の堤防を歩くことになるのです。とにかく車が来ないということは、歩行者にとっては大きな安心です。歩道を歩いていても、高速で自転車が通り抜けていきますからねー。
 今、最も楽しみにしているのが、白川沿いの堤防が小磧橋から下流までつながり徒歩や自転車で行けるようになることです。まだ子飼橋と明午橋の間がつながっていません。明午橋から大甲橋の左岸も工事中です。全体に工事が遅れているようです。
 熊本は程よい都会で、すぐ近くに自然があるとてもいい街です。だからこそ、そんな熊本にふさわしい道路ができたらいいのになー、と思っています。